令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後II 問題 問1 社内ネットワークのIPv6対応設計
テクノロジネットワーク
この問題は2025(R7)春 ネットワークスペシャリスト 午後IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
社内ネットワークのIPv6対応を検討する午後Ⅱの大型問題です。IPv6アドレスの構造、NDPとSLAACによるアドレス自動生成、重複検出の目的、デュアルスタックでの名前解決、そしてGUAとLLAを使い分けた経路設計まで、IPv6の基礎を体系的に総ざらいします。問題文自体が丁寧な解説になっているのが特徴で、この記事ではIPv4での常識と対比しながら、30問超の設問を仕組みの理解度チェックとして活用する読み方を提案します。
この記事で押さえる論点
- IPv6アドレスの構造とSLAACによる自動生成の流れを説明する
- デュアルスタック環境のDNS通信(AAAAレコード)を読み解く
- GUA/LLAの使い分けと経路制御の設計を理解する
出題情報
- 出題
- 2025(R7)春 ネットワークスペシャリスト 午後II 問1
- 配点
- 100点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
企業で利用されているインターネット上のクラウドサービスやWebサイトは,IPv6に対応したものが増えている。また,世界的にもIPv6の普及率が向上している。このような背景から,ネットワーク技術者にとって,IPv6アドレスの割当て,PCがSaaS及びWebサイトとIPv6で通信する前に行うDNS通信の流れや,IPv6の経路制御設計など,IPv6に関する基本的な知識は,今後より重要になってくる。本問では,IPv6の調査と社内ネットワークのIPv6対応の検討を題材として,IPv4及びIPv6に関する知識及び理解力を問う。
問1では,IPv6の調査と社内ネットワークのIPv6対応の検討を題材に,IPv6アドレスの割当て,IPv4とIPv6のデュアルスタックのネットワークにおけるDNS通信,及び経路制御設計について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問1 社内ネットワークのIPv6対応に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
Q社は全国に拠点をもつ大手の電機メーカーである。Q社で利用される社内ネットワークにはIPv4アドレスだけが割り当てられており、従業員は社内ネットワークに接続されたPCを利用して、社内Web、電子メール、ファイル共有、チャットやWeb会議などのサービスを提供するV社SaaS、及びインターネット上のWebサイトにアクセスして業務を行っている。
Q社で利用しているSaaSやWebサイトのIPv6の対応状況、及び近年のIPv6普及率の向上を踏まえ、情報システム部はIPv6の調査と社内ネットワークのIPv6対応について検討することにした。IPv6の調査と社内ネットワークのIPv6対応の検討は、情報システム部のP主任が担当することになった。
〔社内ネットワークの概要〕
Q社の現状の社内ネットワーク構成を図1に示す。

図の説明テキスト
インターネットとV社SaaSが並列に存在し、インターネットからはISPを経由してルータAに繋がっている。ルータAから社内ネットワーク内のデータセンターにあるルータBに接続されている。ルータBはFWに接続され、FWからはL2SWと広域イーサ網に分岐している。L2SWにはキャッシュDNSサーバとDHCPサーバが接続されている。広域イーサ網からは拠点1にあるL3SW1に接続され、L3SW1はL2SW1を経由して複数のPCに接続されている。
L2SW:レイヤー2スイッチ
L3SW:レイヤー3スイッチ
FW:ファイアウォール
ISP:インターネットサービスプロバイダ
広域イーサ網:広域イーサネットサービス網
図1の概要を次に示す。
- 社内ネットワークのPC,ネットワーク機器及びサーバにはIPv4アドレスを割り当てている。
- ルータBにはデフォルトルート及びNAPTを設定している。
- FWでは,ステートフルパケットインスペクションを用いたアクセス制御を行っていて,許可及び拒否した通信のログを記録している。
- ルータB,FW及び各拠点のL3SWは,OSPFv2を用いて経路制御を行っている。
- ルータBは,OSPFv2でデフォルトルートを配布している。
- データセンターと各拠点との間は,レイヤー2の広域イーサ網で接続されている。
- PCは,IPv4アドレス,デフォルトゲートウェイ及びキャッシュDNSサーバに関する情報を,DHCPサーバから取得している。
〔IPv6対応の方針〕
V社SaaSの一部及びインターネット上のWebサイトの一部は,現時点ではIPv6に対応していない。P主任は,社内ネットワークのIPv6対応後もIPv4のネットワークへの接続を確保する必要があると考えて,社内ネットワークには,IPv4とIPv6のデュアルスタックのネットワークを採用する方針で,IPv6対応について検討することにした。
〔IPv6におけるアドレス解決〕
IPv6におけるアドレス解決では,IPv4のARPに相当する機能をもつ,RFC 4861で規定されたNeighbor Discovery Protocol(以下,NDPという)が用いられる。
IPv4のARPによるアドレス解決では,要求元のノードは,求めるMACアドレスに対応するIPv4アドレスをARPリクエストの a フィールドに入れて,b キャストで送信する。次に,ARPリクエストを受信した,要求されたIPv4アドレスをもつノードは,自身のMACアドレスをARP c の送信元MACアドレスフィールドに入れて,要求元のノード宛てに送信する。
IPv6のNDPによるアドレス解決では,要求元のノードは,求めるMACアドレスに対応するIPv6アドレスをICMPv6のNeighbor Solicitation(以下,NSという)メッセージに入れて,マルチキャストで送信する。次に,NSメッセージを受信した,要求されたIPv6アドレスをもつノードは, Neighbor Advertisement (以下, NAという)メッセージに自身のMACアドレスを入れて, 要求元のノード宛てに送信する。
〔IPv6アドレスの割当て〕
NDPは, ICMPv6のNSメッセージ及びNAメッセージに加えてRouter Solicitation (以下, RSという)メッセージやRouter Advertisement (以下, RAという)メッセージなども用いて, アドレス解決以外の次の機能を実現している。
- データリンク層で通信可能な範囲にあるルータを発見する機能
- サブネットプレフィックスやデフォルトルータを決定するための情報を, ノードに通知する機能
- 利用予定のIPv6アドレスがほかのノードで利用されていないか確認する重複アドレス検出機能
IPv6アドレスの構造, 使用方法及び自動設定については, RFC 4291で規定されたIPv6アドレス体系, 及びRFC 4862で規定されたSLAAC (IPv6 Stateless Address Autoconfiguration)に規定されている。
IPv6アドレスは128ビットで構成され, d ビットずつを“:”で区切って表される。2001:db8:aabb:1::1/64を例とするIPv6アドレスの構造を図2に示す。

図の説明テキスト
2001:0db8:aabb:0001:0000:0000:0000:0001 というIPv6アドレスが表記されている。前半の「2001:0db8:aabb:0001」部分が「サブネットプレフィックス」、後半の「0000:0000:0000:0001」部分が「インタフェース識別子」として示されている。
IPv6アドレスには, リンクローカルユニキャストアドレス(以下, LLAという)とグローバルユニキャストアドレス(以下, GUAという)がある。①LLAはある範囲でネットワークインタフェースを一意に識別できるIPv6アドレスであり, サブネットプレフィックスには“fe80::/64”を用いる。GUAは, IPv6で構成されるインターネットを含むグローバルなネットワークで, ネットワークインタフェースを一意に識別できるIPv6アドレスである。
インタフェース識別子の生成方法を次に示す。
- 疑似乱数関数を用いてランダムなインタフェース識別子を生成する方法
- e ビットのMACアドレスからf ビットのModified EUI-64形式のインタフェース識別子を生成する方法
ノード1におけるNDP及びSLAACを用いたIPv6アドレスの生成処理を図3に示す。
なお,Q社の社内ネットワークの拠点1においては,ノード1及びノード2はPCであり,ノード3はL3SW1である。

図の説明テキスト
ノード1、ノード2、ノード3間の通信シーケンス図。
(i) ノード1からNSメッセージ1)をマルチキャスト送信し、ノード2で破棄される。
(ii) ノード1からNAメッセージ2)をマルチキャスト送信し、ノード2とノード3へ到達する。
(iii) ノード1からRSメッセージ3)をマルチキャスト送信し、ノード2で破棄され、ノード3へ到達する。
(iv) ノード3からRAメッセージをノード1のLLA宛てに送信する。
(v) ノード1からNSメッセージ1)をマルチキャスト送信し、ノード2で破棄される。
(vi) ノード1からNAメッセージ2)をマルチキャスト送信し、ノード2とノード3へ到達する。
破線の矢印は「マルチキャストアドレス宛ての通信」、実線の矢印は「ノード1のLLA宛ての通信」、バツ印は「ノードはメッセージを破棄する」ことを示す。
注1) 宛先IPv6アドレスは要請ノードマルチキャストアドレスであり、ノード1が宛先アドレスフィールドに入れるIPv6アドレスの下位24ビットと、宛先のノードのインタフェース識別子の下位24ビットが同じ場合に受信される。
注2) 宛先IPv6アドレスは全ノードマルチキャストアドレスである。
注3) 宛先IPv6アドレスは全ルータマルチキャストアドレスである。
図3中の処理(i)〜(vi)の概要を次に示す。
(i) ノード1は,仮のLLAを生成してNSメッセージに入れて送信し,ほかのノードからNAメッセージの応答がないことを確認する。
(ii) ノード1は,仮のLLAを正式なLLAとしてNAメッセージに入れて,全ノードマルチキャストアドレス宛てに送信する。
(iii) ノード1は, RSメッセージを全ルータマルチキャストアドレス宛てに送信する。
(iv) RSメッセージを受信したノード3は, GUAの生成に用いるサブネットプレフィックス, 及びデフォルトルータを決定するための情報をRAメッセージに入れて, ノード1宛てに送信する。
(v) ノード1は, RAメッセージのサブネットプレフィックスと生成したインタフェース識別子を組み合わせた仮のGUAをNSメッセージに入れて送信し, ほかのノードからNAメッセージの応答がないことを確認する。
(vi) ノード1は, 仮のGUAを正式なGUAとしてNAメッセージに入れて, 全ノードマルチキャストアドレス宛てに送信する。
ノード1は, ノード3を経由して外部のノードと通信を行うために, 処理(iv)で受信した, RAメッセージの送信元であるノード3のLLAを g に設定する。
Q社のネットワークにおけるIPv6アドレスの割当てについて, P主任が調査した結果の一部を次に示す。
- Q社は, ISPから, プレフィックス長が48又は56のGUAの割当てを受けることができる。
- ISPから割り当てられたGUAを, プレフィックス長が64のネットワークに分割して, 利用することができる。
- SLAACを利用して, PCのLLA, GUA, 及び g を自動で設定することができる。
- ルータB, FW及び各拠点のL3SWには, LLA及びGUAを静的に割り当てることができる。
- 固定のMACアドレスからModified EUI-64形式のインタフェース識別子を生成する方法は非推奨である。
PCのインタフェース識別子が疑似乱数関数を用いてランダムに生成される場合, ②利用者のプライバシー保護に有用であるが, PC管理の観点で考慮が必要になるとP主任は考えた。
〔IPv6の名前解決〕
IPv4の名前解決と比べてIPv6の名前解決では,512バイトよりも大きなDNSメッセージを送受信する可能性が高い。DNSの機能を拡張するためにRFC 6891で規定されたExtension Mechanisms for DNS version 0(以下,EDNSという)では,スタブリゾルバとフルサービスリゾルバとの間,及びフルサービスリゾルバと権威DNSサーバとの間で,UDP上で送受信されるDNSメッセージのサイズの上限を緩和している。
P主任は,IPv6アドレスの名前解決について,フルサービスリゾルバであるキャッシュDNSサーバを管理する情報システム部のR係長に相談した。2人の会話を次に示す。
P主任:社内ネットワークをIPv6に対応させることになった場合に,キャッシュDNSサーバにIPv6アドレスを割り当てる必要がありますか。
R係長:不要です。キャッシュDNSサーバはIPv4のネットワーク上でDNSメッセージを送受信して,FQDNに対応するIPv6アドレスを解決できます。例えば,IPv6とIPv4の両方に対応するWebサイトの名前解決を行う場合に,PCはAAAAレコードとAレコードを用いて名前解決を要求することで,IPv6アドレスとIPv4アドレスの両方を取得します。
P主任:FQDNからIPv6アドレスとIPv4アドレスの両方を解決した場合,Q社のPCはどのように動作するのですか。
R係長:AAAAレコードとAレコードの応答をほぼ同じタイミングで受信した場合には,IPv6を優先して通信を行います。
P主任:IPv6のDNSメッセージは,IPv4のDNSメッセージよりもサイズが大きくなると考えています。UDP上で送受信されるDNSメッセージのサイズには上限がありますが,何か対応が必要でしょうか。
R係長:Q社のキャッシュDNSサーバはEDNSに対応済みです。PCから名前解決の要求を受けたキャッシュDNSサーバが,権威DNSサーバに問い合わせる場合を例に説明します。キャッシュDNSサーバは,まず,DNSを利用して権威DNSサーバのEDNSの対応可否を確認します。EDNSを利用できるときには,両方のサーバ間で調整した最大のメッセージサイズまでであれば,512バイトを超えるDNSメッセージであってもUDPで送受信します。DNSメッセージが最大のメッセージサイズを超えるときや,EDNSに対応していない権威DNSサーバと512バイトを超えるDNSメッセージを送受信するときには,h で送受信することになります。
P主任が作成したDNSの通信例を図4に,V社SaaSのFQDNに対するAAAAレコードの応答例を図5に示す。

図の説明テキスト
PC、キャッシュDNSサーバ、V社SaaS間の通信シーケンス図。
(i) PCからキャッシュDNSサーバへAAAAレコードの問合せ。
(ii) PCからキャッシュDNSサーバへAレコードの問合せ。
(iii) キャッシュDNSサーバからPCへAAAAレコードの応答。
(iv) キャッシュDNSサーバからPCへAレコードの応答。
(v) PCとV社SaaS間でIPv6通信が行われる。
注記 キャッシュ DNS サーバと権威 DNS サーバとの間の通信は省略する。

図の説明テキスト
DNSレコードの応答例。ANSWER SECTIONに「saas.example.com. 3600 IN CNAME dual-saas.example.net.」「dual-saas.example.net. 240 IN AAAA 2001:db8:xxxx::10」「dual-saas.example.net. 240 IN AAAA 2001:db8:xxxx::20」が記載されている。AUTHORITY SECTIONには「example.net. 172800 IN NS ns1.example.net.」「example.net. 172800 IN NS ns2.example.net.」が記載されている。ADDITIONAL SECTIONには「ns1.example.net. 172800 IN A 198.51.100.α」「ns2.example.net. 172800 IN A 198.51.100.β」が記載されている。
注記1 saas.example.com. は, V社 SaaS の FQDN である。
注記2 2001:db8:xxxx::10 及び 2001:db8:xxxx::20 は GUA である。
注記3 198.51.100.α 及び 198.51.100.β はグローバル IPv4 アドレスである。
③IPv6のネットワークだけが不通となった場合に,利用しているOSやWebブラウザによっては従業員が異常に気付くことができず,情報システム部に異常を連絡できない可能性があるとP主任は考えた。IPv6のネットワークの異常を検知するために,データセンターに監視サーバを導入して,IPv6のインターネットへのアクセスや,各拠点のL3SWのGUAに対してping6コマンドによる監視を行うことにした。
〔IPv6ネットワークの設計〕
P主任は,図1の社内ネットワークを基に,IPv4とIPv6のデュアルスタックのネットワークを設計した。P主任が設計した社内ネットワーク構成を図6に示す。

図の説明テキスト
P主任が設計した社内ネットワークの構成図およびネットワーク機器に割り当てるIPv6アドレス一覧。構成図は図1と同様だが、機器のインタフェースにa〜hの記号が振られている。また、データセンター内のL2SWに監視サーバが追加されている。
一覧表の内容は以下の通り:
ルータA(インタフェースa): LLA=fe80::1/64, GUA=未割当て
ルータB(インタフェースb): LLA=fe80::2/64, GUA=未割当て
ルータB(インタフェースc): LLA=fe80::1/64, GUA=未割当て
ルータB(インタフェースd): LLA=fe80::2/64, GUA=未割当て
FW(インタフェースe): LLA=fe80::1/64, GUA=2001:db8:yyyy:1::1/64
FW(インタフェースf): LLA=fe80::1/64, GUA=2001:db8:yyyy:2::1/64
L3SW1(インタフェースg): LLA=fe80::2/64, GUA=2001:db8:yyyy:2::2/64
L3SW1(インタフェースh): LLA=fe80::1/64, GUA=2001:db8:yyyy:3::1/64
注記1 a〜hは各ネットワーク機器のインタフェース名を示す。
注記2 2001:db8:yyyy:1::/64〜2001:db8:yyyy:3::/64 は GUA のサブネットプレフィックスである。
図6の概要を次に示す。
- IPv4のネットワーク設計に関する変更はない。
- PC, ネットワーク機器及び監視サーバには, IPv4アドレスに加えてIPv6アドレスを割り当てる。
- ISPからQ社に割り当てられるGUAを, 2001:db8:yyyy::/48として設計する。
- ルータBには, ルータAのLLAをネクストホップとするデフォルトルートを設定する。
- ルータB, FW及び各拠点のL3SWは, OSPFv3を用いてIPv6の経路制御を行う。
- OSPFv3ではLLAを用いて隣接関係を確立してIPv6の経路制御を行うので, ④FWと各拠点のL3SWとの間の, PCやサーバを接続しないネットワークにGUAを割り当てる必要はないが, 静的に割り当てる。
- ルータBは, OSPFv3でデフォルトルートを配布する。
- ⑤PCは, SLAACを用いてIPv6アドレス及びデフォルトルートを設定する。
ルータB, FW及びL3SW1のIPv6の経路情報を表1に示す。

図の説明テキスト
ルータB, FW及びL3SW1のIPv6の経路情報を示す表。
項番1: ルータB, 静的経路制御, 宛先ネットワーク: ::/0, ネクストホップ: ア, 出口インタフェース名: イ
項番2: ルータB, 静的経路制御, 宛先ネットワーク: 2001:db8:yyyy::/48, ネクストホップ: なし, 出口インタフェース名: Null
項番3: ルータB, OSPFv3, 宛先ネットワーク: 2001:db8:yyyy:3::/64, ネクストホップ: ウ, 出口インタフェース名: エ
項番4: FW, OSPFv3, 宛先ネットワーク: ::/0, ネクストホップ: オ, 出口インタフェース名: カ
項番5: FW, OSPFv3, 宛先ネットワーク: 2001:db8:yyyy:3::/64, ネクストホップ: キ, 出口インタフェース名: ク
項番6: L3SW1, OSPFv3, 宛先ネットワーク: ::/0, ネクストホップ: ケ, 出口インタフェース名: g
注1) IPパケットを廃棄するためのインタフェースである。
IPv6のネットワーク設計について, P主任は情報システム部のS課長に, 図6及び表1を用いて説明した。2人の会話の一部を次に示す。
P主任: ISPには, Q社にプレフィックス長が48のGUAを割り当ててもらえることを確認しました。図6及び表1はISPから割り当てられるGUAを2001:db8:yyyy::/48として作成しています。ISPのルータAには, ルータBのLLAをネクストホップとする2001:db8:yyyy::/48宛ての静的経路が設定されます。
S課長:表1の経路情報について説明してください。
P主任:項番1は,ISPを経由してインターネットにアクセスするためのデフォルトルートです。項番2は,ISPから割り当てられるプレフィックス長が48のGUAのうち,使用されないGUAが存在するので設定します。⑥項番2の経路情報を設定しない場合,ルーティングループが発生します。⑦項番1と項番2の両方の経路情報に該当するIPパケットの転送では,ルータBは項番2の経路情報を選択します。社内ネットワークの経路制御にはOSPFv3を利用します。項番3と項番5は,拠点1のネットワーク宛ての経路情報です。項番4と項番6は,ルータBから配布されるデフォルトルートによって登録される経路情報です。
S課長:IPv6のネットワークは,IPv4のネットワークと比較して情報セキュリティ面で違いはありますか。
P主任:異なる点があります。IPv4のネットワークではFWによるアクセス制御に加えて,ルータBに i を設定しているので,インターネットから社内ネットワークには簡単に通信できない設計になっています。IPv6のネットワークでは i を利用しないので,FWのアクセス制御の設計については慎重に検討する必要があります。
S課長:FWでは,インターネットから社内ネットワーク宛ての全ての通信を拒否する設定を行えばよいのでしょうか。
P主任:IPv6の通信では,ICMPv6メッセージを通信の制御に利用しているので,ICMPv6メッセージを拒否すると通信障害を発生させるおそれがあります。例えば,中継する機器がMTUサイズよりも大きいサイズのIPパケットを転送できないときに,⑧中継する機器から送信元にタイプ2のICMPv6メッセージである“Packet Too Big”を送信するPMTUD(Path MTU Discovery)に利用されています。ほかにも,ICMPv6メッセージのタイプによってはFWで許可すべきものがあるので,調査する予定です。
P主任によるIPv6の調査とIPv6対応の検討の結果は情報システム部で承認されて,社内ネットワークへのIPv6導入において活用されることになった。
設問と解答・解説
設問1
(1)
模範解答
宛先IPアドレス
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「宛先IPアドレス」と正確に抜き出している。
- 2点: 意味は通じるが、完全な一致ではない(「IPアドレス」のみなど)。
- 0点: 不正確な回答または無回答。
解説
IPv4におけるMACアドレスの解決にはARPが用いられますが、IPv6ではNDP(Neighbor Discovery Protocol:近隣探索プロトコル)が使用されます。NDPによって解決されるのは、通信相手の宛先IPアドレスに対応するMACアドレスです。
高得点のポイント
- 「宛先IPアドレス」というネットワーク用語を正確に抜き出せていること。
(2)
模範解答
ブロード
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「ブロード」と正確に抜き出している。
- 2点: 「ブロードキャスト」などの表記揺れ。
- 0点: 不正確な回答または無回答。
解説
IPv4のARP要求はネットワーク全体に送信されるブロードキャストを使用しますが、IPv6のNDPではマルチキャストを使用し、ネットワークの負荷を軽減します。
高得点のポイント
- ARPの通信方式である「ブロード」(またはブロードキャスト)を正確に指摘できていること。
(3)
模範解答
リプライ
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「リプライ」と正確に抜き出している。
- 2点: 「応答」など意味は同じだが本文の指定語句と完全一致しない場合。
- 0点: 不正確な回答または無回答。
解説
ARPにおいて、要求に対する応答はARPリプライと呼ばれます。IPv6のNDPにおいてはNeighbor Advertisement(近隣広告)メッセージがこれに相当します。
高得点のポイント
- ARP応答を意味する「リプライ」を正確に抜き出せていること。
設問2
〔IPv6アドレスの割当て〕について答えよ。
(1)
本文中の d に入れる適切な数値を答えよ。
模範解答
16
配点 3点
解説
IPv6のプレフィックスとサブネット化に関する問題です。企業には のプレフィックスが割り当てられ、社内では のサブネットを構成します。サブネットの識別に利用できるビット数は、 ビットとなります。
誤答例の解説
- 128: IPv6アドレス全体のビット数であり、サブネット用ビット数ではありません。
- 32: IPv4の全体ビット数と混同している誤りです。
(2)
本文中の e に入れる適切な数値を答えよ。
模範解答
48
配点 3点
解説
企業に割り当てられるグローバルルーティングプレフィックスについてです。一般的にISPなどから企業に割り当てられるプレフィックスの長さは が標準的です。
誤答例の解説
- 64: インタフェース識別子の標準的な長さであり、プレフィックス全体ではありません。
- 16: サブネットIDの長さであり誤りです。
(3)
本文中の f に入れる適切な数値を答えよ。
模範解答
64
配点 3点
解説
IPv6アドレス後半のインタフェース識別子の長さは、標準で ビットです。これはMACアドレスから生成するEUI-64形式などでも同様に適用されます。
誤答例の解説
- 48: MACアドレスの長さです。インタフェース識別子は
ビットであるため混同に注意が必要です。
(4)
本文中の下線①について,LLAが有効な範囲を20字以内で答えよ。
模範解答
データリンク層で通信可能な範囲
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 「データリンク層」等の同一リンク内で通信可能な範囲である旨が正確に記述されている。
- 1点: 通信可能な範囲であることは示されているが、レイヤーやリンクの概念が曖昧な記述。
- 0点: LLAの特性を捉えていない回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない、または途切れている。
解説
LLA(リンクローカルアドレス)は、同一リンク(セグメント)内でのみ有効なIPv6アドレスです。ルーティングを超えて通信することはできず、データリンク層で通信可能な範囲に限定されます。
高得点のポイント
- LLAの有効範囲が「データリンク層」または「同一リンク内」に留まることを明記していること。
(5)
図3中の処理(i)及び(v)を行う目的を,55字以内で答えよ。
模範解答
同じデータリンク層上に同じIPv6アドレスを使用しているノードがいないことを確認するため
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 同一データリンク層上で他のノードとIPv6アドレスが重複していないかを確認する旨が明記されている。
- 1点: アドレス重複確認の目的には触れているが、対象範囲(同一データリンク)の指定がない。
- 0点: DADの目的に合致しない回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 論理的で分かりやすい構成となっている。
- 0点: 文の構造に乱れがあり、意図が伝わりにくい。
解説
IPv6アドレスをインタフェースに割り当てる際、必ずDAD(Duplicate Address Detection:重複アドレス検出)が行われます。これは、同一セグメント(データリンク層)上で同じIPv6アドレスが使用されていないかを事前に確認し、アドレスの競合を防ぐためです。
高得点のポイント
- 「同じIPv6アドレスを使用しているノードがいないか」を確認する目的(DADの役割)が明確に記述されていること。
- 対象が「同じデータリンク層」や「同一リンク」に限定されていること。
(6)
図3中の処理(ii)の正式なLLAがfe80::8:800:200c:417aであり,処理(iv)のRAメッセージに含まれるサブネットプレフィックスが2001:db8:aabb:1::/64であった場合に,処理(v)で生成される仮のGUA及びプレフィックス長を答えよ。
模範解答
2001:db8:aabb:1:8:800:200c:417a
64
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: GUA(2001:db8:aabb:1:8:800:200c:417a)とプレフィックス長(64)の両方が完全に正しい。
- 2点: GUAまたはプレフィックス長のいずれか一方のみが正しい。
- 0点: 両方とも誤っているか無回答。
解説
RAメッセージに含まれるサブネットプレフィックス()と、LLAのインタフェース識別子部分()を結合して、仮のGUA(グローバルユニキャストアドレス)を生成します。生成されたGUAは となり、プレフィックス長は です。
高得点のポイント
- GUAのプレフィックスとインタフェースIDが正しく結合されていること。
- プレフィックス長が
と正確に指定されていること。
(7)
本文中の g に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
デフォルトルータ
デフォルトゲートウェイ
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「デフォルトルータ」または「デフォルトゲートウェイ」と正確に抜き出している。
- 2点: 「ルータ」や「ゲートウェイ」など、一部一致しているが厳密性を欠く。
- 0点: 不正確な回答または無回答。
解説
PCが自分宛てでない外部ネットワークへパケットを送信する際、経由する最初のルータをデフォルトルータ(またはデフォルトゲートウェイ)と呼びます。IPv6では、RAメッセージを送信してきたルータのリンクローカルアドレスがデフォルトルータとして設定されます。
高得点のポイント
- 文脈に合った適切なネットワーク用語(デフォルトルータまたはデフォルトゲートウェイ)を記述していること。
(8)
本文中の下線②について,P主任がこのように考えた理由を,20字以内で答えよ。
模範解答
PCを特定しづらくなるから
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: PCの特定やトラッキングを困難にする(プライバシー保護)目的が明確に記述されている。
- 1点: セキュリティやプライバシーに言及しているが、「特定しづらくなる」という具体的な理由がやや不明確。
- 0点: 理由として不適切または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
MACアドレスを用いて生成されたインタフェース識別子はPCごとに一意かつ固定となるため、インターネット上のアクセス先からPCの行動履歴をトラッキングされる恐れがあります。これを防ぐためにランダムな識別子を使用することで、PCを特定しづらくなるというメリットがあります。
高得点のポイント
- ランダムな識別子を用いることで、個人のPCの特定や追跡を防ぐ(プライバシー保護)という目的が記述されていること。
設問2では,(6)の正答率が低かった。プライバシー保護を目的として,IPv6のインタフェース識別子だけでなくMACアドレスをランダムに生成するケースも増えているので,PCがもつ識別子をランダムにすることによって得られるメリットと,新たに発生する課題について理解を深めてほしい。
設問3
〔IPv6の名前解決〕について答えよ。
(1)
本文中の h に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
TCP
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 「TCP」と正確に抜き出している。
- 2点: 大文字小文字の揺れなどはあるが意図が同じ場合。
- 0点: 不正確な回答または無回答。
解説
DNSの問い合わせは通常UDPを用いて行われますが、応答のサイズが大きくUDPのパケットサイズ上限を超えて切り捨てられた場合、信頼性の高いTCPにフォールバックして再送が行われます。特にIPv6アドレスやDNSSECなどの応答でサイズが大きくなる場合に発生します。
高得点のポイント
- DNSの代替トランスポートプロトコルである「TCP」を正確に抜き出していること。
(2)
図5中のAAAAレコードの応答について,“saas.example.com.”にアクセスするためのV社SaaSのIPv6アドレス,及びV社SaaSのIPv6アドレスを管理している権威DNSサーバのFQDNを,図5中の字句を用いて全て答えよ。
模範解答
2001:db8:xxxx::10
2001:db8:xxxx::20
ns1.example.net.
ns2.example.net.
採点基準(配点 4点)
正確性(内容)(4点)
- 4点: 4つの字句を全て正確に抜き出している。
- 2点: 一部の字句のみを正しく抜き出している。
- 0点: 全て不正確または無回答。
解説
図中のAAAAレコードの応答パケットから、目的のSaaSのIPv6アドレスとそれを管理する権威DNSサーバのFQDNを抜き出します。SaaSのIPとして と 、権威DNSサーバのFQDNとして ns1.example.net. と ns2.example.net. が該当します。
高得点のポイント
- 指定された4つの値全てを漏れなく正確に図中から抜き出せていること。
(3)
本文中の下線③について,従業員が異常に気付くことができないとP主任が考えた理由を,45字以内で答えよ。
模範解答
IPv4にフォールバックしてSaaSの同じWebページにアクセスするから
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: IPv4へのフォールバックにより、同じWebページにアクセス可能となることが明確に記述されている。
- 1点: IPv4による通信の継続には言及しているが、具体的な挙動の説明が不足している。
- 0点: デュアルスタックのフォールバック動作について触れられていない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 因果関係が論理的であり、意味が通る構成である。
- 0点: 論理的な飛躍や不自然な記述がある。
解説
デュアルスタック環境では、OSやブラウザがHappy Eyeballsなどのアルゴリズムを用いてIPv6とIPv4の両方で接続を試みます。IPv6の通信に障害が発生しても、IPv4にフォールバックして同じWebページにアクセスできるため、ユーザーは異常に気付きにくくなります。
高得点のポイント
- IPv6障害時に「IPv4によるフォールバック(代替通信)」が行われることに言及していること。
- 結果として「同じSaaS(Webページ)へ正常にアクセスできてしまう」ことが示されていること。
設問3では,(3)の正答率が低かった。IPv4とIPv6のデュアルスタックのネットワークでは,IPv6のネットワークに障害が発生しても,IPv4で同じWebページにアクセスできることがあり,異常に気付きづらい。IPv6のネットワークを設計する際には,監視方法についても考慮が必要になることを理解してほしい。
設問4
〔IPv6ネットワークの設計〕について答えよ。
(1)
図6中のa〜dのインタフェース名について,GUAを割り当てない目的を,50字以内で答えよ。
模範解答
インターネットからルータA,ルータB及びFWにアクセスできないようにするため
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: インターネットからの直接アクセス(不正アクセス等)を防止する目的が明記されている。
- 1点: セキュリティ向上には言及しているが、インターネットからのアクセス遮断という具体性に欠ける。
- 0点: 的外れな理由または無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 分かりやすい自然な日本語で記述されている。
- 0点: 文章の意味が通らない。
解説
各ネットワーク機器のインタフェースにGUA(グローバルユニキャストアドレス)を割り当てると、インターネット上から直接ルーティング可能になります。これを防ぐことで、インターネットから直接機器(ルータA、ルータB、FWなど)にアクセスされないようにし、セキュリティを高める目的があります。
高得点のポイント
- インターネット側からの不必要なアクセス(直接アクセス)を遮断する目的が記述されていること。
(2)
本文中の下線④について,GUAを“静的に”割り当てることによって得られる利点を,経由するネットワーク機器を調べるときに使用されるコマンド名を用いて,45字以内で答えよ。
模範解答
traceroute6を利用して調べるときに各機器を識別しやすくする。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 「traceroute6」を含み、各機器の識別が容易になる利点が正確に記述されている。
- 1点: 「traceroute6」は含まれているが、利点の記述が曖昧、またはその逆。
- 0点: 指示されたコマンド名が含まれておらず、意図も不明。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
IPv6アドレスを静的に(分かりやすい値で)割り当てることで、traceroute6コマンドを利用して経路情報を調べるときに各機器を識別しやすくなるという運用上のメリットがあります。障害時のトラブルシューティングが容易になります。
高得点のポイント
- 指定された「traceroute6」というコマンド名を使用していること。
- トラブルシューティング時などに「機器を識別しやすくなる」という利点を説明していること。
(3)
本文中の下線⑤の設定を行うために,各拠点のL3SWで行われる動作を,ICMPv6のメッセージ名を用いて40字以内で答えよ。
模範解答
PCが送信したRSメッセージに対してRAメッセージを応答する。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 「RS(メッセージ)」に対して「RA(メッセージ)」を応答する動作が明確に記述されている。
- 1点: RSとRAのメッセージ名は含まれているが、動作の説明が不十分。
- 0点: メッセージ名が誤っているか無回答。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
IPv6におけるSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration)では、ホストが起動時にRS(Router Solicitation:ルータ要請)メッセージを送信し、それを受信したルータがRA(Router Advertisement:ルータ広告)メッセージを応答することで、プレフィックス情報などを提供します。
高得点のポイント
- ICMPv6のメッセージ名である「RS」と「RA」を用いていること。
- 「RSに対してRAを応答する」という関係性が正しく記述されていること。
(4)
表1中の ア に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
fe80::1
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「fe80::1」と完全に一致している。
- 1点: 表記揺れなどがあるが、意図しているアドレスが一致している。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
静的ルーティングにおけるネクストホップは、多くの場合リンクローカルアドレス(LLA)で指定されます。ネットワーク構成図とルーティングテーブルを対応させ、対象ルータの隣接インタフェースのIPアドレスを読み取ります。アに入るのはルータAに向けたネクストホップ fe80::1 です。
高得点のポイント
- アドレス
fe80::1を正確に抜き出していること。
(5)
表1中の イ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
b
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「b」と完全に一致している。
- 1点: 意図は通じるが指定の形式と異なる。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
ルータAの出力インタフェースの指定です。図中のインタフェース構成に従い、対応するインタフェース名 b を選択します。
高得点のポイント
- インタフェース
bを正確に選択していること。
(6)
表1中の ウ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
fe80::2
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「fe80::2」と完全に一致している。
- 1点: 表記揺れなどがあるが意図しているアドレスが一致している。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
ルータBに向けたネクストホップです。構成図から、該当するアドレスは fe80::2 となります。
高得点のポイント
- アドレス
fe80::2を正確に抜き出していること。
(7)
表1中の エ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
c
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「c」と完全に一致している。
- 1点: 意図は通じるが指定の形式と異なる。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
ルータBからFW向けの出力インタフェース指定です。図からインタフェース c が該当します。
高得点のポイント
- インタフェース
cを正確に選択していること。
(8)
表1中の オ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
fe80::1
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「fe80::1」と完全に一致している。
- 1点: 表記揺れなどがあるが意図しているアドレスが一致している。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
FWからルータAに向けたネクストホップアドレスです。構成より fe80::1 が該当します。
高得点のポイント
- アドレス
fe80::1を正確に抜き出していること。
(9)
表1中の カ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
d
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「d」と完全に一致している。
- 1点: 意図は通じるが指定の形式と異なる。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
FWの出力インタフェース指定です。ルータAへ向かうインタフェースは図中の d です。
高得点のポイント
- インタフェース
dを正確に選択していること。
(10)
表1中の キ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
fe80::2
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「fe80::2」と完全に一致している。
- 1点: 表記揺れなどがあるが意図しているアドレスが一致している。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
FWからルータBへ向けたネクストホップアドレスです。構成より fe80::2 が該当します。
高得点のポイント
- アドレス
fe80::2を正確に抜き出していること。
(11)
表1中の ク に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
f
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「f」と完全に一致している。
- 1点: 意図は通じるが指定の形式と異なる。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
FWの出力インタフェース指定です。ルータBへ向かうインタフェースは図中の f です。
高得点のポイント
- インタフェース
fを正確に選択していること。
(12)
表1中の ケ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
fe80::1
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「fe80::1」と完全に一致している。
- 1点: 表記揺れなどがあるが意図しているアドレスが一致している。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
FWからL3SW(本社)に向けたネクストホップアドレスです。構成より fe80::1 が該当します。
高得点のポイント
- アドレス
fe80::1を正確に抜き出していること。
(13)
本文中の下線⑥について,表1中の項番2の経路情報を設定しない場合に,インターネットから未使用のGUA宛てに送信されたIPパケットを,ルータA及びルータBはどのように処理するか。IPv4の“TTL”と同じように用いられる,“ホップリミット”という字句を用いて35字以内で答えよ。
模範解答
ホップリミットが0になるまで相互に転送し合い,廃棄する。
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 「ホップリミット」が0になるまで転送され続け、その後廃棄されることが正確に記述されている。
- 1点: ホップリミットの減算や廃棄には触れているが、相互転送(ループ)のニュアンスが欠けている。
- 0点: ルーティングループ時の動作として不適切。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
未使用の宛先への経路がルータAとルータBの間でデフォルトルートなどを介して相互に向いていると、ルーティングループが発生します。この際、IPv6ヘッダ内のホップリミット(IPv4のTTLに相当)がルータを通過するごとに減算され、0になるまで相互に転送し合い、0になった時点でパケットが廃棄されます。
高得点のポイント
- 「ホップリミット」という語句を用いていること。
- ルーティングループにより転送が繰り返され、最終的にホップリミットが0になって「廃棄」される一連の挙動が示されていること。
(14)
本文中の下線⑦について,表1中の項番2の経路情報が選択されるのはなぜか。25字以内で答えよ。
模範解答
ロンゲストマッチによって選択されるから
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 「ロンゲストマッチ(最長一致)」によって選択されることが明記されている。
- 1点: プレフィックス長が長い方が優先される旨は記述しているが、ロンゲストマッチという用語を用いていない等。
- 0点: 経路選択ルールの理解が不十分。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
IPルーティングにおいて、複数の経路が宛先IPアドレスにマッチした場合、プレフィックス長が最も長い(より限定的な)経路が優先されるロンゲストマッチ(最長一致)の原則に従って経路が選択されます。
高得点のポイント
- ルーティングの基本原則である「ロンゲストマッチ」のルールに基づいていることを明示していること。
(15)
本文中の i に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
NAPT
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 「NAPT」と正確に抜き出している(または同義の用語)。
- 2点: 「NAT」など、部分的な技術名を挙げている。
- 0点: 不正確または無回答。
解説
IPv4では、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、さらにポート番号も変換することで複数の端末が1つのグローバルIPを共有するNAPT(Network Address Port Translation)(またはIPマスカレード)が広く利用されています。
高得点のポイント
- ネットワークアドレスとポートの変換技術である「NAPT」を正確に回答していること。
(16)
本文中の下線⑧について,PMTUDによって何が検出されるか。20字以内で答えよ。
模範解答
通信経路における最小のMTU
採点基準(配点 3点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 通信経路上における「最小のMTU」であることが正確に記述されている。
- 1点: MTUを検出することには触れているが、「経路上の最小値」であるニュアンスが欠けている。
- 0点: PMTUDの目的に合致しない。
論理性(構造)(1点)
- 1点: 文脈が自然で意味が通る日本語となっている。
- 0点: 意味が通らない。
解説
PMTUD(Path MTU Discovery)は、送信元から宛先までの通信経路上に存在する各リンクのMTUのうち、最も小さいMTU(Path MTU)を動的に検出する仕組みです。これにより、経路途中でパケットがフラグメンテーションされるのを防ぎます。
高得点のポイント
- 経路上で最もサイズが制約される「最小のMTU」を検出する技術であることを明示していること。
設問4では,(2)の正答率は平均的であった。tracerouteコマンドは,pingコマンドと同様にネットワークの状態確認やトラブルシューティングにおいて非常に有用なツールである。障害発生時の切り分けや早期復旧にも役立つので,ネットワーク関連のコマンドやツールを使いこなすスキルを身に付けてほしい。