令和4年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前II 問10
テクノロジハードウェア補助記憶・入出力装置
MPUがもつウェイト機能及びレディ機能の使い方として,適切なものはどれか。
解答・解説
正解: イ. アクセス速度の遅い I/Oデバイスと MPUを同期させる。
MPU(Micro Processing Unit)は内部処理速度が非常に高速ですが、メインメモリやI/OデバイスなどはMPUに比べて動作速度が遅い場合があります。
このような速度差があるデバイスとデータのやり取りを行う際、MPUが通常通りの速度でアクセスを完了してしまうと、正常にデータの読み書きができない問題が発生します。
これを解決するための機能が ウェイト機能 および レディ機能 です。
- ウェイト(Wait)機能: アクセス先のデバイスの準備が整うまで、MPUの動作を一時的に待機状態(ウェイトステート)にする機能です。
- レディ(Ready)機能: 外部デバイス側からMPUに対して「データの準備ができた」ことを知らせる信号(レディ信号)を送る機能です。MPUはこの信号を受け取ると待機状態を解除し、次の処理へ進みます。
これらにより、MPUとアクセス速度の遅いデバイスとの間で 同期をとり、確実なデータ転送を実現しています。したがって、イが正解となります。
各選択肢の解説
- ア: MPUと DMAコントローラーとのバス調停を行う。
これは バスアービトレーション(バス調停)機能 や HOLD機能 の説明です。バス(データ伝送路)の使用権を複数のバスマスター(MPUやDMAコントローラーなど)間で調整する機能であり、ウェイト/レディ機能ではありません。 - イ: アクセス速度の遅い I/Oデバイスと MPUを同期させる。
正解です。 ウェイト機能とレディ機能を用いて、動作速度の異なるMPUとI/Oデバイス間で同期をとります。 - ウ: 実行すべきタスクがないときに,MPUをウェイト状態とする。
これは スリープ機能 や HALT命令 などによる省電力モード、またはOSにおけるアイドル状態の説明です。 - エ: 入出力装置の処理完了を MPUに知らせる。
これは 割込み(Interrupt)機能 の説明です。I/Oデバイス側からMPUに処理の完了などを通知し、現在実行中のプログラムを中断して別の処理を行わせます。