令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午後 問2 PEST・ファイブフォースによる事業計画立案
ストラテジ経営戦略
この問題は2024(R6)春 応用情報技術者 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
中規模物流事業者の事業計画立案を題材にした経営戦略の問題です。PEST分析とファイブフォース分析の結果表を読み解き、自社視点の輸送サービスから顧客視点の総合物流サービスへ転換する筋道を追います。なぜPEST分析を先に行うのかという分析の順序の意味や、マーケットイン志向に該当する行動の選別など、フレームワークを使う理由まで問われるのが特徴です。分析の階層構造を意識しながら読み進めましょう。
この記事で押さえる論点
- PEST分析とファイブフォース分析の役割と実施順序を説明する
- 分析結果の表から空欄の要因・脅威を特定する
- マーケットイン志向の行動と経営資源の活用を事例で判別する
出題情報
- 出題
- 2024(R6)春 応用情報技術者 午後 問2
- 配点
- 20点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
近年,顧客へ新たな価値を提供するためには,自社を取り巻く経営環境を把握し,分析して事業計画を立案することが重要になってきている。本問では,中規模の物流事業者における事業計画の立案を題材として,従来までの物を運ぶという自社視点の物流サービスから,顧客のもつ問題の解決に総合的に取り組むという顧客視点の物流サービスに転換する過程で必要となる,分析方法の基本的な知識や事業計画立案の考え方を問う。
問2では,物流事業者における事業計画の立案を題材に,顧客視点のサービスを提供するための事業計画立案に必要な基本的な知識や考え方について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
物流業の事業計画に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
B社は,運送業務及び倉庫保管業務を受託する中規模の物流事業者である。従業員数は約100名で,関東甲信越エリアを中心に事業を行っており,高速道路や幹線道路へのアクセスの良い立地に複数の営業所と倉庫を構えている。主に,地場のメーカーと販売店との間の配送などを中心に事業を行ってきたが,同業他社との競争が激しく,ここ数年は収益が悪化傾向にあり,このままでは経営は厳しくなる一方である。B社のC取締役は,この状況の打開に向けて,顧客への新たな価値の提供を目指すべく,経営企画部のD部長に事業計画の立案を指示した。
〔B社の環境分析〕
D部長は,自社の事業の置かれている状況を把握するために,環境分析を実施する必要があると考えた。環境分析には,自社を取り巻く経営環境のうち,自社以外の要因をマクロ的視点とミクロ的視点で分析する外部環境分析と,自社の経営資源に関する要因を分析し,自社の特徴を洗い出す内部環境分析がある。D部長は,経営企画部のE課長に,外部環境分析から実施するよう指示した。E課長は,まず,PEST分析を行い,PEST分析の結果としてB社の事業に影響する要因の概要を表1のように整理した。

図の説明テキスト
| 項番 | 要因 | 要因の概要 |
|---|---|---|
| 1 | 政治的要因 | ・a 改正による総労働時間に関する規制の設定 ・運送・倉庫保管業は、以前は需給調整規制によって新規参入が困難であったが、近年、事業経営能力や安全確保能力のある事業者の参入が可能となり、参入障壁が低下 ・今後は、外国人労働者をドライバーとして採用できるように規制が緩和される見通し |
| 2 | 経済的要因 | ・燃料費上昇によるコストの上昇 ・トラックによる運送の供給量に比べ、顧客からの運送に対する需要量の方が大きいことから、運送料が上昇することを顧客は一定の範囲で許容 |
| 3 | 社会的要因 | ・高齢化が進み退職するドライバーが増える一方で少子化の影響で若年層のドライバーのなり手は減少することから、より良い処遇を提供しなければドライバーの確保が困難 ・EC市場の拡大に起因する運送需要の増加は今後も継続 |
| 4 | 技術的要因 | ・自動運転に必要な技術の急速な発展 ・SNSを活用した多様な購買方法の登場 |
次に,E課長は,ファイブフォース分析を進めることにした。ファイブフォース分析の結果,B社が受ける脅威の概要を表2のように整理した。

図の説明テキスト
| 項番 | 脅威 | 脅威の概要 |
|---|---|---|
| 1 | 業界内の競争の脅威 | 運送・倉庫保管だけの物流サービスではコモディティ化して,過当競争となりがちであり,b 競争が常に発生していることから脅威は大きい。 |
| 2 | 新規参入の脅威 | 以前と比べ参入障壁が低くなり,新規参入の脅威は大きい。 |
| 3 | c サービスの脅威 | ・航空輸送や海上輸送といった手段があるが,現状では車両による陸送に代わるものではなく脅威は小さい。 ・車両の自動運転による配送やドローン配送の実証実験が行われているが,実用化はまだ先であり,現状の脅威は小さい。 |
| 4 | 売手の交渉力の脅威 | d。 |
| 5 | 買手の交渉力の脅威 | 顧客の要望は多様化しており,対応できないと市場から排除される脅威は大きい。 |
E課長は,①PEST分析,ファイブフォース分析の順に分析し,その結果について検討した。PEST分析の結果から,aが改正されたことによって,ドライバーを含む労働力の総量が減少することが懸念され,また,社会的要因によってドライバーのなり手が減ることを認識した。このことはファイブフォース分析の結果における売手の交渉力の脅威にも大きな影響を及ぼすことに気が付き,ドライバーの需要に対して供給が減ることから,dと考えた。
E課長は,これらの外部環境分析の結果を踏まえると,b競争の渦中にあり,減収減益となっている現状において,②B社が業界内において競争優位を確立するための分析が必要であると考えた。E課長は,その分析を実施した結果,B社は,好立地にある営業所と倉庫をもっているにもかかわらず,そのことを生かして,多様化する顧客の要望に応えられていないことが収益悪化の原因であると結論付けた。
E課長は,必要な分析を終えてその結果をD部長に報告した。
〔顧客情報の定性的分析〕
E課長は,D部長から,運送・倉庫保管だけの物流サービスから,③マーケットイン指向の物流サービスに転換していくことによって,顧客に新たな価値を提供できるのではないかとアドバイスを受けた。E課長は,これまでの自社の顧客情報の分析は,受注履歴,契約金額などの数値を基に分析を行うことだけであり,数値だけでは捉えきれない顧客の要望を把握する分析を行っていなかったことに気が付いた。
E課長は,顧客との接点が多いドライバーは,運送業務の過程で,顧客の事業に関して様々な気付きを得ているのではないかと考えた。そこで,ドライバーのもつ顧客の事業に関する気付きを把握するために調査を実施した。ドライバーからの回答には,顧客の事業に関する未知の情報,B社に対する期待やクレーム,顧客に対する感想,相対する顧客社員への好悪の感情といった顧客の事業に関する情報とそれ以外の種々雑多な情報が混在していた。しかし,これまでは顧客情報として管理されていなかった様々な情報が含まれており,分析することで,顧客の要望を把握することができるのではないかと考えた。
ドライバーからの回答は,自由記述形式のテキストデータであり,テキストマイニングによる定性的分析を行うことができる。D部長は,テキストマイニングによる分析を行うに当たり,④テキストデータを選別するよう,E課長にアドバイスをした。E課長は,選別したテキストデータの分析の結果,顧客の事業に関するキーワードとして,“コア業務”,“一括委託”といった単語が頻出しており,“コア業務”は“集中”との単語間の結びつきの強さがあり,複数の単語が同一文章中に共に出現することを意味する共起関係が強く表れていた。E課長は,定性的分析の結果をD部長に報告し,顧客への新たな価値の提供に向けた検討の了承を得た。
〔顧客への新たな価値の提供〕
B社が顧客の業務を確認したところ,B社倉庫から顧客の拠点に荷物が届いた後に,顧客はその荷物の検品やタグ付け,複数の荷物を一つに箱詰めすることといった作業を顧客社内で行うか,又はB社とは異なる事業者へ委託しており,顧客にとって負担となっていた。B社では,昨年,業務効率の向上を図るために営業所と倉庫内のレイアウト変更を実施し,新たな業務を行うことが可能なスペースを確保している。そこで,E課長は,運送,倉庫保管といった従来の業務に加え,検品やタグ付け,箱詰めといった作業を行う流通加工業務を一括で受託して顧客に新たな価値を提供する3PL(3rd Party Logistics)サービスが有効ではないかと考え,D部長に提案した。D部長は,3PLサービスを提供することで,B社の既存顧客の要望を満たすとともに,新たな顧客の獲得につながる可能性もあると考え,E課長の提案に賛同した。さらに,D部長は,顧客が作業を委託している流通加工業者の一つであるR社において,流通加工業務の需要拡大に伴い施設の拡張を検討しているという話を聞いていた。そこで,B社の営業所と倉庫を作業所として,B社の運送・倉庫保管業務とR社の流通加工業務とを組み合わせてサービスする業務提携をR社と行うことで,B社の3PLサービスの提供が可能になるのではないかと考えた。D部長は,E課長に,R社との業務提携の可能性があるかを調査するよう指示した。
E課長は,顧客からR社の紹介を受けて,業務提携の協議を行った。R社との協議を行う中でE課長はR社の状況を次のように把握した。
- R社は流通加工業務の需要拡大に伴い,社員や作業所を増やし事業を拡大してきたが,作業所の多くは手狭になってきていて,別の作業所を探さなくてはならない。
- 流通加工業務は,荷物の受入れと発送をスムーズに行えることが重要であり,これが作業所の選定上の最優先事項である。
- 希望する場所に作業所を自前でもつことは,作業所の土地の取得費や倉庫の建築費といった初期費用の負担が大きいので,回避したいと考えている。
E課長は,B社の事業の概要を説明した上で,業務提携が可能であるか検討してほしいとR社に依頼した。後日,R社から,⑤B社のもつ経営資源は,R社の事業を展開する上で魅力的なものであることから,是非とも業務提携を行いたいとの連絡があった。
E課長は,R社との業務提携による3PLサービスの事業化案についてD部長に報告した。D部長は,⑥E課長の事業化案を実現することで,B社の顧客の物流に関わる作業に対する要望を満たすことができる,さらに,B社とR社で業務提携することで顧客を紹介し合って,相互に新たな顧客の開拓につなげられると判断した。D部長は,収益向上によってドライバーの処遇を改善することも含めてC取締役の承諾を得て,E課長に事業化案に基づき事業計画をまとめるよう指示した。
設問と解答・解説
設問1
〔B社の環境分析〕について答えよ。
(1)
表1及び本文中の a に入れる適切な法律名を答えよ。
模範解答
労働基準法
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「労働基準法」と正しく解答している。
- 1点: 軽微な表記揺れがあるが、意図は正しく伝わる。
- 0点: 無解答、または全く異なる法律名や内容を解答している。
解説
空欄 に入る適切な法律名を答える問題です。
B社の環境分析に関する表や本文から、トラックドライバーの労働時間規制強化による物流業界への影響、いわゆる「2024年問題」に関連する法律であることがわかります。
労働条件や労働時間の最低基準を定めているのは 労働基準法 です。
高得点のポイント
- 環境要因の文脈から「労働基準法」という名称を正確に記述できていること。
(2)
表2及び本文中の b に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
価格
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「価格」と正しく解答している。
- 1点: 軽微な表記揺れがあるが、文意は合致している。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
ファイブフォース分析において、買い手(荷主)の交渉力が高まる要因となる空欄 を考える問題です。
荷主が物流事業者に対して値下げを要求しやすい状況は、物流サービスがコモディティ化し差別化が難しく、価格 が主なサービス選定の決定要因となっている場合です。
高得点のポイント
- ファイブフォース分析における「買い手の交渉力」の決定要因として、表2の文脈から「価格」を正しく導き出せていること。
(3)
表2中の c に入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
代替
採点基準(配点 3点)
正確性(内容)(3点)
- 3点: 「代替」と正しく解答している。
- 1点: 「代替品」などの軽微な表記揺れがあるが、文意は合致している。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
ファイブフォース分析の5つの競争要因のうち、空欄 に入る用語を答える問題です。
マイケル・ポーターのファイブフォース分析の5つの要因は、「新規参入の脅威」「業界内の敵対関係」「買い手の交渉力」「売り手(供給業者)の交渉力」、そして「代替 品(または代替サービス)の脅威」です。
表2における陸送に代わる新たな輸送方法(鉄道や船舶などへのモーダルシフト)は、代替サービスの脅威に該当します。
高得点のポイント
- ファイブフォース分析のフレームワークにおける「代替品の脅威」という概念を理解し、「代替」という字句を正確に記述できていること。
(4)
表2及び本文中の d に入れる最も適切なものを解答群の中から選び,記号で答えよ。
模範解答
選択肢ウ: ドライバーの賃金上昇に伴う調達コスト増加の脅威が大きい
配点 1点
解説
ファイブフォース分析における「売り手(供給業者)の交渉力」に関する記述を選ぶ問題です。
物流事業者にとっての「売り手」とは、労働力を提供するドライバーや、車両・燃料の供給業者が該当します。
各選択肢の解説
- ア: ITの活用による省力化は、代替品や新規参入の脅威、あるいは自社の強みなどの文脈であり、直接的な売り手の交渉力ではありません。
- イ: 運送料の値下げ要求は、サービスを利用する側の「買い手の交渉力」に該当します。
- ウ: 正解。ドライバーの賃金上昇は、労働力の供給者(売り手)の交渉力が高まることによる調達コスト増加の脅威です。
- エ: 陸送に代わる新たな輸送方法は「代替品の脅威」に該当します。
(5)
本文中の下線①について,PEST分析をファイブフォース分析よりも先に実施したのは,PEST分析がどのような視点での分析であるからか。本文中の字句を用いて6字で答えよ。
模範解答
マクロ的視点
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 「マクロ的視点」と正確に抜き出している。
- 1点: 「マクロ的」など、一部抜けがあるがキーワードを含んでいる。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
PEST分析をファイブフォース分析よりも先に実施する理由を答える問題です。
PEST分析は、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの要因から、自社を取り巻く外部環境を マクロ的視点 で分析する手法です。
一方、ファイブフォース分析は業界内の競争環境というミクロな視点での分析となります。事業計画を立案する際は、まず全体像であるマクロ環境を把握してから、より詳細な業界環境を分析することが重要です。
高得点のポイント
- 本文中の字句を用いて「マクロ的視点」と6文字で過不足なく正確に抜き出せていること。
(6)
本文中の下線②の分析は何か。本文中の字句を用いて10字以内で答えよ。
模範解答
内部環境分析
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 「内部環境分析」と正確に抜き出している。
- 1点: 「内部環境」など部分的な抜き出しに留まっている。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
SWOT分析において、自社の強みと弱みを特定するための分析を答える問題です。
強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)は自社に内在する要因であるため、それらを特定するには 内部環境分析 が必要になります。
対して、機会(Opportunities)と脅威(Threats)は、PEST分析などによる外部環境分析から導き出されます。
高得点のポイント
- 本文中の該当箇所から「内部環境分析」と正確に抜き出せていること。
- 10字以内という字数制限を満たしていること。
設問1(3)は,正答率が平均的であった。PEST分析とファイブフォース分析それぞれの手法に関する分析の視点の違いの理解を求めたが,分析の視点と関係のない解答が散見された。分析手法は,分析の視点の違いを理解して活用することが重要であることを理解してほしい。
設問2
〔顧客情報の定性的分析〕について答えよ。
(1)
本文中の下線③のマーケットイン志向に該当する行動はどれか。最も適切なものを解答群の中から選び,記号で答えよ。
模範解答
選択肢エ: 市場調査を行い,顧客ニーズを満たす物流サービスを提供する。
配点 1点
解説
マーケットイン志向に該当する行動を選ぶ問題です。
マーケットイン とは、顧客のニーズや市場の要望を出発点として、製品やサービスを開発・提供する考え方です。
各選択肢の解説
- ア: 既存市場向けのサービスを新市場に提供するのは「市場開拓(アンゾフのマトリクス)」の視点であり、マーケットインの直接的な説明ではありません。
- イ: 競合他社よりも低価格とするのは「コスト・リーダーシップ戦略」であり、顧客ニーズ起点の行動とは異なります。
- ウ: 自社の技術を活かしてサービスを提供するのは、作り手の論理を優先する「プロダクトアウト志向」の典型です。
- エ: 正解。市場調査によって顧客ニーズを把握し、それを満たす物流サービスを提供することは、まさにマーケットイン志向に該当します。
(2)
本文中の下線④でどのようにテキストデータを選別するのか。35字以内で答えよ。
模範解答
顧客の事業に関するテキストデータを分析の対象とする。
採点基準(配点 1点)
知識・理解度(内容)(1点)
- 1点: 「顧客の事業に関するテキストデータを分析の対象とする」という趣旨が正しく記述されている。
- 0点: 内容が不適切であるか、指定された要素が含まれていない。
論理性(構造)(0点)
- 0点: 文脈が破綻しておらず、論理的な回答になっている(本観点での加点なし)。
解説
顧客情報(テキストデータ)の選別方法を答える問題です。
従来のような単なる「物を運ぶ」という自社視点のサービスから脱却し、顧客の問題解決に総合的に取り組むためには、物流に関する断片的な要望だけでなく、顧客のビジネス全体を理解する必要があります。
したがって、単なる物流関連のデータだけでなく、顧客の事業に関するテキストデータ を幅広く分析の対象として選別することが求められます。
高得点のポイント
- 分析の対象が、物流データに限定されず「顧客の事業に関する」データであることを記述できていること。
- 35字以内という制限字数内で簡潔にまとめられていること。
設問3
〔顧客への新たな価値の提供〕について答えよ。
(1)
本文中の下線⑤のB社のもつ経営資源とは何か。本文中の字句を用いて15字以内で答えよ。
模範解答
好立地にある営業所と倉庫
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 「好立地にある営業所と倉庫」と正確に抜き出している。
- 1点: 「営業所と倉庫」のみなど、不完全な抜き出しに留まっている。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
顧客へ新たな価値を提供するための基盤となる、B社のもつ経営資源(強み)を答える問題です。
事業計画において、自社の強みを活かして顧客の課題解決を図ることは重要です。本文中において、B社の有形のアセットとしての強みは 好立地にある営業所と倉庫 であることが示されています。これが新たな付加価値を生み出す源泉となります。
高得点のポイント
- B社の経営資源として「好立地にある営業所と倉庫」を過不足なく抜き出せていること。
- 15字以内という制限字数を満たしていること。
(2)
本文中の下線⑥について,E課長の事業化案を実現することで,B社の顧客の物流に関わる作業に対するどのような要望を満たすことができるか。選別したテキストデータの分析の結果の字句を用いて30字以内で答えよ。
模範解答
一括委託することでコア業務に集中したいという要望
採点基準(配点 2点)
正確性(内容)(2点)
- 2点: 「一括委託することでコア業務に集中したいという要望」という趣旨を正しく抜き出している。
- 1点: 「コア業務に集中したい」などの一部要素のみが含まれている。
- 0点: 無解答、または全く異なる内容を解答している。
解説
テキストデータの分析結果から読み取れる、顧客が物流作業に関して抱いている要望を答える問題です。
物流業務のアウトソーシング(3PLなど)を進める荷主企業の多くは、単なるコスト削減だけでなく、自社のリソースを中核となる事業活動に振り向けたいという狙いを持っています。
分析の結果から、顧客には物流業務を 一括委託することでコア業務に集中したい という強い要望があることが読み取れます。
高得点のポイント
- 「一括委託する」という手段と、「コア業務に集中したい」という目的の2つの要素を含めて抜き出せていること。
- 30字以内という制限字数を満たしていること。
設問3(2)は,正答率がやや低かった。テキストデータの分析結果を基に顧客の要望を読み取ることを期待したが,“顧客のコア業務を一括委託する”といった3PLの理解が不十分な解答が見られた。昨今,物流を取り巻く現状と課題に関する社会的関心は高いことから,物流業界と製造業などとの関係についての理解を深めてほしい。