令和7年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問15

マルウェア感染の調査対象のPCに対して,電源を切る前に全ての証拠保全を行いたい。ARPキャッシュを取得した後に保全すべき情報のうち,最も優先して保全すべきものはどれか。

解答・解説

正解: ア. 調査対象のPCで動的に追加されたルーティングテーブル

デジタルフォレンジックにおける証拠保全では、電源を切ると失われてしまう揮発性の高いデータから優先して収集する必要があります(揮発性の原則)。

証拠保全の優先順位は一般的に以下のようになります。

  1. レジスタ、キャッシュ
  2. メインメモリ内のデータ(実行中のプロセス、ネットワーク接続状態、ルーティングテーブルなど)
  3. 一時ファイル、スワップファイル
  4. ディスクなどの不揮発性記憶媒体(HDD、SSD)内のデータ、ログファイル
  5. 遠隔地のサーバなどのデータ

設問では「ARPキャッシュ(揮発性が高い情報)を取得した後」に優先すべきものを問われています。

各選択肢の解説

  • ア(正解):調査対象のPCで動的に追加されたルーティングテーブルは、メインメモリ上に保持されているため揮発性が高い情報です。電源を切断すると消失してしまうため、最優先で保全する必要があります。
  • イ(誤り):HDDに増設されたテキストファイルは、不揮発性の記憶媒体にあるデータです。電源を切っても消失しないため、揮発性の高いデータの保全後に対応します。
  • ウ(誤り):VPNサーバ内のログは、調査対象のPCとは別の機器に保存されている不揮発性のデータです。対象PCの電源切断による影響を受けません。
  • エ(誤り):システムログファイルは、通常PCのHDDやSSDなどのストレージに保存される不揮発性のデータです。電源を切ってもデータは保持されるため、ルーティングテーブルより優先度は低くなります。

Spineチーム