令和6年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問2 メンバー状況に応じたリーダーシップ選択(論文)

マネジメントステークホルダー・要員

この問題は2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午後IIに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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学習ガイド

プロジェクト実行中の外部環境変化でチーム状態が悪化した場面を想定し、メンバーごとの状況に応じたリーダーシップの選択を論じる問題です。解答例が公表されない論述式のため、この記事では採点基準から必須の論述要素を抽出します。講評ではマネジメント活動とリーダーシップ行動を混同した答案が目立ったとされており、計画や統制の話ではなく、個々のメンバーへの働きかけとして書くことが評価の前提になります。

この記事で押さえる論点

  • 外部環境の変化がチーム状態を悪化させる構図を描写する
  • 個々のメンバーの状況把握とリーダーシップスタイルの選択を対応付けて論述する
  • マネジメント活動とリーダーシップ行動の違いを明確に書き分ける

問題本文

メンバーの状況に応じたリーダーシップの選択について

システム開発プロジェクトでは,プロジェクトを支持している影響力のあるステークホルダーの異動,プロジェクト外部の要因によるスコープやスケジュールの変更要求など,プロジェクト実行中に起こるプロジェクトの活動を阻害するおそれのある外部環境の変化に対応する。プロジェクトチームのリーダーは,このような外部環境の変化によってプロジェクトチームの状態が悪化した場合,リーダーシップを発揮して悪化した状態を改善する。この際,個々のメンバーの状況を把握して,状況に応じたリーダーシップを選択し,これに基づき行動を使い分ける必要がある。

例えば,メンバー間で対立が継続している状態の場合は,対立しているメンバーの双方と積極的なコミュニケーションを行う。メンバーだけでは対立の解消が困難な状況にあるときは,指示的なリーダーシップを選択し,これに基づき早急に対立を解消するためにリーダーが考える対策を適用させる行動をとる。一方で,対立の影響で士気が低下している状態の場合は,メンバーの不安や不満に耳を傾ける。士気の回復に向けて動機付けが必要な状況にあるときは,支援的なリーダーシップを選択し,これに基づき自主的な取組を促す行動をとる。

あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。

設問と解答・解説

設問ア

あなたがマネジメントに携わったプロジェクトチームの特性,プロジェクト実行中に起きたプロジェクトの活動を阻害するおそれのある外部環境の変化,阻害するおそれがあると考えた理由について,800字以内で述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 34点)

知識・理解度(内容)(18点)

  • 18: プロジェクトチームの特性、外部環境の変化、阻害のおそれの理由が、実際の経験に基づき具体的かつ妥当に記述されている。
  • 14: 上記3要素が記述されているが、一部の要素について具体性がやや不足している。
  • 9: 3要素のいずれかが不足しているか、全体的に抽象的で状況が分かりにくい。
  • 4: 記述内容が著しく不足しているか、外部環境の変化に関する記述が不適切である。
  • 0: 無回答、または設問と全く無関係の内容である。

論理性(構造)(16点)

  • 16: 外部環境の変化がなぜチームの活動を阻害するのか、チームの特性と結びつけて論理的かつ説得力を持って説明されている。
  • 12: 阻害する理由がある程度論理的に説明されているが、チームの特性との関連付けがやや弱い。
  • 8: 阻害する理由の論理的なつながりが不明確であり、因果関係が読み取りづらい。
  • 4: 理由が非論理的であり、事象の因果関係が破綻している。
  • 0: 理由が全く記述されていないか、支離滅裂である。

解説

本設問では、プロジェクト実行中に発生した外部環境の変化と、それがプロジェクトチームの活動を阻害すると判断した理由について、プロジェクトチームの特性と関連付けて具体的に論述することが求められます。

高得点のポイント

  • プロジェクトチームの特性の明示: メンバーのスキルレベル、経験、モチベーション、コミュニケーションの状況など、チーム固有の特性を具体的に記述していること。
  • 外部環境の変化の具体性: 法規制の変更、競合他社の動向、技術動向の変化、顧客組織の体制変更など、プロジェクト外部で発生した事象を具体的に挙げていること。
  • 阻害のおそれがあると考えた理由の論理性: 外部環境の変化が、なぜ・どのようにチームの特性に悪影響を与え、活動を阻害するのかという因果関係を論理的に説明していること。

設問イ

設問アで述べた外部環境の変化によって悪化したプロジェクトチームの状態,悪化した状態の改善に向けて把握した個々のメンバーの状況,それらの状況に応じて選択したリーダーシップとこれに基づく具体的な行動,それぞれの行動を使い分けた理由について,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(17点)

  • 17: 悪化したチームの状態、メンバーの状況、選択したリーダーシップと行動が具体的かつ適切に記述されており、PM活動とリーダーシップが明確に区別されている。
  • 13: 全要素が記述されているが、一部具体性が不足しているか、リーダーシップとしての行動にややPM活動が混じっている。
  • 9: メンバーごとのリーダーシップの使い分けが不明確であるか、PM活動との混同が顕著に見られる。
  • 4: 要求事項の多くが欠落しているか、リーダーシップに関する理解が著しく不足している。
  • 0: 無回答、または設問と全く無関係の内容である。

論理性(構造)(16点)

  • 16: メンバーの状況に応じてリーダーシップを使い分けた理由が、状況との適合性を踏まえ、論理的かつ説得力をもって構成されている。
  • 12: リーダーシップを使い分けた理由がある程度説明されているが、論理展開にやや飛躍が見られる。
  • 8: 状況とリーダーシップ行動の結びつきが弱く、使い分けの論理性が不足している。
  • 4: 使い分けた理由が示されていないか、内容が非論理的である。
  • 0: 論理的な構成が全く見られないか、支離滅裂である。

解説

本設問では、外部環境の変化によって悪化したプロジェクトチームの状態に対して、個々のメンバーの状況を把握し、それに応じたリーダーシップの選択と具体的な行動、及びその使い分けの理由を論述することが求められます。

高得点のポイント

  • PM活動とリーダーシップ行動の明確な区別: プロジェクトを管理・推進する活動(計画変更、進捗管理など)と、メンバーの心理・行動に働きかけるリーダーシップ行動(動機付け、支援、指導など)を混同せず、リーダーシップに焦点を当てて記述していること。
  • 個々のメンバー状況の把握と対応: メンバー一人ひとりのスキルや心理的状態(不安、モチベーション低下など)を的確に把握し、それぞれの状況に適合したリーダーシップスタイルを選択できていること。
  • 行動とその理由の論理性: なぜそのメンバーに対して特定のリーダーシップ行動をとったのか、使い分けた理由が客観的かつ論理的に説明されていること。

設問ウ

設問イで述べたリーダーシップを発揮した後の,改善したプロジェクトチームの状態,及び状態の改善に対する評価について,プロジェクトの活動を阻害するおそれのある外部環境の変化への対応結果を含めて,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

模範解答

模範解答は公表されていません。下の採点基準と解説から、解答に求められる要素を読み取ってください。

採点基準(配点 33点)

知識・理解度(内容)(17点)

  • 17: 改善したチームの状態、外部環境の変化への対応結果が具体的に記述されており、自身のリーダーシップ行動との因果関係が明確に示されている。
  • 13: 改善した状態と対応結果が記述されているが、リーダーシップ行動との因果関係がやや不鮮明である。
  • 9: 改善した状態や対応結果の記述が抽象的であり、具体性に欠ける。
  • 4: 要求事項のいずれか(外部環境の変化への対応結果など)が欠落しているか、内容が不適切である。
  • 0: 無回答、または設問と全く無関係の内容である。

説得力(考察)(16点)

  • 16: 状態の改善に対する評価が、自身のリーダーシップ行動を客観的に振り返り、深い考察に基づいて説得力を持って記述されている。
  • 12: 状態の改善に対する評価が記述されているが、考察の深さや自己評価としての客観性がやや不足している。
  • 8: 評価が事象の表面的な報告に留まっており、マネジメント層としての考察が浅い。
  • 4: 評価としての体をなしていないか、説得力が全くない。
  • 0: 自己評価が全く記述されていないか、支離滅裂である。

解説

本設問では、リーダーシップを発揮した結果として改善したプロジェクトチームの状態と、その改善に対する自己評価を、外部環境の変化への対応結果を含めて論述することが求められます。

高得点のポイント

  • 改善状態の具体的記述: リーダーシップ行動によって、個々のメンバーやチーム全体の状態がどのように好転したか(モチベーションの向上、自律的な行動の促進、スキルの補完など)を具体的に示していること。
  • 外部環境の変化への対応結果の包含: チームの状態が改善した結果として、当初懸念されていた「外部環境の変化によるプロジェクト活動阻害の危機」をどのように乗り越えたか(あるいは影響を最小限に留めたか)を明確に記述していること。
  • 客観的で深い自己評価: 自身の選択したリーダーシップとその結果に対する評価が、単なる成功体験の羅列ではなく、マネジメント層としての深い考察や今後の課題意識に基づき説得力を持って記述されていること。