IPA IoT システム・通信 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

センサーを付けた機器から集めたデータを、どこで処理し、どう現実の側に返すかというIoTシステムの組み立てと、電源や通信の条件が厳しい機器のつなぎ方を学ぶ分野です。処理を端末の近くに置くか遠くに集めるか、電池で何年動かすか、どこまで電波を届けるかといった条件の違いが、システムの形と通信の選び方を決めます。

2. 実際の出題のされ方

活用の場面からシステムの形や機器の名前を選ぶ問題があります。IoTを利用したシステムの事例を選ぶ問題、機械どうしのやり取りで自動販売機の在庫を管理する仕組みや移動体のセンサーと通信を組み合わせて運転者に情報を届ける仕組みの名前を選ぶ問題は、ITパスポートで出題されました。スマートメーターやレベル3の自動運転の説明を選ぶ問題、LPWAの通信範囲と消費電力を無線LANや4Gと比べる問題、Bluetoothの省電力の仕様の名前を選ぶ問題もあります。

エッジコンピューティング、エネルギーハーベスティング、デジタルツイン、サイバーフィジカルシステムの説明は、応用情報技術者の午前で問われています。RFIDの活用事例と、パッシブ方式のRFタグの説明を選ぶ問題もあります。

航空機エンジンのデータを仮想のモデルに反映して部品の交換時期を予測する仕組みの名前、BLEの特徴、パブリッシュ/サブスクライブ型でヘッダが最小2バイトのプロトコル、免許が要らず仕様が公開されたLPWAの方式を問う出題が、エンベデッドシステムスペシャリストの午前IIにあります。ZigBeeの特徴を選ぶ問題は、システム監査技術者の午前IIにあります。

サイバーフィジカルシステムとOTの説明はITストラテジストの午前IIで、CoAPの特徴とパブリッシュ/サブスクライブ型のプロトコルはネットワークスペシャリストの午前IIで、それぞれ適切なものを選ばせます。

3. 学習のポイント

現実と仮想空間をつなぐ仕組みは、何を写し取り、何を現実に返すかで見分けます。

  • CPS(サイバーフィジカルシステム)とデジタルツイン: サイバーフィジカルシステムは、現実の世界で集めたデータを計算機の中で分析し、その結果を現実の側に返して動きを良くする仕組み全体を指します。デジタルツインは、その中で、現実の機器や現象を計算機の中にそっくり写し取ったものです。
  • エッジコンピューティングとM2M・OT: エッジコンピューティングは、データを集める現場の近くで処理を済ませ、遠くのサーバへ送る量と待ち時間を減らす形です。M2Mは人を介さずに機械どうしが通信して動く仕組み、OTは工場や設備を動かす制御の技術を指します。

電源の確保が難しい場所に置かれるIoTデバイスの給電方式と識別技術も重要な論点です。

  • エネルギーハーベスティング(環境発電): 振動や光、熱のように身の回りにある小さなエネルギーを電気に変え、電池の交換が難しい機器に使う技術です。
  • RFID: 小さな無線チップを付けた物や人を、電波で離れたところから読み取って見分ける技術です。

社会インフラや自動車における応用システムは、誰に何を提供するかと運転の主体で区別します。

  • スマートメーター: 電気やガスの使用量を自動で測って事業者へ送る計器です。
  • コネクテッドカーとテレマティクス: コネクテッドカーは通信でサーバとつながる自動車そのもの、テレマティクスは移動体に積んだ機器と通信を組み合わせて情報を届けるサービスの側を指します。

IoT機器の通信は、電池で何年動かすか、どれだけ遠くまで届けるか、送るデータがどれだけ小さいかという機器の側の条件から選びます。近くの機器とつなぐならBLEやZigBee、広い範囲に散らばった機器を少ない電力で結ぶならLPWA、小さな機器どうしのメッセージには軽いプロトコルのMQTTやCoAPが使われます。

4. 間違えやすいところ

パッシブ方式のRFタグについて、「赤外線でデータ通信する」とする誤答肢がありました。赤外線で通信するのは、家電のリモコンなどで使われる別の方式です。

レベル3の説明として、運転の主体を人のままにして、高速道路で車線を保ちながら前の車に付いて走る操作をシステムが支援するとした誤答肢がありました。この支援は、運転の主体が人のままのレベル2に当たります。

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