平成25年度 宅地建物取引主任者資格試験 問1
権利関係請負・委任等
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
解答・解説
正解: 2. 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
正解の根拠
この問題は、出題当時(債権法改正前)の民法における規定を問うものです。
贈与の担保責任について、当時の民法では「贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。」と規定されていました。したがって、選択肢2の記述は当時の民法の条文に明文で規定されていました。
各選択肢の解説
- 選択肢1:誤り。当時の民法では、意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合、その意思表示は「無効」となると規定されており、「取り消すことができる」とは規定されていませんでした(※現行民法では取消し可能とされていますが、「法律行為の要素」という要件は「目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき」に変更されています)。
- 選択肢2:正しい。上記の通り、贈与者が瑕疵等を知りながら告げなかった場合の責任について規定されていました。
- 選択肢3:誤り。当時の民法において、売買契約の目的物に隠れた瑕疵があった場合(瑕疵担保責任)に買主に認められていたのは、契約の解除と損害賠償請求のみであり、代金の減額請求は規定されていませんでした(※現行民法では、契約不適合責任として代金減額請求が明文で規定されています)。
- 選択肢4:誤り。当時の民法には「約款」に関する規定や定義は一切存在しませんでした(※現行民法では「定型約款」に関する規定が新設されています)。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2020年4月施行の民法改正により、要素の錯誤は無効から取消し可能と明文化され、選択肢1は正しい記述となりました。また、旧法にはなかった契約不適合の程度に応じた代金減額請求が規定され、選択肢3も正しくなりました。一方、瑕疵等を知りながら告げなかった贈与者の責任の規定は削除され、選択肢2は誤りとなります。現行法での正解は複数になると考えられます(条文の文言が記述と異なることから、選択肢1・3を誤りとみる見方もあります)。