令和6年度 春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問1 総合金融サービスの事業戦略
この問題は2024(R6)春 ITストラテジスト 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
学習ガイド
インターネットサービス事業者が総合金融サービスへ進出する事例を扱ったITストラテジスト午後Ⅰの問題です。決済の利便性強化、若者向けアプリ、銀行勘定系システムの再構築といった個々の施策を、グループ経済圏の拡大という一つの戦略の下に位置付けて説明できるかが問われます。この記事では、各設問を「この施策は経済圏の何を強くするのか」という問いに置き換えながら、35字前後の制約に収める解答表現を検討します。
この記事で押さえる論点
- 経済圏(ポイント・決済)戦略における金融サービスの位置付けを説明する
- 競争優位性を自社資源(顧客基盤・データ)から特定する
- 勘定系システム再構築の目的を将来構想と結び付けて述べる
出題情報
- 出題
- 2024(R6)春 ITストラテジスト 午後I 問1
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
ITストラテジストには,業種ごとの事業特性を踏まえて,経営戦略の実現に向けたITを活用した事業戦略を策定する能力が求められる。本問では,インターネットサービス事業者による総合金融サービスの提供を題材として,事業環境の下で発生している課題に対して,ITを活用した幾つかの施策と情報システム対策を策定する能力を問う。具体的には,企業グループの経営戦略を支えるための,各事業課題に対する施策とその理由,及びその施策の実現のために必要となる情報システム機能の構築能力を問う。
問1では,インターネットサービス事業者による総合金融サービスの提供について出題した。全体として正答率は平均的であった。ITストラテジストは,対象となる事業・市場環境を分析,評価した上で,経営戦略の実現に向けたITを活用した事業戦略を策定する能力を高めてほしい。
問題本文
インターネットサービス事業者による総合金融サービスの提供に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
A社は,検索サイト事業やECサイト事業を運営する企業である。積極的なサービス開発とM&Aによって,インターネットバンキング(以下,ネットバンキングという)やインターネット証券,インターネット保険などの金融サービス事業や広告事業,旅行仲介事業を傘下に収め,これまで金融市場をはじめとする様々な市場で事業を拡大させてきた。A社はこうした拡大を将来にわたり継続しながら,今後は顧客のあらゆる経済活動を,A社グループのサービスを組み合わせたデジタル空間で実現,循環させる,デジタル経済圏(以下,A経済圏という)の確立を目指している。
J銀行は,A社の子会社である。元は大手都市銀行の子会社として設立され,数年前にM&AによってA社の傘下に加わった,国内ネットバンキングのパイオニアである。シンプルで分かりやすいUIとサービスの安定性によって顧客を集め,インターネット専業銀行として独自の地位を築いている。
〔A社の戦略〕
近年,A社は新たなサービスとしてQRコード決済サービス(以下,A-Payという)の提供を開始した。A-Payは,申込みから利用開始,決済までを全てスマートフォンで完結できる利便性が評価され,多くの利用者を集めている。また,加盟店からは店頭取引に専用の決済端末を必要としない利便性が評価され,QRコード決済サービスの市場で大きなシェアを獲得し,国内キャッシュレス取引の拡大をけん引している。
A社は,今後の金融サービスは,デジタル空間での取引が中心になると考えており,A-Payの成功を足掛かりに,“銀行,証券,保険などのあらゆる金融サービス機能を,デジタル空間で統合した総合金融サービス”(以下,A-Includeという)を提供することによって,A経済圏への顧客囲い込みを強化できると考え,次の施策を行うことにした。
- A-Pay利便性強化のための,A-Payの決済サービスとJ銀行の決済サービス連動
- 顧客がA-Includeを利用するための,スマートフォン用のアプリケーションプログラム(以下,Aアプリという)の開発
- A-Includeの実現に必要となる,J銀行勘定系システムの再構築
〔A-Payの利便性強化〕
A-Payでは,次の方式によってQRコード決済サービスを実現している。
- 利用者はスマートフォンを利用し,銀行口座又はクレジットカードを通じてA-Pay内で使える電子マネー(以下,Aポイントという)を購入する。
- 利用者はA-Pay加盟店で商品やサービスを購入する際に,スマートフォンで加盟店が示すQRコードを読み取り,保有する自分のAポイントで支払う。
- 利用者がAポイントを購入するときは手数料を支払わないが,Aポイントを利用者の銀行口座に預金として払い戻すときは,手数料が差し引かれる。
- 加盟店が受け取ったAポイントは1か月に2回集計され,所定の手数料率による手数料を差し引いた払戻金が,数日後に加盟店の銀行口座に入金される。
A-Payの利用者からは,クレジットカードなどでは実質的に無料で決済サービスを利用できることと異なり,A-Payでは銀行口座にAポイントを払い戻すときに手数料が生じる点に不満が寄せられていた。また加盟店からも,売上げから入金までに最大半月程度のタイムラグがあり,資金繰りが悪化するなどの理由で,入金の早期化と手数料率の引下げを求められていた。競合事業者の追上げもあり,これらの状況を放置すれば,シェアの低下を招く懸念があった。
そこでA社は,J銀行口座を保有するA-Payの利用者と加盟店に,表1に示す決済サービスを提供し,J銀行の決済サービスとA-Payの決済サービスの相互利用時の利便性を強化することによって,顧客ニーズに対応することにした。

図の説明テキスト
表1 顧客ニーズへの対応
| 提供条件 | 顧客 | 提供決済サービス | 対応する顧客ニーズ |
|---|---|---|---|
| 払戻金の入金先にJ銀行口座を指定する | 利用者 | 手数料を差し引かずに銀行口座に預金として払い戻す | ア |
| 加盟店 | 受け取ったAポイントを毎日集計し,翌日以降の加盟店が指定した日に払戻金を入金する | イ | |
| 受け取ったAポイントを他加盟店とのBtoB取引に利用できる | 手数料負担の軽減 |
〔Aアプリの開発〕
A社が A-Include の主要な顧客として注目する世代は,1990年代以降に出生した若者世代である。他の世代と比較して顧客としての継続期間が長い可能性があり,顧客生涯価値が高いことを期待できる。生活においては多様な価値観と効率性を重視し,親世代が経験した経済不況の影響による将来不安を反映して,生活防衛や資産形成に潜在的な関心があると推定されている。
しかし,この世代への金融サービス販売は進んでいない。テストサイトなどを用いた調査の結果,保険や投資などに関心をもって検索する人はいても,どの商品が良いかが分からないなど,多くは契約に至っていないことが分かった。また,申込書類など資料の取り寄せはスマートフォンで行えても,正式な契約手続として,手書きによる契約書の提出や本人確認書類の郵送が,契約の都度必要となるなどの煩雑さも原因と推定された。
このことを踏まえA社は,次の機能を備えたAアプリを開発することにした。
- J銀行のネットバンキング機能をはじめ,A-Payやインターネット証券,インターネット保険など,A社グループの全ての金融サービス機能を,Aアプリを通じて提供する。これらサービス機能は,サービスの追加に対応して順次追加する。
- Aアプリ内では共通通貨として,多様な決済にAポイントを利用できる。
- 検索サイトやECサイトなど金融サービス機能以外のA社グループのサービスもAアプリを通じて提供し,全てのサービスの利用履歴をAアプリに記録する。
- 将来のサービスの追加に備え,十分な柔軟性と拡張性を確保する。
- Aアプリに利用者が登録した個人情報などのデータを保存し,利用者の操作によって,以後のAアプリで行う処理に利用できる。
- AIによる家計分析を行い,顧客の志向に沿った生活防衛や資産形成を提案する。
〔J銀行勘定系システムの再構築〕
J銀行の勘定系システムは,親会社であった大手都市銀行のソフトウェア資産を流用して構築され,“預金”,“為替”などの業務の間でシステム機能同士が密接に連動しており,これまでもサービスの追加や修正において,影響範囲の特定に多大な時間を要することや,システム改修に多くの費用を要することなどが,構想実現の足かせとなっていた。
そこでA社は,J銀行勘定系システムの機能を再編し,細分化して整理した機能を組み合わせて業務を実現する形態にシステムを再構築した上で,Aアプリに提供する次の機能を,J銀行勘定系システムに追加することにした。
- ネットバンキングAPI
“預金”,“為替”などの業務を,API機能としてAアプリに提供する。 - データマネジメントAPI
顧客の属性や認証データをプロファイルデータとして保管する。API呼出しによって,保管したプロファイルデータをAアプリに提供する。 - Aポイント残高管理
J銀行勘定系システム内で,Aポイント残高に預金残高と等価交換できる価値をもたせ,相互に両替できる。
設問と解答・解説
設問1
〔A社の戦略〕について答えよ。
(1)
A社が A-Include を構築する目的は,A社のどのような戦略を実現するためか。35字以内で答えよ。
模範解答
デジタル空間において,A経済圏への顧客囲い込みを強化する戦略
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: ITを活用した事業戦略策定の観点から、デジタル空間におけるA経済圏への顧客囲い込みの強化という目的を正確に理解し記述している。
- 1点: 戦略の目的に触れているが、A経済圏や顧客囲い込みなどの重要な要素が部分的に欠けている。
- 0点: 戦略の目的を理解していない。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 各事業課題に対する施策とその理由を踏まえ、A-Include構築の目的として因果関係が論理的かつ簡潔に整理されている。
- 1点: 記述のつながりがやや不明瞭で、論理構造が完全ではない。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: A社がA-Includeを構築する目的は、デジタル空間においてA経済圏への顧客囲い込みを強化することにあります。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): デジタル空間におけるA経済圏への顧客囲い込み強化という戦略目的を正確に捉えていること。 2. 論理性(構造): 目的として論理的に簡潔に表現できていること。
(2)
A-Include の提供に当たり,A社が生かすことができると考えた,市場における自社の競争優位性を二つ挙げ,それぞれ 35字以内で答えよ。(1つ目)
模範解答
QRコード決済サービスで大きなシェアを獲得していること
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 事業・市場環境の分析に基づき、単なる利便性や高い評価ではなく、QRコード決済サービスで大きなシェアを獲得しているという市場での競争優位性を正確に理解している。
- 1点: シェア獲得への言及はあるが、具体的なサービス(QRコード決済など)の記載がない、または利便性等の記載に留まっている。
- 0点: 競争優位性の理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 競争優位性として明確かつ簡潔に表現されている。
- 1点: 表現がやや冗長または不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: A-Includeの提供においてA社が活かせる競争優位性の1つ目は、A-PayがQRコード決済サービスで大きなシェアを獲得している点です。単なる利便性や高い評価ではなく、それらを背景としたシェア獲得が市場での競争優位性となります。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): QRコード決済サービスでの大きなシェア獲得を的確に理解していること。 2. 論理性(構造): 競争優位性として論理的に簡潔に表現できていること。
(3)
A-Include の提供に当たり,A社が生かすことができると考えた,市場における自社の競争優位性を二つ挙げ,それぞれ 35字以内で答えよ。(2つ目)
模範解答
銀行,証券,保険などの金融サービス機能を傘下にもつこと
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 事業・市場環境の分析に基づき、銀行、証券、保険などの金融サービス機能を傘下にもつという競争優位性を正確に理解している。
- 1点: 金融サービスをもつことへの言及はあるが、具体的な機能(銀行・証券・保険など)の記載がない。
- 0点: 競争優位性の理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 競争優位性として明確かつ簡潔に表現されている。
- 1点: 表現がやや冗長または不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: A社が活かせる競争優位性の2つ目は、銀行、証券、保険などの金融サービス機能を傘下にもつことです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): 銀行・証券・保険といった具体的な金融機能を有していることを正確に記述していること。 2. 論理性(構造): 競争優位性として論理的に簡潔に表現できていること。
設問1(2)は,正答率は平均的であったが,単に“A-Payの利便性”や“A-PayやJ銀行が利用者から高い評価を受けている”といった解答が散見された。これら利便性や高い評価を背景として,市場でシェアを獲得していることが,市場におけるA社の競争優位性となっていることを理解してほしい。
設問2
〔A-Payの利便性強化〕について答えよ。
A-Pay の利便性強化は,どのような顧客ニーズに対応する狙いがあるか。表 1 中の ア , イ に入れる適切な字句を,それぞれ 15字以内で答えよ。
(1)
表 1 中の ア に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
手数料の無料化
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 本文の文脈から、顧客ニーズに対応する施策として「手数料の無料化」またはそれに準ずる適切な字句が正確に抜き出されている。
- 3点: 類似の字句であるが、一部不正確または冗長である。
- 0点: 不正解である。
解説
解答の根拠: A-Payの利便性強化は、加盟店などの顧客ニーズに対応する狙いがあり、表1中のアには「手数料の無料化」が該当します。 高得点のポイント: 1. 正確性(内容): 本文や表の文脈から「手数料の無料化」を正確に導き出していること。
(2)
表 1 中の イ に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
入金の早期化
採点基準(配点 5点)
正確性(内容)(5点)
- 5点: 本文の文脈から、顧客ニーズに対応する施策として「入金の早期化」またはそれに準ずる適切な字句が正確に抜き出されている。
- 3点: 類似の字句であるが、一部不正確または冗長である。
- 0点: 不正解である。
解説
解答の根拠: A-Payの利便性強化に関して、表1中のイには顧客ニーズである「入金の早期化」が該当します。 高得点のポイント: 1. 正確性(内容): 本文や表の文脈から「入金の早期化」を正確に導き出していること。
設問3
〔Aアプリの開発〕について答えよ。
(1)
A社が金融サービスの新たな顧客層として若者世代に注目する理由を二つ挙げ,それぞれ 25字以内で答えよ。(1つ目)
模範解答
顧客生涯価値が高いから
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 事業課題に対する施策の理由として、若者世代に注目する理由が「顧客生涯価値が高い」ことであることを正確に捉えている。
- 1点: 理由に関する記述が不完全である。
- 0点: 理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 理由として簡潔かつ論理的に述べられている。
- 1点: 文脈がやや不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: A社が金融サービスの新たな顧客層として若者世代に注目する理由の1つ目は、若者世代の顧客生涯価値が高いからです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): 若者世代の「顧客生涯価値が高い」という特性を正確に理解していること。 2. 論理性(構造): 理由として適切に表現できていること。
(2)
A社が金融サービスの新たな顧客層として若者世代に注目する理由を二つ挙げ,それぞれ 25字以内で答えよ。(2つ目)
模範解答
生活防衛や資産形成に潜在的な関心があるから
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 事業課題に対する施策の理由として、「生活防衛や資産形成に潜在的な関心がある」ことを正確に捉えている。
- 1点: 理由に関する記述が不完全である。
- 0点: 理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 理由として簡潔かつ論理的に述べられている。
- 1点: 文脈がやや不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: A社が金融サービスの新たな顧客層として若者世代に注目する理由の2つ目は、彼らが生活防衛や資産形成に潜在的な関心があるからです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): 「生活防衛や資産形成に潜在的な関心がある」という顧客特性を正確に理解していること。 2. 論理性(構造): 理由として適切に表現できていること。
(3)
A社が次の機能をAアプリに備えることにした目的を,35字以内で答えよ。
(ア) 全てのサービスの利用履歴をAアプリに記録
模範解答
AIによる分析に基づいた資産形成を,利用者の志向に沿って提案するため
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 情報システム機能の構築能力の観点から、利用履歴の記録目的が「AIによる分析に基づいた資産形成を、利用者の志向に沿って提案するため」であることを的確に理解している。
- 1点: 利用履歴の活用についての言及はあるが、具体的要素(AI、資産形成、利用者の志向など)が不足している。
- 0点: 理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 目的として論理的に組み立てられている。
- 1点: 記述のつながりがやや不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: 全てのサービスの利用履歴をAアプリに記録する目的は、AIによる分析に基づいた資産形成を、利用者の志向に沿って提案するためです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): AI分析に基づく資産形成提案と、利用者の志向への合致という目的を的確に捉えていること。 2. 論理性(構造): 目的として論理的に組み立てられていること。
(4)
A社が次の機能をAアプリに備えることにした目的を,35字以内で答えよ。
(イ) 個人情報などのデータを保存
模範解答
利用者がAアプリ内の契約手続で利用できるようにするため
採点基準(配点 5点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 情報システム機能の構築能力の観点から、データを保存する目的が「利用者がAアプリ内の契約手続きで利用できるようにするため」であることを的確に理解している。
- 1点: 契約手続きや利用に関する記述が不完全である。
- 0点: 理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 目的として論理的に組み立てられている。
- 1点: 記述のつながりがやや不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: 個人情報などのデータを保存する目的は、利用者がAアプリ内の契約手続きでその情報を利用できるようにし、手続きを簡略化するためです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): Aアプリ内の契約手続きにおける情報の利用を正確に理解していること。 2. 論理性(構造): 目的として論理的に組み立てられていること。
設問4
〔J銀行勘定系システムの再構築〕について答えよ。
(1)
A社が J銀行勘定系システムに Aポイント残高管理機能を追加した目的は何か。Aアプリの機能に着目して,35字以内で答えよ。
模範解答
Aアプリ内で,多様な決済にAポイントを利用できるようにするため
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: 情報システム対策の観点から、Aアプリ内で多様な決済にAポイントを利用できるようにするためという目的を正確に理解している。
- 1点: 決済やポイントの利用についての言及はあるが、Aアプリ内などの前提が欠けている。
- 0点: 理解が不十分である。
論理性(構造)(2点)
- 2点: Aアプリの機能に着目した目的として論理的に記述されている。
- 1点: 記述のつながりがやや不明瞭である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: J銀行勘定系システムにAポイント残高管理機能を追加した目的は、Aアプリ内で多様な決済にAポイントを利用できるようにするためです。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): Aアプリ内での決済にポイントを利用可能にするという目的を正確に把握していること。 2. 論理性(構造): アプリの機能に着目して論理的に記述できていること。
(2)
A社はA社事業におけるどのようなA-Includeの将来構想に基づき,J銀行勘定系システムの再構築を行ったか。35字以内で答えよ。
模範解答
継続的なサービスの追加に対応し,サービス機能を順次追加する構想
採点基準(配点 4点)
知識・理解度(内容)(2点)
- 2点: A社の戦略を踏まえ、継続的なサービスの追加に対応し、順次サービス機能を追加する将来構想であることを的確に理解している。
- 1点: あらゆる経済活動をA社サービスの組み合わせで実現等の記述にとどまり、継続的追加の構想への言及が不十分である。
- 0点: 将来構想を理解していない。
論理性(構造)(2点)
- 2点: 構想の内容が論理的かつ明確にまとめられている。
- 1点: 表現が冗長または曖昧である。
- 0点: 論理構造が不適切である。
解説
解答の根拠: J銀行勘定系システムの再構築は、継続的なサービスの追加に対応し、順次サービス機能を追加するというA-Includeの将来構想に基づいています。顧客のあらゆる経済活動を循環させるという全体像にとどまらず、サービス開発とM&Aによる継続的な機能追加という構想を理解する必要があります。 高得点のポイント: 1. 知識・理解度(内容): 継続的なサービス追加に対応し、順次機能を追加する構想であることを的確に理解していること。 2. 論理性(構造): 構想として論理的に簡潔に表現できていること。
設問4(2)は,正答率が低く,“顧客のあらゆる経済活動をA社サービスの組み合わせで実現,循環させる”などの解答が散見された。A社はサービス開発とM&Aによる事業拡大を将来にわたり継続しながら,A経済圏を確立する戦略である。このため,A-Includeは,継続的なサービスの追加に対応し,順次サービス機能を追加する構想をもつ。A社の戦略を踏まえたA-Includeの将来構想を理解してほしい。