平成8年度 宅地建物取引主任者資格試験 問50
宅建業法監督処分・罰則
甲県内にのみ事務所を設置している宅地建物取引業者Aが, 自ら売主として乙県内でマンション(建築工事完了前)の分譲を行う場合に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 1. Aが乙県内にも事務所を有することとなった場合で, 建設大臣の免許を受けていないことが判明したとき, 甲県知事は, Aに対し1年以内の業務停止を命ずることができる。
本問は、宅地建物取引業法における監督処分および免許換えに関する知識を問う問題です。宅建業者が他の都道府県に事務所を新設した場合の扱いと、免許権者および業務地の都道府県知事による監督処分の権限の違いを正確に理解しておく必要があります。
正解の根拠
選択肢1が誤りであり、本問の正解となります。
宅建業者A(甲県知事免許)が乙県内に新たに事務所を設置した場合、国土交通大臣(旧・建設大臣)への免許換えの手続きが必要です。この免許換えの申請を怠って事務所を設置した場合、元の免許権者である甲県知事は、Aの免許を取り消さなければなりません(必要的免許取消事由)。1年以内の業務停止を命ずることができるとする本肢は誤りです。
各選択肢の解説
選択肢1(誤り)
上記「正解の根拠」の通り、免許換え手続きを怠って他県に事務所を設置した場合の監督処分は、業務停止処分ではなく免許の取消しとなります。選択肢2(正しい)
免許権者以外の都道府県知事(本問の乙県知事)であっても、自らの管轄区域内で当該業者が業務違反行為(手付金等の保全措置義務違反など)を行った場合は、管轄区域内での業務に関して1年以内の業務停止処分や指示処分を行うことができます。選択肢3(正しい)
免許権者である甲県知事は、免許を与えた宅建業者Aに対して監督権限を持っています。したがって、Aがどこで違反行為を行ったかにかかわらず、Aに対して必要な指示処分や業務停止処分を行うことができます。選択肢4(正しい)
建築確認前の広告は、宅建業法に基づく「広告開始時期の制限」の違反となります。業務地を管轄する知事(乙県知事)は、その管轄区域内で行われた業務違反行為について、当該業者に対して必要な指示処分を行うことができます。