平成3年度宅地建物取引主任者資格試験 問14

区分所有者の共同の利益に反する行為をした者に対する措置に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: エ. 区分所有法第58条の使用禁止を請求する訴訟は、区分所有者及び議決権の各 34\frac{3}{4} 以上の多数による集会の決議によらなければ、提起できない。

本問は、区分所有法における「共同の利益に反する行為をした者に対する措置」(義務違反者に対する措置)に関する知識を問う問題です。

正解の根拠

エ(選択肢4):正しい。出題当時は、区分所有法第58条に規定される「専有部分の使用禁止の請求」の訴訟を提起するためには、区分所有者及び議決権の各 34\frac{3}{4} 以上の多数による集会の決議(特別決議)が必要でした(区分所有法第58条第2項)。したがって、本記述は正しいです。

各選択肢の解説

  • ア(選択肢1):誤り。区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合、管理組合法人は、第57条(行為の停止等の請求)や第58条(使用禁止の請求)だけでなく、第59条に基づく「区分所有権の競売を請求する訴訟」も提起することができます。
  • イ(選択肢2):誤り。占有者が共同の利益に反する行為をした場合であっても、管理組合法人(または管理者、集会で指定された区分所有者)は、区分所有法第60条に基づき、当該占有者に対する「専有部分の引渡しを請求する訴訟」を提起することができます。
  • ウ(選択肢3):誤り。区分所有法第57条の「行為の停止等を請求する訴訟」を提起するための集会の決議は、区分所有者及び議決権の各過半数による普通決議で足ります(区分所有法第57条第2項、第39条第1項)。34\frac{3}{4} 以上の多数(特別決議)は要求されていません。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時、使用禁止請求訴訟の提起には「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」の集会決議が必要であり、記述エは正解でした。しかし、2026年4月1日施行の区分所有法の改正により、要件が「定足数を満たす集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上」に緩和されました。そのため、全体母数での同意を必要とする記述エは現行法では誤りとなり、この問題に正解はありません。

Spineチーム