「手付金等の保全措置・手付額等の制限」の過去問(宅建業法・59問)

1. この分野は何か

不動産の売買では、契約時に代金の一部(手付金や中間金など)を前払いすることが一般的です。しかし、物件が引き渡される前に宅建業者が倒産してしまうと、買主はお金だけ取られて家も手に入らないという悲惨な状況になります。これを防ぐため、業者が手付金等を受け取る前に、銀行や保証協会などに保証してもらう措置を講じる義務があります。これを「手付金等の保全措置」といいます。これも自ら売主の8種制限の1つです。

2. 学習のポイント

保全措置が必要になる「手付金等の金額の基準」を、物件が未完成か完成しているかで分けて暗記することが最大のポイントです。

  • 未完成物件の場合:手付金等が、代金の「5%」を超える、または「1,000万円」を超える場合に保全措置が必要です。
  • 完成物件の場合:手付金等が、代金の「10%」を超える、または「1,000万円」を超える場合に保全措置が必要です。
  • 保全措置の方法:銀行等による保証、保険事業者による保証保険、指定保管機関による保管の3つがあります(※未完成物件の場合は、指定保管機関による保管は利用できません)。

3. 実際の出題のされ方

頻出の分野で、計算問題になることが多いです。

たとえば「代金4,000万円の未完成物件。契約時に手付金150万円を受け取り、後日、中間金100万円を受け取る。保全措置はいつ、いくらに対して必要か?」という問題。
代金の5%は200万円です。手付金150万の時点では5%以下なので保全措置は不要。しかし中間金100万を受け取ると合計250万となり5%を超えるため、中間金を受け取る「前」に、すでに受け取っている手付金を含めた全額(250万円)について保全措置を講じなければなりません。

4. 間違えやすいところ

保全措置が「不要」になる例外ケース
上記のパーセンテージ基準を超えていても、以下の場合は保全措置が不要になります。この例外が頻出のひっかけです。

  1. 買主が所有権移転登記を備えたとき:登記さえあれば、業者が倒産しても物件は買主のものとして守られるため、保全措置は不要です。
  2. 手付金等の額がそもそも少額(未完成なら5%以下かつ1000万以下、完成なら10%以下かつ1000万以下)のとき。

保全措置のタイミング
保全措置は、必ず手付金等を「受け取る前」に講じなければなりません。お金を受け取ってから保証の手続きをするのでは遅いです。

手付金の額の制限(代金の2割以内)との関係
保全措置を講じたからといって、代金の2割を超える手付金を受け取ってよいわけではありません。「手付金の額は代金の2割以内」という別のルール(8種制限)は依然として守る必要があります。

  1. 2025年度(R7) 問32 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結…
  2. 2024年度(R6) 問34 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で、土地付建物を4,000万円で売却する売買契…
  3. 2023年度(R5) 問39 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合における手付金の…
  4. 2021(R3)12月 問27 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のう…
  5. 2021(R3)10月 問42 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBを買主とする土地付建物の売買契約(代金3,200万円)を締…
  6. 2020(R2)10月 問32 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のう…
  7. 2019年度(R1) 問37 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する建築工事完了前のマンション(代金3,00…
  8. 2018年度(H30) 問29 Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結…
  9. 2018年度(H30) 問38 宅地建物取引業者である売主は、宅地建物取引業者ではない買主との間で、戸建住宅の売買契約(所有権の登記は当該住宅の引渡し時…
  10. 2016年度(H28) 問28 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結し…
  11. 2016年度(H28) 問43 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契…
  12. 2015年度(H27) 問36 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金 2,400万円)の売買契約を締結する場…
  13. 2015年度(H27) 問39 宅地建物取引業者Aが自ら売主となる売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の…
  14. 2015年度(H27) 問40 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物…
  15. 2014年度(H26) 問33 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売買する契約をした場合において、宅…
  16. 2013年度(H25) 問38 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建…
  17. 2013年度(H25) 問40 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で締結する売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問にお…
  18. 2012年度(H24) 問34 宅地建物取引業者A社は、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、中古マンション(代金2,000万円)の売買契…
  19. 2012年度(H24) 問38 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として締結する建築工事完了後の新築分譲マンション(代金3,000万円)の売買契約に関する…
  20. 2011年度(H23) 問37 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結する建築工事完了後の建物の売買契約に関する…
  21. 2011年度(H23) 問38 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売…
  22. 2010年度(H22) 問39 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結した場合における次の記述のう…
  23. 2010年度(H22) 問41 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する…
  24. 2009年度(H21) 問 39 宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で、建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金5,00…
  25. 2008年度(H20) 問40 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、宅地…
  26. 2008年度(H20) 問41 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、買主Bとの間で締結した売買契約に関して行う次に記述する行為のうち、宅地建物取引業法(…
  27. 2007年度(H19) 問34 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となって宅地建物取引業者でない買主Bに建築工事完了前のマンションを1億円で販売する場合にお…
  28. 2007年度(H19) 問 43 次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。…
  29. 2006年度(H18) 問39 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、次の記述のうち、…
  30. 2005年度(H17) 問 42 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBに宅地(造成工事完了済み)を分譲する場合に関する次の記述の…
  31. 2005年度(H17) 問43 宅地建物取引業者Aが自ら売主としてマンション(販売価額3,000万円)の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民…
  32. 2004年度(H16) 問40 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に関する次の規定のうち、宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主と…
  33. 2004年度(H16) 問44 宅地建物取引業者A社の行う業務について, 宅地建物取引業法の規定によれば, 誤っているものはどれか。…
  34. 2004年度(H16) 問45 宅地建物取引業者A社に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定によれば, 誤っているものはどれか。…
  35. 2003年度(H15) 問38 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主として, 宅地建物取引業者でないBとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち, 宅地…
  36. 2003年度(H15) 問41 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、中古住宅及びその敷地である土地を、代金3,5…
  37. 2002年度(H14) 問40 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主となって宅地建物取引業者でない買主Bと建物(完成物件)を売買する場合に関する次の記述のう…
  38. 2002年度(H14) 問41 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主となり, 宅地又は建物を売買する場合に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定によ…
  39. 2001年度(H13) 問41 宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって、宅地建物取引業者でない買主Bに、建築工事完了前のマンションを価格4,000万円で…
  40. 1999年度(H11) 問33 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主として, 宅地建物取引業者でない買主Bと締結した宅地の売買契約(代金4,000万円, 手…
  41. 1998年度(H10) 問36 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する…
  42. 1997年度(H9) 問39 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主として, 宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前の分譲住宅の売買契約(代金5,000万…
  43. 1997年度(H9) 問44 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主として, 宅地建物取引業者でないBと建築工事完了後の分譲住宅についての売買契約(手付金5…
  44. 1996年度(H8) 問46 宅地建物取引業者Aが自ら売主として, 宅地建物取引業者でない買主Bと宅地(価格5,000万円)の売買契約を締結した場合に…
  45. 1995年度(H7) 問42 宅地建物取引業者Aは, 造成工事完了前の宅地を自ら売主として売却するため, 他の宅地建物取引業者B(消費税免税業者)にそ…
  46. 1995年度(H7) 問43 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主として, 宅地建物取引業者でないBに対し宅地(造成工事完了済み)を分譲しようとする場合に…
  47. 1994年度(H6) 問43 宅地建物取引業者Aが自ら売主として, 宅地建物取引業者でない買主Bとマンション(価額5,000万円)の売買契約を締結した…
  48. 1993年度(H5) 問43 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主となって, 建築工事完了前の建物を, 宅地建物取引業者でない買主Bに代金6,000万円で…
  49. 1993年度(H5) 問45 宅地建物取引業者A社は, 自ら売主となって, 工事完了前のマンションを宅地建物取引業者でない買主Bに4,000万円で譲渡…
  50. 1992年度(H4) 問41 宅地建物取引業者Aが自ら売主となって宅地建物取引業者でないBとマンション(工事完了済) の売買契約(価格4,500万円)…
  51. 1992年度(H4) 問44 宅地建物取引業者Aが自ら売主としてマンション(価格1億7,000万円)の売買契約を宅地建物取引業者でない買主Bと締結した…
  52. 1991年度(H3) 問49 宅地建物取引業者Aは, 土地付建物(価格1億5,000万円)を, 建築工事の完了前に自ら売主として宅地建物取引業者でない…
  53. 1990年度(H2) 問40 〔問 40〕 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主として工事完了前のマンションをBに4,000万円で売却する契約を締結した。…
  54. 1990年度(H2) 問42 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主となって, 宅地建物取引業者でないBと1億円の宅地の売買契約(手付金900万円, 中間金…
  55. 1989年度(H1) 問42 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主となって, 買主Bと1億2,000万円のマンション(以下この問において「物件」という。)…
  56. 1989年度(H1) 問48 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主となって, 宅地を買主Bに代金6,000万円で売却する契約を締結した。この場合, 宅地建…
  57. 1988年度(S63) 問40 宅地建物取引業者Aが自ら売主となって行う工事完了前の建売別荘の分譲に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法違反とならな…
  58. 1988年度(S63) 問43 宅地建物取引業者Aは, 自ら売主として建築工事完了前のマンションを宅地建物取引業者でないBに売却する契約を締結した。売買…
  59. 1988年度(S63) 問46 宅地建物取引業者Aは, 自ら所有する宅地を売却する契約を締結した。この場合において, 次の三つの記述のうち, 正しいもの…