IPA 統合・立ち上げ・体制 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

始まりと終わりが決まった一回限りの仕事を、組織として正式に認め、文書と役割分担で動かしていく分野です。プロジェクトであるかどうかを分けるのは仕事の規模ではなく、期限があることと、毎回違うものを作ることです。

2. 実際の出題のされ方

日常業務の事例からプロジェクトに該当するものを選ばせる問題や、新規プロジェクトを正式に認可する文書を選ぶ問題が出ています。スケジュールを縮めるときに競合する制約のバランスをとる対応、メンバを追加するときのコストマネジメントの活動、終結時に統合マネジメントで行う活動を選ぶ問いも、ITパスポートの出題です。

プロジェクト憲章、事業目標を達成するためのプログラムマネジメントの考え方、フェーズ・ゲートの目的は、応用情報技術者の午前で、どれも適切な記述を選ぶ形で問われています。前の二つは、高度試験の午前Iにも同じ問題があります。同じ区分には、RACIチャートの表を条件に合うように直す問題もあります。

プロジェクトマネージャの午前IIの問題は、JIS Q 21500:2018かPMBOKガイド第6版の用語で問われています。プロジェクトマネジメント計画書の説明や組織のプロセス資産に分類されるものを選ぶ問題のほか、「プロジェクト全体計画の作成」「プロジェクト組織の定義」「資源の管理」といった個別プロセスの目的、変更要求の提出を契機に相互作用するプロセス群の組合せが問われています。体制面では、プロジェクトガバナンスを維持する責任主体や、標準化・教育訓練などを担うステークホルダーを選ぶ問題、RACIチャートが示す役割の組合せや表から特定の責任をもつ要員を読み取る問題が出題されています。

3. 学習のポイント

プロジェクトを認めて経営の判断を下す立場と、計画を立てて日々指揮する立場は、JIS Q 21500:2018で別の役割として書かれ、プロジェクトガバナンスを保つ責任は前者の側にあります。

組織のプロセス資産はプロジェクトのチームが自分たちで使い方を変えられるもので、事業環境要因はチームの手の届かない条件です。

RACIチャートでは、一つの作業について結果の説明責任を負う人を一人に決め、作業を実際に行う人とは別の記号で表します。

4. 間違えやすいところ

プロジェクト憲章の説明を選ぶ問題では、プロジェクトの目標や成果物、要求事項および境界を記した文書とする誤答肢がありました。これは、作る範囲の境目を書き出すプロジェクトスコープ記述書の説明です。

プロジェクトマネジメント計画書の説明を選ぶ問題では、組織のニーズや目標とするベネフィットを書き、プロジェクトが事業の目的にどう役立つかを示す文書とする誤答肢がありました。これは、投資する理由を示すビジネスケースの説明です。

計画していた開発スケジュールを短縮する際の対応を問う問題では、「提供するシステムの高機能化を図ってスケジュールを遵守する」とする誤答肢がありました。機能を足せば作る量が増え、短くなった期間の中で終える仕事がかえって重くなります。

要員を追加するときのコストマネジメントの活動を選ぶ問題では、新しいメンバの道具の研修を外部に頼むとする誤答肢がありました。メンバに道具の使い方を身につけさせるのは、チームの育成を受け持つ資源マネジメントの仕事です。

RACIチャートが示す4つの役割の組合せを問う問題では、選択肢の中に「リスク管理」を含める誤答肢がありました。リスク管理は、リスクを洗い出して手を打つ別のマネジメントの名前です。

統合・立ち上げ・体制の理解度チェック

統合・立ち上げ・体制の過去問一覧

プロジェクト計画のほかの論点

スコープ・WBS23問