宅建 平成2年度 試験 問8
契約の解除に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 4. 請負契約において請負人が仕事を完成しない間は, 請負人は, 損害を賠償して契約を解除することができる。
正解の根拠
正解は 選択肢4 です。
請負契約において、請負人が仕事を完成しない間に損害を賠償して契約を解除することができるのは、注文者のみとされています(民法641条)。請負人の方から損害を賠償して契約を解除することは認められていないため、選択肢4の記述は誤りです。
各選択肢の解説
選択肢1:正しい
不動産の売買において、売買契約と同時に買戻しの特約をしたときは、売主は、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買契約の解除をすることができます(民法579条)。選択肢2:正しい
出題当時の民法では、売主が契約当時、売却した権利が自己に属しないこと(他人物であること)を知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は損害を賠償して契約を解除することができました。選択肢3:正しい
委任契約においては、当事者間の信頼関係が基礎となっているため、各当事者はいつでも契約を解除することができます。ただし、相手方に不利な時期に解除をした場合は損害を賠償する責任を負いますが、不利な時期でなければ損害賠償の必要はありません(民法651条)。選択肢4:誤り(正解)
請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができますが、請負人から一方的に解除することはできません。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
出題当時は、善意の売主の解除権が認められており、選択肢 2は正しい記述でした。しかし、2020年4月1日施行の民法の一部を改正する法律および民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律により、この規定は削除されました。そのため現行法では選択肢 2は誤りとなり、本問は正解が複数存在します。