平成 30 年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問題 問10

製品を出荷前に全数検査することによって,出荷後の故障品数を減少させ,全体の費用を低減したい。次の条件で全数検査を行ったときに低減できる費用は何万円か。ここで,検査時に故障が発見された製品は修理して出荷するものとする。

〔条件〕

(1) 製造する個数: 500 個
(2) 全数検査を実施しなかった場合の,出荷個数に対する故障品の発生率: 3%
(3) 全数検査における,製造個数に対する故障品の発見率: 2%
(4) 全数検査を実施した場合の,出荷個数に対する故障品の発生率: 1%
(5) 検査費用: 1 万円/個
(6) 出荷前の故障品の修理費用: 50 万円/個
(7) 出荷後の故障品の修理費用: 200 万円/個

解答・解説

正解: ア. 1,000

正解は ア です。

全数検査を実施しなかった場合と実施した場合のそれぞれの総費用(検査費用・出荷前の修理費用・出荷後の修理費用の合計)を計算し、その差額を求めます。

1. 全数検査を実施しなかった場合の費用

  • 出荷個数:製造した 500500 個がそのまま出荷されます。
  • 出荷後の故障品数:条件(2)より、出荷個数に対する発生率は 3%3\% です。
    500個×3%=15個500 \text{個} \times 3\% = 15 \text{個}
  • 出荷後の修理費用:条件(7)より、1個あたり 200200 万円です。
    15個×200万円=3,000万円15 \text{個} \times 200 \text{万円} = 3,000 \text{万円}

したがって、全数検査を実施しなかった場合の総費用は 3,0003,000 万円 です。

2. 全数検査を実施した場合の費用

  • 検査費用:条件(1)と(5)より、製造した 500500 個すべてを1個あたり 11 万円で検査します。
    500個×1万円=500万円500 \text{個} \times 1 \text{万円} = 500 \text{万円}
  • 出荷前の修理費用:条件(3)より製造個数の 2%2\% で故障が発見され、条件(6)より1個あたり 5050 万円で修理します。
    • 発見される故障品数:500個×2%=10個500 \text{個} \times 2\% = 10 \text{個}
    • 修理費用:10個×50万円=500万円10 \text{個} \times 50 \text{万円} = 500 \text{万円}
  • 出荷後の修理費用:問題文より「検査時に故障が発見された製品は修理して出荷する」ため、出荷個数は 500500 個のままです。条件(4)より出荷個数の 1%1\% で故障が発生し、条件(7)より1個あたり 200200 万円で修理します。
    • 出荷後の故障品数:500個×1%=5個500 \text{個} \times 1\% = 5 \text{個}
    • 修理費用:5個×200万円=1,000万円5 \text{個} \times 200 \text{万円} = 1,000 \text{万円}

これらを合計すると、全数検査を実施した場合の総費用は以下のようになります。
500万円+500万円+1,000万円=2,000万円500 \text{万円} + 500 \text{万円} + 1,000 \text{万円} = 2,000 \text{万円}

3. 低減できる費用の計算

全数検査を実施しなかった場合の費用から、実施した場合の費用を差し引きます。
3,000万円−2,000万円=1,000万円3,000 \text{万円} - 2,000 \text{万円} = 1,000 \text{万円}

よって、低減できる費用は 1,0001,000 万円 です。

各選択肢の解説

  • ア(1,000):正解です。上記の計算の通り、1,0001,000 万円の費用を低減できます。
  • イ(1,500):誤りです。全数検査の費用(500500 万円)または出荷前の修理費用(500500 万円)のいずれかを計上し忘れた場合の数値です。
  • ウ(2,000):誤りです。これは「全数検査を実施した場合の総費用」や「出荷後の修理費用の減少額(3,0003,000 万円 −- 1,0001,000 万円)」であり、検査費用と出荷前の修理費用を差し引いていません。
  • エ(2,250):誤りです。条件の数値の組み合わせを誤って計算した値です。

Spineチーム