昭和63年度 宅地建物取引主任者資格試験 問39
次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 2. 宅地建物取引業者が締結した宅地の売却に関する専任媒介契約において, 「有効期間内に売却できなかった場合, 依頼者の希望があれば媒介価格で媒介業者が買い取る」との特約をした場合には, その特約は無効となる。
本問は、宅地建物取引業法の各種規定に関する理解を問う問題です。誤っている記述を見つける問題であり、正解は 選択肢2 です。
正解の根拠
宅地建物取引業者が依頼者と締結する媒介契約において、宅建業法の規定より依頼者に不利な特約は無効となりますが、依頼者に有利な特約は有効です。「有効期間内に売却できなかった場合、依頼者の希望があれば媒介価格で媒介業者が買い取る」という特約は、確実に売却できる保証を依頼者に与えるものであり、依頼者に有利な特約であるため有効となります。
各選択肢の解説
- 選択肢1(正しい): 宅建業法上、専任媒介契約の有効期間は 最長3ヶ月 と定められています。これより長い期間(例えば4ヶ月)を定めた場合でも、特約は無効とはならず、その期間は自動的に 3ヶ月 に短縮されます。したがって、本肢の記述は正しいです。
- 選択肢2(誤り): 上述の通り、専任媒介契約において「有効期間内に売却できなかった場合、媒介業者が買い取る」という特約は、依頼者に有利な特約に該当するため 有効 です。したがって、「無効となる」とする本肢は誤りです。
- 選択肢3(正しい): 宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない者が買主となる売買契約において、損害賠償の予定額と違約金の額の合算額は、代金額の2割 を超えてはならないと定められています。2割を超える特約をした場合は、2割を超える部分のみが無効となり、結果として合算額は 代金額の2割 となります。したがって、本肢の記述は正しいです。
- 選択肢4(正しい): 出題当時は、宅建業者が自ら売主となる売買契約において、目的物の瑕疵担保責任について、民法の規定(瑕疵を知った時から1年以内に請求)よりも買主に不利な特約は 無効 とされていました。例外として「引渡しの日から2年以上」とする特約は有効でしたが、「引渡しの日から1年」とする特約は買主に不利であるため無効となり、当時の民法の原則通り「知った時から1年以内」に請求できることになりました。したがって、本肢の記述は正しいです。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2020年4月1日施行の民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号、債権法改正)および民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成29年法律第45号)により、選択肢 4は問題文だけでは正誤が決まりません。出題当時は瑕疵を知った時から1年以内であれば損害賠償を請求できましたが、現行法では売主に帰責事由がなければ請求できないためです。