令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午後I 問2 予約システム再構築の概念データモデリング
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この問題は2023(R5)秋 データベーススペシャリスト 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
全国10ホテルを運営するX社の予約システム再構築を題材にした概念データモデリングの問題です。客室はホテルごとに客室番号で識別し、客室タイプはホテル共通という識別体系のねじれや、自社サイトと旅行会社という2つの予約経路をE-R図と関係スキーマに落とし込む力が問われます。この記事では、現状業務の記述をリレーションシップに翻訳する手順を追い、欠落した関連と空欄属性を業務ルールから一つずつ埋めていきます。
この記事で押さえる論点
- 現状業務の記述からE-R図の欠落したリレーションシップを補完する
- 客室タイプ・旅行会社・会員・予約の間の多重度を業務ルールから読み取る
- 関係スキーマの空欄属性を主キー・外部キーの観点で補う
- 現状業務と新規要件を概念データモデルに正しく反映し分ける
出題情報
- 出題
- 2023(R5)秋 データベーススペシャリスト 午後I 問2
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
システムの再構築では,現状業務の概念データモデリングを行い,現状のデータ構造を理解してから新規の概念データモデリングを行うことがある。この場合,現状業務と新規要件を正確に概念データモデルに反映することが求められる。
本問では,ホテルの予約システムの再構築を題材として,現状業務及び新規要件を概念データモデル,関係スキーマに反映する能力,業務処理及び制約の条件を整理する能力を問う。
問2では,ホテルの予約システムの再構築を題材に,概念データモデル及び関係スキーマ,並びに業務処理及び制約について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問2 ホテルの予約システムの概念データモデリングに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
ホテルを運営するX社は,予約システムの再構築に当たり,現状業務の分析及び新規要件の洗い出しを行い,概念データモデル及び関係スキーマを設計した。
〔現状業務の分析結果〕
ホテル
(1) 全国各地に10のホテルを運営している。ホテルはホテルコードで識別する。
(2) 客室はホテルごとに客室番号で識別する。
(3) 客室ごとに客室タイプを設定する。客室タイプはホテル共通であり,客室タイプコードで識別する。客室タイプにはシングル,ツインなどがある。
(4) 館内施設として,レストラン,ショップ,プールなどがある。会員
利用頻度が高い客向けの会員制度があり,会員は会員番号で識別する。会員には会員番号が記載された会員証を送付する。旅行会社
X社のホテルの宿泊予約を取り扱う複数の旅行会社があり,旅行会社コードで識別する。予約
(1) 自社サイト予約と旅行会社予約があり,予約区分で分類する。
(2) 自社サイト予約では,客はX社の予約サイトから予約する。旅行会社予約では,客は旅行会社を通じて予約する。旅行会社の予約システムからX社の予約システムに予約情報が連携され,どの旅行会社での予約かが記録される。
(3) 1回の予約で,客は宿泊するホテル,客室タイプ,泊数,客室数,宿泊人数,チェックイン予定年月日を指定する。予約は予約番号で識別する。
(4) 宿泊時期,予約状況を踏まえて,予約システムで決定した1室当たりの宿泊料金を記録する。
(5) 客が会員の場合,会員番号を記録する。会員でない場合は,予約者の氏名と住所を記録する。宿泊
客室ごとのチェックインからチェックアウトまでを宿泊と呼び,ホテル共通の宿泊番号で識別する。チェックイン
フロントで宿泊の手続を行う。
(1) 予約有の場合には該当する予約を検索し,客室を決め,宿泊を記録する。泊数,宿泊人数,宿泊料金は,予約から転記する。泊数,宿泊人数,宿泊料金が予約時から変更になる場合には,変更後の内容を記録する。
(2) 予約無の場合には泊数,宿泊人数,宿泊料金を確認し,客室を決め,宿泊を記録する。
(3) 宿泊者が会員の場合,会員番号を記録する。ただし,予約有の場合で宿泊者が予約者と同じ場合,予約の会員番号を宿泊に転記する。
(4) 一つの客室に複数の会員が宿泊する場合であっても記録できるのは,代表者1人の会員番号だけである。
(5) 宿泊ごとに宿泊者全員の氏名,住所を記録する。
(6) 客室のカードキーを宿泊客に渡し,チェックイン年月日時刻を記録する。チェックアウト
フロントで客室のカードキーを返却してもらう。チェックアウト年月日時刻を記録する。精算
(1) 通常,チェックアウト時に宿泊料金を精算するが,客が希望すれば,予約時又はチェックイン時に宿泊料金を前払いすることもできる。
(2) 宿泊客が館内施設を利用した場合,その場で料金を支払わずにチェックアウト時にまとめて支払うことができる。館内施設の利用料金は予約システムとは別の館内施設精算システムから予約システムに連携される。会員特典
会員特典として,割引券を発行する。券面には割引券を識別する割引券番号と発行先の会員番号を記載する。割引券には宿泊割引券と館内施設割引券があり,割引券区分で分類する。1枚につき,1回だけ利用できる。割引券の状態には未利用,利用済,有効期限切れによる失効があり,割引券ステータスで分類する。
(1) 宿泊割引券
① 会員の宿泊に対して,次回以降の宿泊料金に充当できる宿泊割引券を発行し,郵送する。1回の宿泊で割引券を1枚発行し,泊数に応じて割引金額を変える。旅行会社予約による宿泊は発行対象外となる。発行対象の宿泊かどうかを割引券発行区分で分類する。
② 予約時の前払いで利用する場合,宿泊割引券番号を記録する。1回の予約で1枚を会員本人の予約だけに利用できる。
③ ホテルでのチェックイン時の前払い,チェックアウト時の精算で利用する場合,宿泊割引券番号を記録する。1回の宿泊で1枚を会員本人の宿泊だけに利用できる。
(2) 館内施設割引券
① 館内施設割引券を発行し,定期的に送付している会員向けのダイレクトメールに同封する。館内施設の利用料金に充当できる。チェックアウト時の精算だけで利用できる。
② チェックアウト時の精算で利用する場合,館内施設割引券番号を記録する。1回の宿泊で1枚を会員本人の宿泊だけに利用できる。宿泊割引券との併用が可能である。
〔新規要件〕
会員特典として宿泊時にポイントを付与し,次回以降の宿泊時の精算などに利用できるポイント制を導入する。ポイント制は次のように運用する。
(1) 会員ランクにはゴールド,シルバー,ブロンズがあり,それぞれの必要累計泊数及びポイント付与率を決める。ポイント付与率は上位の会員ランクほど高くする。
(2) 毎月末に過去1年間の累計泊数に応じて会員の会員ランクを決める。
(3) チェックアウト日の翌日午前0時に宿泊料金にポイント付与率を乗じたポイントを付与する。この場合のポイントの有効期限年月日は付与日から1年後である。
(4) 宿泊料金に応じたポイントとは別に,個別にポイントを付与することがある。この場合のポイントの有効期限年月日は1年後に限らず,任意に指定できる。
(5) ポイントを付与した際に,有効期限年月日及び付与したポイント数を未利用ポイント数の初期値として記録する。
(6) ポイントは宿泊料金,館内施設の利用料金の支払に充当でき,これを支払充当と呼ぶ。支払充当では,支払充当区分(予約時,チェックイン時,チェックアウト時のいずれか),ポイントを利用した予約の予約番号又は宿泊の宿泊番号を記録する。
(7) ポイントは商品と交換することもでき,これを商品交換と呼ぶ。商品ごとに交換に必要なポイント数を決める。ホテルのフロントで交換することができる。交換時に商品と個数を記録する。
(8) 支払充当,商品交換でポイントが利用される都度,その時点で有効期限の近い未利用ポイント数から利用されたポイント数を減じて,消し込んでいく。
(9) 未利用のまま有効期限を過ぎたポイントは失効し,未利用ポイント数を 0 とする。失効の 1 か月前と失効後に会員に電子メールで連絡する。失効前メール送付日時と失効後メール送付日時を記録する。
(10) ポイントの付与,支払充当,商品交換及び失効が発生する都度,ポイントの増減区分,増減数及び増減時刻をポイント増減として記録する。具体例を表 1 に示す。

図の説明テキスト
| 会員番号 | 増減連番 | ポイント増減区分 | ポイント増減数 | ポイント増減時刻 | 有効期限年月日 | 未利用ポイント数 | 商品コード | 商品名 | 個数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 70001 | 0001 | 付与 | 3,000 | 2022-01-22 00:00 | 2023-01-21 | 0 | - | - | - |
| 70001 | 0002 | 付与 | 2,000 | 2022-01-25 00:00 | 2022-07-24 | 0 | - | - | - |
| 70001 | 0003 | 支払充当 | -3,000 | 2022-04-25 18:05 | - | - | - | - | - |
| 70001 | 0004 | 商品交換 | -1,500 | 2022-10-25 16:49 | - | - | 1101 | タオル | 3 |
| 70001 | 0005 | 失効 | -500 | 2023-01-22 00:00 | - | - | - | - | - |
| 70002 | 0001 | 付与 | 3,000 | 2022-06-14 00:00 | 2023-06-13 | 1,000 | - | - | - |
| 70002 | 0002 | 支払充当 | -2,000 | 2022-10-14 17:01 | - | - | - | - | - |
注記 “-” は空値であることを示す。
〔概念データモデルと関係スキーマの設計〕
概念データモデル及び関係スキーマの設計方針
(1) 概念データモデル及び関係スキーマの設計は,まず現状業務について実施し,その後に新規要件に関する部分を実施する。
(2) 関係スキーマは第 3 正規形にし,多対多のリレーションシップは用いない。
(3) 概念データモデルでは,リレーションシップについて,対応関係にゼロを含むか否かを表す“○”又は“●”は記述しない。
(4) サブタイプが存在する場合,他のエンティティタイプとのリレーションシップは,スーパータイプ又はいずれかのサブタイプの適切な方との間に設定する。〔現状業務の分析結果〕に基づく設計
現状の概念データモデルを図1に,関係スキーマを図2に示す。

図の説明テキスト
エンティティとそのリレーションシップを示すER図。
エンティティ:ホテル、客室タイプ、旅行会社、会員、割引券、客室、予約、宿泊、宿泊割引券、館内施設割引券、予約有宿泊、宿泊者、割引券発行対象宿泊。
割引券のサブタイプとして「宿泊割引券」と「館内施設割引券」がある。
宿泊のサブタイプとして「予約有宿泊」と「割引券発行対象宿泊」がある。
リレーションシップ(V字の矢印が多側):
ホテル→客室、客室タイプ→客室、客室→予約、旅行会社→予約、会員→予約、会員→宿泊、会員→割引券、予約有宿泊→予約、宿泊→宿泊者

図の説明テキスト
ホテル (ホテルコード, ホテル名)
客室タイプ (客室タイプコード, 客室タイプ名, 定員数)
客室 (ホテルコード, 客室番号, ア)
旅行会社 (旅行会社コード, 旅行会社名)
会員 (会員番号, メールアドレス, 氏名, 生年月日, 電話番号, 郵便番号, 住所)
予約 (予約番号, 予約者氏名, 住所, 予約区分, チェックイン予定年月日, 泊数, 客室数, 宿泊人数, 1室当たり宿泊料金, 予約時前払い金額, 会員番号, イ)
宿泊 (宿泊番号, 予約有無区分, 泊数, 宿泊人数, 宿泊料金, チェックイン時前払い金額, 館内施設利用料金, チェックアウト時精算金額, 割引券発行区分, チェックイン年月日時刻, チェックアウト年月日時刻, 会員番号, ウ)
予約有宿泊 (宿泊番号, エ)
割引券発行対象宿泊 (宿泊番号, 割引券発行済フラグ)
宿泊者 (宿泊番号, 宿泊者明細番号, 氏名, 住所)
割引券 (割引券番号, 割引券区分, 割引券名, 割引金額, 有効期限年月日, 発行年月日, 割引券ステータス, 会員番号)
宿泊割引券 (割引券番号, 発行元宿泊番号)
館内施設割引券 (割引券番号, ダイレクトメール送付年月日)
注記: 画像内では主キーに実線下線、外部キーに破線下線が引かれている。
- 〔新規要件〕に関する設計
新規要件に関する概念データモデルを図3に,関係スキーマを図4に示す。

図の説明テキスト
エンティティとして「会員ランク」「会員」「ポイント増減」「商品」「ポイント付与」「ポイント失効」「支払充当」「商品交換」の四角い枠が配置されているが、リレーションシップの線は引かれていない。

図の説明テキスト
会員 (会員番号, メールアドレス, 氏名, 生年月日, 電話番号, 郵便番号, 住所, 会員ランクコード, 過去1年累計泊数)
会員ランク (会員ランクコード, 会員ランク名, オ)
商品 (商品コード, カ)
ポイント増減 (会員番号, ポイント増減連番, キ)
ポイント付与 (会員番号, ポイント増減連番, 失効前メール送付日時, ク)
ポイント失効 (会員番号, ポイント増減連番, ケ)
支払充当 (会員番号, ポイント増減連番, 予約番号, 宿泊番号, コ)
商品交換 (会員番号, ポイント増減連番, サ)
注記: 画像内では主キーに実線下線、外部キーに破線下線が引かれている。
解答に当たっては,巻頭の表記ルールに従うこと。また,エンティティタイプ名,関係名,属性名は,それぞれ意味を識別できる適切な名称とすること。関係スキーマに入れる属性名を答える場合,主キーを表す下線,外部キーを表す破線の下線についても答えること。

図の説明テキスト
| 番号 | 予約有無 | 条件 |
|---|---|---|
| 1 | 予約有 | 該当する a の b に値が入っていること |
| 2 | 予約有 | 該当する予約の c の値が d であること |
| 3 | 予約無 | 該当する宿泊の b に値が入っていること |

図の説明テキスト
| 番号 | 制約条件 |
|---|---|---|
| 1 | 該当する割引券の e の値が f であること |
| 2 | 該当する割引券の g の値が h であること |
| 3 | 該当する割引券の i の値と該当する予約の j の値が一致していること |
設問と解答・解説
設問1
現状の概念データモデル及び関係スキーマについて答えよ。
(1)
図1中の欠落しているリレーションシップを補って図を完成させよ。
模範解答
ホテル
割引券
宿泊
割引券
館内施設
割引券
客室
タイプ
旅行会社
会員
客室
予約
宿泊
割引券発行
対象宿泊
予約有
宿泊
宿泊者
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 全てのリレーションシップのペアを正確に解答できている。
- 1点: 一部のリレーションシップのペアが解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
現状業務の概念データモデル(図1)におけるリレーションシップの欠落を補完する問題です。
業務要件と現状のシステム構造を正確に読み取り、エンティティ間の関連を洗い出す必要があります。
高得点のポイント
- 状況記述に記載されている業務ルールから、エンティティ間の参照関係を漏れなく抽出できていること。
- 「ホテル」「客室」「予約」などの主要エンティティ間の関連が正しく認識できていること。
(2)
図2中の ア に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
客室タイプコード
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された属性名を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図2の「ア」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
客室の関係スキーマには、上位概念である客室タイプを参照するためのキーを持たせる必要があります。
高得点のポイント
- 主キーとのリレーションを意識し、外部キーとして「客室タイプコード」を特定できていること。
(3)
図2中の イ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
ホテルコード,客室タイプコード,旅行会社コード,宿泊割引券番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図2の「イ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
宿泊割引券がどのホテル、客室タイプ、旅行会社に関連しているかを表現するための属性が必要です。
高得点のポイント
- 関連するエンティティの主キー(ホテルコード、客室タイプコード、旅行会社コード)および自身の識別子(宿泊割引券番号)を全て挙げられていること。
(4)
図2中の ウ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
ホテルコード,客室番号,宿泊割引券番号,館内施設割引券番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図2の「ウ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
館内施設割引券は宿泊割引券と併用可能であることを、正確に状況記述から読み取る必要があります。
高得点のポイント
- 宿泊割引券番号と館内施設割引券番号の両方を記述できていること。
- どちらかだけを記述した解答は、併用要件を満たせていないため誤りとなります。
(5)
図2中の エ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
予約番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された属性名を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図2の「エ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
特定の予約を識別し、他のエンティティと紐付けるためのキーが必要です。
高得点のポイント
- リレーションシップの根幹となる「予約番号」を正しく導出できていること。
設問1では,(2)ウの正答率が低かった。宿泊割引券番号と館内施設割引券番号のどちらかだけを記述した解答が散見された。館内施設割引券が宿泊割引券と併用可能であることを,正確に状況記述から読み取ってほしい。
設問2
現状の業務処理及び制約について答えよ。
(1)
割引券発行区分の値が発行対象となる宿泊の条件を表2にまとめた。予約有の場合は番号1と2,予約無の場合は番号3の条件を満たしている必要がある。表2中の a に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
宿泊
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券発行区分の値が発行対象となる条件を表2にまとめた空欄「a」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 予約者と宿泊者は異なる場合があり、宿泊者が会員の場合に宿泊割引券が発行されるという業務ルールを理解していること。
- 「予約」ではなく「宿泊」を対象としていることを導き出せていること。
(2)
表2中の b に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
会員番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
表2の空欄「b」を埋める問題です。
宿泊者が会員であることを判定するために必要な情報を導出します。
高得点のポイント
- 会員を特定するためのキーである「会員番号」を解答できていること。
(3)
表2中の c に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
予約区分
旅行会社コード
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
表2の空欄「c」を埋める問題です。
予約の経路や種類に応じて条件を判定するための属性を答えます。
高得点のポイント
- 業務ルールに基づき、「予約区分」または「旅行会社コード」などの適切な判定項目を導出できていること。
(4)
表2中の d に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
自社サイト予約
NULL
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
表2の空欄「d」を埋める問題です。
予約経路などの判定値として取り得る具体的な値を答えます。
高得点のポイント
- 業務ルールに基づき、「自社サイト予約」や「NULL」などの具体的な判定値を正確に記述できていること。
(5)
予約時に割引券を利用する場合の制約条件を表3にまとめた。番号1〜3すべての条件を満たしている必要がある。表3中の e に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
割引券ステータス
割引券区分
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「e」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 割引券の状態や種類を表す「割引券ステータス」または「割引券区分」を正しく導出できていること。
(6)
表3中の f に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
未利用
宿泊割引券
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「f」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 利用条件として「未利用」であること、または「宿泊割引券」などの種類を正確に指定できていること。
(7)
表3中の g に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
割引券区分
割引券ステータス
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「g」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 割引券の状態や種類を表す「割引券区分」または「割引券ステータス」を正しく導出できていること。
(8)
表3中の h に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
宿泊割引券
未利用
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 適切な字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「h」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 対象となる券種(宿泊割引券)や、その状態(未利用)の判定値を正しく記述できていること。
(9)
表3中の i に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
会員番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「i」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 本人確認や会員情報の参照に必要な「会員番号」を解答できていること。
(10)
表3中の j に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
会員番号
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された字句を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
割引券利用時の制約条件(表3)の空欄「j」を埋める問題です。
高得点のポイント
- 業務ルールの適用にあたり、利用者を一意に特定するための「会員番号」を解答できていること。
設問2では,(1)aの正答率がやや低かった。aを,宿泊ではなく予約とした誤答が散見された。予約者と宿泊者は異なる場合があり,宿泊者が会員の場合に宿泊割引券が発行されることから正しい条件を導き出してほしい。
設問3
新規要件に関する概念データモデル及び関係スキーマについて答えよ。
(1)
図3中の欠落しているリレーションシップを補って図を完成させよ。なお,図3にないエンティティタイプとのリレーションシップは不要とする。
模範解答
ポイント付与
ポイント失効
支払充当
商品交換
商品
ポイント増減
会員
会員ランク
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 全てのリレーションシップのペアを正確に解答できている。
- 1点: 一部のリレーションシップのペアが解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
新規要件に関する概念データモデル(図3)の欠落リレーションシップを補完する問題です。
ポイントシステム導入に伴う各種エンティティ(ポイント付与、ポイント失効、支払充当、商品交換など)の関連を定義します。
高得点のポイント
- 業務記述から新規要件のデータ構造を把握し、エンティティ間の線引きを正確に抽出できていること。
(2)
図4中の オ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
必要累計泊数,ポイント付与率
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「オ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
会員ランクの決定条件や特典を管理するための属性が必要です。
高得点のポイント
- 「必要累計泊数」および「ポイント付与率」を漏れなく記述できていること。
- サブタイプの視点で、それぞれの関係スキーマに必要な固有属性を整理する能力が求められます。
(3)
図4中の カ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
商品名,ポイント数
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「カ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
交換対象となる商品に関する情報を管理する関係スキーマです。
高得点のポイント
- 商品を特定・説明するための「商品名」と、交換に必要な「ポイント数」を記述できていること。
(4)
図4中の キ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
ポイント増減区分,ポイント増減数,ポイント増減時刻
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「キ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
ポイントの増減履歴を管理するための属性が必要です。
高得点のポイント
- 増減の種類を示す「ポイント増減区分」、量を示す「ポイント増減数」、発生日時を示す「ポイント増減時刻」を全て網羅できていること。
(5)
図4中の ク に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
有効期限年月日,未利用ポイント数
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「ク」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
ポイント付与に関する固有の属性を管理します。
高得点のポイント
- ポイントのライフサイクル管理に必要な「有効期限年月日」と、残高管理に必要な「未利用ポイント数」を記述できていること。
(6)
図4中の ケ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
失効後メール送付日時
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された属性名を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「ケ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
ポイントが失効した際の後処理(通知など)に関する属性です。
高得点のポイント
- 失効後の通知状態を管理するための「失効後メール送付日時」を解答できていること。
(7)
図4中の コ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
支払充当区分
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 指定された属性名を正確に解答できている。
- 1点: 解答が不完全であるが一部合致している。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「コ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
ポイントを支払いに充当した際の詳細を管理します。
高得点のポイント
- 支払いの種類や充当先を区別するための「支払充当区分」を解答できていること。
(8)
図4中の サ に入れる一つ又は複数の適切な属性名を補って関係スキーマを完成させよ。
模範解答
商品コード,個数
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 必要な全ての属性名を正確に解答できている。
- 1点: 一部の属性名のみ解答できている。
- 0点: 解答が誤っている、または無解答。
解説
設問の解説
図4の「サ」に入れる適切な属性名を補完する問題です。
ポイントを商品に交換した際の内訳を管理します。
高得点のポイント
- どの商品をいくつ交換したかを記録するため、「商品コード」と「個数」の両方を解答できていること。
(9)
ポイント利用時の消込みにおいて,関係“ポイント付与”の会員番号が一致するインスタンスに対する次の条件について,表1の用語を用いて20字以内で具体的に答えよ。
消込みの対象とするインスタンスを選択する条件
模範解答
未利用ポイント数が0より大きい。
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: 「未利用ポイント数」に着目していることが示されている。
- 0点: 「未利用ポイント数」について言及されていない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 残高があること(0より大きいこと)を論理的に表現できている。
- 0点: 残高の条件が不適切、または表現されていない。
解説
設問の解説
ポイント利用時の消込みにおいて、対象となるインスタンスを選択する条件を20字以内で記述する問題です。
ポイントを消費するためには、過去に付与されたポイントがまだ残っている(使われていない)必要があります。
高得点のポイント
- 未利用ポイント数 に着目していること。
- 残高がある状態を「0より大きい」という条件で明確かつ論理的に表現できていること。
(10)
ポイント利用時の消込みにおいて,関係“ポイント付与”の会員番号が一致するインスタンスに対する次の条件について,表1の用語を用いて20字以内で具体的に答えよ。
(a)で選択したインスタンスに対して消込みを行う順序付けの条件
模範解答
有効期限年月日が近い順
採点基準(配点 2点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: 「有効期限年月日」に着目していることが示されている。
- 0点: 「有効期限年月日」について言及されていない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 期限が近い順(古い順)に処理することを明確に記述している。
- 0点: 順序の指定が不適切、または表現されていない。
解説
設問の解説
ポイント利用時の消込みにおいて、消込みを行う順序付けの条件を20字以内で記述する問題です。
利用者の不利益を最小限にするため、失効が近いポイントから優先的に消費させるのが一般的な業務ルールです。
高得点のポイント
- 有効期限年月日 に着目していること。
- 古いもの、すなわち期限が「近い順」に消し込むことを論理的に記述できていること。
設問3では,(2)ク~サの正答率がやや低かった。サブタイプの視点での関係スキーマの属性を整理することは実務でもよくあることであり,理解を深めてほしい。