応用情報 科目B(旧 午後)は何を書かせるのか:収録2年度・全設問の実測
「午後(科目B)は記述式」と一括りに言われますが、実際には問によって「書く量」がまったく違います。この記事では、Spine が収録している令和6年秋・令和7年秋の応用情報 午後(現 科目B)全22問・計197設問を、設問形式と字数指定で機械集計した実測値を公開します。選択問題をどの分野にするか(選択戦略)の判断材料にしてください。
集計は Spine 収録データ(問題を構造化した JSON)に対する機械集計です。分類は Spine のデータ形式に基づくもので、IPA 公式の分類ではありません。出題構成そのものの一次情報は IPA 応用情報技術者試験を参照してください。
対象データと数え方
- 対象試験ID:
2024autumn-AP-PM、2025autumn-AP-PM - 大問: 各年度11問、計22問
- 集計単位: 大問内の最小解答欄(
question_item) - 記述:
limited_text(字数指定あり)とfree_text(語句・SQLなど字数指定なし) - 数値・式:
numericとexpression - 選択:
single_selectとmultiple_select - 最大字数: 各大問の
limited_textに設定された上限の最大値 - 集計時点: 2026年7月23日
年度・大問別の全件数、解答形式別件数、元JSONのSHA-256は検証用JSONで公開しています。再集計スクリプトは scripts/generate-content-evidence.mjs です。
集計の見方
Spine のデータでは、設問の解答形式を次のように分類しています。
- 記述: 字数指定のある記述(「35字以内で答えよ」等)と、字数指定のない語句・短文記述
- 選択: 選択肢から選ぶ設問(単一・複数)
- 数値・式: 計算結果の数値や式・擬似コードを答える設問
実測結果(問別・2年度)
| 問 | 分野 | 設問数 R6秋/R7秋 | うち記述 | 最大字数 R6秋/R7秋 |
|---|---|---|---|---|
| 問1 | 情報セキュリティ(必須) | 8 / 8 | 4 / 3 | 35字 / 35字 |
| 問2 | 経営戦略 | 9 / 8 | 9 / 6 | 25字 / 45字 |
| 問3 | プログラミング | 9 / 8 | 0 / 0 | —(擬似コード・数値) |
| 問4 | システムアーキテクチャ | 11 / 9 | 3 / 2 | 35字 / 20字 |
| 問5 | ネットワーク | 8 / 9 | 7 / 9 | 4字 / 40字 |
| 問6 | データベース | 11 / 10 | 10 / 10 | —(SQL・語句) / 20字 |
| 問7 | 組込みシステム開発 | 10 / 12 | 8 / 9 | 40字 / 40字 |
| 問8 | 情報システム開発 | 10 / 10 | 8 / 4 | —(語句) / 20字 |
| 問9 | プロジェクトマネジメント | 8 / 7 | 7 / 4 | 40字 / 25字 |
| 問10 | サービスマネジメント | 7 / 8 | 6 / 7 | 35字 / 40字 |
| 問11 | システム監査 | 8 / 9 | 7 / 8 | 10字 / 15字 |
計197設問(令和6年秋 99・令和7年秋 98)。「最大字数」はその問に登場する字数指定の最大値で、「—」は字数指定つき設問がない(語句・数値・式などで答える)ことを示します。
実測から見えること
1. 問3(プログラミング)は「記述ゼロ」
2年度とも、問3に文章記述はありません。解答は擬似コードの穴埋めと数値です。文章を書くのが苦手でアルゴリズムが得意なら、問3は「記述式試験の中の非記述問題」として機能します。逆に、プログラミング未経験で「読解でなんとかする」戦略は問3では通用しません。
2. 読解系(問2・9〜11)は字数指定記述が主戦場
経営戦略・プロマネ・サビマネ・監査は、設問の大半が記述で、25〜45字の「理由・狙いを説明せよ」型が中心です。選択戦略の記事で「読解系は記述の精度が得点を左右する」と書いたのは、この構成が理由です。読解系を選ぶなら、答案の型への投資がそのまま得点になります。
3. 技術系でも「書く量」は問によって大差がある
同じ技術系でも、問4(アーキテクチャ)と問8(情報システム開発)は選択・語句の比率が高めで、問7(組込み)は2年度とも40字級の記述を含む「書かせる問」です。問5(ネットワーク)は令和6年秋は用語中心(最大4字)だったのに対し、令和7年秋は40字記述が出るなど、年度によって振れ幅がある分野もあります。保険分野を含めて6分野を準備しておく理由がここにもあります。
4. 「40字」が書ければ全分野で戦える
字数指定の最大値は、2年度・全22問を通して45字(令和7年秋 問2)でした。つまり、40字前後で「理由+結論」を一文にまとめる力があれば、どの分野の記述にも対応できます。40字答案の組み立て方は答案の書き方で解説しています。
演習への活かし方
- 分野選択の段階で、この表と自分の得意形式(文章記述/語句・計算)を突き合わせる
- 選択した分野の「最大字数」レンジの設問を、時間配分の27分モデルの中で書き切る練習をする
- 字数指定つき設問は、Spine の AI 採点で「書く → 採点 → 改善」(学習サイクル)を回して精度を上げる
体験デモでは、この表の問1(令和6年秋・情報セキュリティ)を登録なしでそのまま解けます。
出典・データについて
- 出題構成の一次情報: IPA 応用情報技術者試験 / 2026年度からの CBT 方式での実施について
- 集計対象: Spine 収録の令和6年度秋期・令和7年度秋期 応用情報技術者試験 午後(現 科目B)問題。集計は運営者による機械集計です(2026年7月実施)。試験問題の著作権は IPA に帰属します
- 検証資料: Spine集計結果・ファイルハッシュ