IPA AI・データ活用 — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

AI・データ活用は、ためたデータから傾向や規則を引き出す技術と、それを業務の判断に使うときの決まりごとを一続きにしたものです。データを収集・蓄積して統計や機械学習でモデルを構築し、実業務の判断や自動化に組み込むまでの一連の流れとして各論点がつながっています。用語や活用事例の判別、社会原則の正誤を見るITパスポートの問題から、応用情報技術者の午前ではモデルの評価指標や過学習への対策、分散処理基盤の特徴へと、問われる対象が技術の中身に移ります。モデルの出来は学習に使うデータの量と質に左右されるので、分析の基盤をどう整えるかとAIの精度は切り離せない関係にあります。

2. 配下の論点の案内

  • AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)
    学習データからモデルを訓練し、未知のデータに対して推論を行うまでの技術的な仕組みと評価方法を扱います。ITパスポートでは学習方式やディープラーニング、生成AIの基本用語や正答率・再現率の計算が出題され、応用情報技術者の午前では過学習の解消法や交差検証、ROC曲線の指標、GPUを用いる利点を選ぶ問題が出ています。

  • AI の活用と留意事項
    AIを業務やサービスへ導入するときの適用事例と、利用時に生じるリスクや社会的な原則を扱い、仕組みの論点で学ぶ学習データの性質が、留意点の多くの理由になっています。ITパスポートで導入事例の判別や導入効果の計算、生成AIへの指示の工夫、AI社会原則や学習データの品質確保策の正誤が出ており、高度試験の午前IIにはスコアリングサービスや情報空間の偏りに関する用語を選ぶ問題があります。

  • データ分析・データ基盤
    データの尺度や可視化、統計・マイニングによる分析手法と、大量データを蓄積・処理する基盤技術を扱います。応用情報技術者の午前では分析手法の選択や時系列予測、期待値の計算が出ており、高度試験の午前IIでは業務の場面に合う分析手法に加えて、分散処理のモデルや分析用データベースの構造まで問われます。

3. 学習の順序の提案

「AI の活用と留意事項」で問われる学習データの偏りや誤出力は、「AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)」で扱う学習データとモデルの関係から生じます。「データ分析・データ基盤」の回帰分析やクラスター分析は、教師あり学習・教師なし学習と名前や考え方が重なり、AIの技術の論点と互いの前提を共有しています。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点
ITパスポート AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)、AI の活用と留意事項 データ分析・データ基盤
応用情報技術者 / 高度試験の午前I AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)、データ分析・データ基盤 AI の活用と留意事項
高度試験の午前II データ分析・データ基盤 AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)、AI の活用と留意事項

情報処理安全確保支援士の午前IIには、AIの判断を誤らせる攻撃の名前や、モデルインバージョン攻撃の説明を選ぶ問題があり、これらはAIの仕組みや活用の知識ではなく、セキュリティ技術の側の知識で解きます。午後に目を向けると、応用情報技術者でクラスタリングのアルゴリズムやチャットボットの開発計画の監査、システムアーキテクトとエンベデッドシステムスペシャリストでセンサやカメラで動く機器・業務システムへのAIの組込み、システム監査技術者でAI導入やデータ利活用基盤のリスクと監査手続が取り上げられました。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

「AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)」と「データ分析・データ基盤」では、同じ名前の手法がどちらの文脈でも登場するため、問われている切り口で区別します。AIの技術の論点で問われるのは、教師あり学習や教師なし学習という学習の枠組みや、過学習の防止・交差検証といったモデルの訓練と性能評価です。これに対し、業務の場面と分析の目的が示され、それに合う統計や分析の手法を選ぶ問題は、データ分析の論点で学ぶものです。

「AI の活用と留意事項」の事例を判別する問題には、AIとは別の技術で作業を効率化した事例も混じります。AIの導入で作業効率が上がった事例を全て選ぶ問題では、出荷時に電子タグへ書いた配送先を配送時に照らし合わせる仕組みが、当てはまらない事例として含まれていました。電子タグの照合は、書き込んだ情報を読み返して突き合わせる処理で、学習による判断を含みません。

「データ分析・データ基盤」とデータマネジメントの分野は、同じデータレイクやデータウェアハウスを題材にしても、前者はデータをためて処理する仕組みを、後者はデータを組織の資産として管理する活動を見ています。データウェアハウスのメタデータの種類を選ぶ問題は、蓄積の仕組みではなく管理の側の知識で解きます。

生成AIの出力を公開するときに既存の著作物の権利者の許諾が要るかを判定する問題は、AIの仕組みや利用上の留意事項ではなく、法務・標準の分野の著作権の知識で解きます。

AI・データ活用の論点別の過去問

AI の技術(機械学習・生成AI の仕組み)39問 AI の活用と留意事項19問 データ分析・データ基盤38問

AI・データ活用の理解度チェック

AI・データ活用の過去問一覧

この分野の午後問題(記述式・読み物)

AI・データ活用の用語

テクノロジのほかの分野

基礎理論70問 アルゴリズム97問 ハードウェア184問 システム構成154問 OS・ソフトウェア106問 データベース257問 ネットワーク405問 セキュリティ技術562問 セキュリティ管理165問 システム開発技術253問 開発プロセス126問 組込み・IoT146問 クラウド・仮想化66問 インタフェース・メディア65問 データマネジメント7問