IPA 組込み・IoT — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

組込み・IoTは、機器の中で外の世界を測って動かす仕組みと、機器をつないでデータを生かす仕組み、それらを作る開発と安全の技術から成ります。扱う中身は、部品の役割やIoTの事例を見分けるITパスポートの問いから、数値の計算やリアルタイムOSの振る舞いを読む応用情報技術者の午前、仕様表から設定値を決めるエンベデッドシステムスペシャリストの午前IIへと、機器の内側に寄っていきます。機器単体でセンサーから信号を読み取ってアクチュエーターを動かすマイコン制御の上に、近距離無線や広域無線でデータを集約するIoTシステムの構成が重なり、製品群としての開発環境や安全性解析の手法がそれらを支える構造になっています。

2. 配下の論点の案内

  • センサー・アクチュエーター・マイコン制御
    機器の中のマイコンとその周りの部品を受け持つ論点で、ハードウェアの分野にも入る問題が、この論点の側に置かれています。応用情報技術者の午前ではセンサーの測定原理やポートのビット操作、タイマーの時間計算、エンベデッドシステムスペシャリストの午前IIでは、タイマーや通信のレジスタの設定表、I2Cのアドレスから動作を読み取る問題が出ています。

  • IoT システム・通信
    「センサー・アクチュエーター・マイコン制御」の外側にあたり、機器から先の通信とシステムの形を扱います。ITパスポートでは活用事例の見分けや通信方式の範囲・消費電力の比べ方、応用情報技術者の午前ではエッジコンピューティングやサイバーフィジカルシステム、デジタルツインの説明を選ぶ問題があります。

  • 組込み開発・安全設計
    組込み機器を作る側の論点で、状態遷移の問題は基礎理論の分野とも重なります。エンベデッドシステムスペシャリストの午前IIではイベントの列から状態遷移をたどる問題や開発・デバッグの道具の説明を選ぶ問題、システムアーキテクトの午前IIではLSIの設計を自社で行うときの製造の委託先を選ばせています。

3. 学習の順序の提案

「センサー・アクチュエーター・マイコン制御」で学ぶタイマーの時間や平均電流の求め方は、午後の大問の計算の設問でもそのまま使われ、「IoT システム・通信」はその機器がつながる先の選び方にあたるので、この2つは並べて学ぶ組です。「組込み開発・安全設計」のうち状態遷移をたどる問題は、機器の仕組みを知らなくても表や図だけで解ける形で、学ぶ時期を選びません。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点
ITパスポート IoT システム・通信 センサー・アクチュエーター・マイコン制御(センサーとアクチュエーターの役割、測位衛星の基礎)
応用情報技術者 / 高度試験の午前I センサー・アクチュエーター・マイコン制御、IoT システム・通信 組込み開発・安全設計(開発環境の基礎)、およびOS・ソフトウェアの「タスク管理・排他制御」で学ぶリアルタイムOSのタスクやIoT機器のセキュリティ
エンベデッドシステムスペシャリスト(午前II) どの論点も(タイマー・通信速度の計算、プロトコル仕様、状態遷移と安全設計) ―
ネットワークスペシャリスト / システムアーキテクト / ITストラテジスト(午前II) IoT システム・通信(通信プロトコルやシステム概念)、組込み開発・安全設計(再利用設計やLSI分業) センサー・アクチュエーター・マイコン制御

応用情報技術者やエンベデッドシステムスペシャリストの午後では、自動運転の移動体や監視システム、スマート農業・畜産機器などの具体的な製品を題材に、配下の論点が1つの大問の中で組み合わさります。センサーの読み取り周期や録画データ量の計算、間欠動作による省電力、イベントに応じた状態遷移の穴埋め、優先度に基づくタスクの設計を、1つの事例の中で順に読み解く構成です。どの論点にも入らない午前の問題には、リアルタイムOSのタスクや割込み処理、組込み機器向けのデータベース、IoT機器のセキュリティを問うものもあります。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

BLEやLPWA、MQTT・CoAPのように、IoT機器のつなぎ方を問う問題は、「IoT システム・通信」とネットワークの分野の「IoT・モバイル通信」の両方に入っており、組込み・IoTの側から見れば機器の条件に合う方式を選ぶ問いに、ネットワークの側から見れば通信の層やモデルの違いを確かめる問いになります。

センサーノードの間欠動作から平均電流を求める問題と、CPUの低消費電力化の技術を問う問題は、同じ省電力の問いでも手を入れる場所が別です。前者は「センサー・アクチュエーター・マイコン制御」の問題で、動かす時間と待たせる時間の配分という機器の使い方を決め、後者はハードウェアの分野の電子回路の論点にも入る問題で、半導体の回路そのものの工夫を問います。

リアルタイムOSで動くタスクの状態遷移やデッドロックを問う問題は、組込み機器を題材にしていても、論点としてはOS・ソフトウェアの分野の「タスク管理・排他制御」の側にあります。同じく時間に関わる仕組みでも、ウォッチドッグタイマやインターバルタイマのようにマイコンの周辺の回路が時間を数えるものは「センサー・アクチュエーター・マイコン制御」の側で、OSがタスクの順番を決める仕組みとは学ぶ場所が違います。

IoT機器で事故を防ぐ設計と、脆弱性を突く攻撃への対策は、防ぐ相手が違います。機器の故障ではない原因で起きた事故の再発防止に使う安全性解析の手法を選ぶ問題は「組込み開発・安全設計」に入り、耐タンパ性を高める方法や、機器に対するペネトレーションテストの説明を選ぶ問題は、IoT機器を題材にしていても、セキュリティ技術の分野で学ぶ攻撃への備えです。

組込み・IoTの論点別の過去問

センサー・アクチュエーター・マイコン制御30問 IoT システム・通信36問 組込み開発・安全設計16問

組込み・IoTの理解度チェック

組込み・IoTの過去問一覧

この分野の午後問題(記述式・読み物)

組込み・IoTの用語

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