昭和63年度 宅地建物取引主任者資格試験 問40

宅建業法自ら売主の8種制限手付金等の保全措置・手付額等の制限

この問題は1988年度(S63)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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宅地建物取引業者Aが自ら売主となって行う工事完了前の建売別荘の分譲に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法違反とならないものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

正解は 4 です。本問は、宅地建物取引業者(宅建業者)が自ら売主となる場合の「8種制限」や業務上の規制に関する理解を問う問題です。

正解の根拠

宅地建物取引業法(宅建業法)では、宅建業者が自ら売主となる場合、買主を保護するために様々な制限(いわゆる「8種制限」)が設けられています。しかし、買主も宅建業者である場合(業者間取引)、この8種制限は適用されません(法第78条第2項)。
選択肢4では、買主Dも宅建業者であるため、手付金等の保全措置(法第41条)を講じる義務はありません。したがって、保全措置を講じずに手付金を受領しても宅建業法違反とはなりません。

各選択肢の解説

  • 1. 違反する
    宅建業法上のクーリング・オフ制度(法第37条の2)において、買主が適法にクーリング・オフによる契約解除をした場合、売主である宅建業者は、それに伴う損害賠償や違約金の支払いを請求することができません。本肢のAは損害賠償を請求しており、宅建業法違反となります。

  • 2. 違反する
    宅建業者は、手付金について貸付けその他信用の供与をすることにより、契約の締結を誘引する行為をしてはなりません(法第47条第3号)。「とりあえず契約時には100万円だけ払ってくれればよい」として残額の支払いを後回しにする行為(手付金の分割受領や後払い)は、信用の供与に該当し、宅建業法違反となります。

  • 3. 違反する
    宅建業法では、宅地の造成や建物の建築に関する工事の完了前においては、開発許可や建築確認などの必要な許可・確認を受けた後でなければ、広告をしてはならないと規定されています(法第33条:広告開始時期の制限)。許可を受けていない旨を表示したとしても、許可前に広告を行うこと自体が宅建業法違反となります。

  • 4. 違反とならない(正解)
    買主Dが宅建業者であるため、本件は業者間取引に該当します。業者間取引においては、自ら売主制限(8種制限)が適用されないため、売主Aは工事完了前の物件であっても手付金等の保全措置(法第41条)を講じることなく、手付金や中間金を受領することができます。したがって、宅建業法違反とはなりません。