平成28年度 宅地建物取引士資格試験 問8
権利関係賃貸借(民法)
この問題は2016年度(H28)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢1
本問は、適法な転貸借における賃貸人、賃借人(転貸人)、転借人の関係に関する問題です。誤っている選択肢は 1 です。
正解の根拠
賃借人(B)が賃料を支払わない場合、賃貸人(A)は賃借人に対して賃料支払いの催告を行い、それでも支払われない場合は賃貸借契約を解除することができます。このとき、賃貸人Aは転借人(C)に対して、代わりに賃料を支払うよう催告する義務は負いません(最判昭37.12.11)。
したがって、「Cに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない」とする選択肢1は誤りです。
各選択肢の解説
選択肢1(誤り)
上記の通り、賃貸人が賃借人の債務不履行を理由に契約を解除するにあたり、転借人に対して催告をする必要はありません。選択肢2(正しい)
適法な転貸借の場合、転借人Cは賃貸人Aに対して直接に義務を負います(民法613条1項前段)。ただし、AがCに直接請求できる金額は、A・B間の賃料(10万円)とB・C間の転貸料(15万円)のうち、少ない方の金額(10万円)が限度となります。したがって、AはCに直接10万円を請求することができます。選択肢3(正しい)
賃貸借契約が賃借人の債務不履行(賃料不払い等)によって解除された場合、転借人Cの不払いの有無にかかわらず、賃貸人Aは転借人Cに対して建物の明渡しを求めることができます。AがCに対して返還請求をした時に転貸借は終了します(民法613条3項)。選択肢4(正しい)
賃貸人Aと賃借人Bが賃貸借契約を合意解除した場合、賃貸人はその解除をもって転借人Cに対抗することができません(民法613条2項)。つまり、特段の事由がない限り、合意解除を理由としてCに当然に明渡しを求めることはできません。