平成14年度 宅地建物取引主任者資格試験 問5
権利関係抵当権・担保物権
この問題は2002年度(H14)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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Aは, Bから建物を賃借し, Bに3,000万円の敷金を預託した。その後, Aは, Bの承諾を得て, この敷金返還請求権につき, Cからの借入金債務を担保するために, Cのために適法に質権を設定した。この場合, 民法の規定によれば, 次の記述のうち正しいものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢3
本問は、債権質に関する民法の規定についての理解を問う問題です。敷金返還請求権を目的とする質権設定において、質権者(C)、質権設定者(A)、第三債務者(B)の間の権利関係を正しく把握することが求められます。
正解は選択肢3です。質権の目的となっている債権(敷金返還請求権)の弁済期が、質権者(C)の有する被担保債権の弁済期よりも先に到来した場合、質権者は第三債務者(B)に対して当該金銭を供託するよう請求することができます(民法第366条第3項)。
各選択肢の解説
選択肢1:誤り
債権の質入れを第三債務者以外の第三者に対抗するためには、指名債権の譲渡における対抗要件と同様に、確定日付のある証書による通知または承諾が必要です(民法第364条、第467条)。Bの承諾が単なる書面によるもので確定日付を得ていなければ、第三者に対抗することはできません。選択肢2:誤り
質権は、原則として元本、利息、違約金、質権の実行費用などをすべて担保します(民法第346条)。「満期となった最後の2年分についてのみ」担保されるという制限は、後順位担保権者などを保護するための抵当権特有の規定(民法第375条)であり、質権には適用されません。選択肢3:正しい
民法第366条第3項の規定により、質権の目的である債権(Bに対する敷金返還請求権)の弁済期が、質権者の被担保債権(CのAに対する債権)の弁済期より先に到来したときは、質権者(C)は第三債務者(B)に対し、その弁済すべき金額を供託させることができます。これにより、供託金の上に質権の効力が及ぶことになります。選択肢4:誤り
質権者は、質権の目的である債権を直接取り立てることができますが(民法第366条第1項)、これを行うためには、被担保債権と質権の目的である債権の両方の弁済期が到来していることが必要です。被担保債権の弁済期が到来していても、敷金返還請求権の弁済期(建物の明渡し時など)が到来する前に、Bに対して直ちに敷金の交付を請求することはできません。