平成7年度宅地建物取引主任者資格試験 問6

権利関係抵当権・担保物権

この問題は1995年度(H7)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢1

抵当権の効力に関する問題です。
正解は 1 です。

正解の根拠

抵当権は目的物の交換価値を把握する権利であり、抵当権設定者が目的物を適切に維持管理する義務を負います。設定者が 通常の利用方法を逸脱して建物を毀損 し、抵当権の担保価値を減少させるような行為をしている場合、抵当権者はその侵害を排除するため、弁済期が到来していなくても 抵当権に基づく妨害排除請求 をすることができます。したがって、選択肢1の記述は正しい内容となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正解)
    上述のとおり、抵当目的物が不当に毀損され担保価値が減少する危険がある場合、抵当権者は弁済期前であっても 妨害排除請求権 を行使することができます。

  • 選択肢2(誤り)
    民法第375条1項により、抵当権者は満期となった 最後の2年分 の利息についてのみ優先して弁済を受けることができますが、この規定は 後順位抵当権者その他の利害関係者を保護 するためのものです。したがって、他に利害関係者がいない場合には、2年分を超える利息についても抵当権を行使することができます。

  • 選択肢3(誤り)
    抵当権者は、目的物の滅失等によって債務者が受けるべき金銭に対して 物上代位 をすることができますが、その払渡しまたは引渡しの 前に差押え をしなければなりません(民法第304条1項)。既にAが損害賠償金を受領した後では、一般財産と混ざってしまい特定性が失われるため、物上代位権を行使することはできません。

  • 選択肢4(誤り)
    抵当権には 付従性 があります。被担保債権が消滅時効等により消滅した場合、それに付随して抵当権も消滅します(民法第396条)。したがって、債務が消滅した場合には、AはBに対して当然に抵当権の消滅を主張することができます。