平成10年度 宅地建物取引主任者資格試験 問6

権利関係賃貸借(民法)

この問題は1998年度(H10)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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AはBから建物を賃借し, Bの承諾を得て, 当該建物をCに転貸している。この場合, 民法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち正しいものはどれか。なお, Aの支払うべき賃料の額は, Cの支払うべき転借料の額より小さいものとする。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

本問は、適法な転貸借における賃貸人(B)、賃借人・転貸人(A)、転借人(C)の法律関係を問う問題です。

正解の根拠

選択肢4が正しい記述です。
判例により、賃借人(A)の債務不履行(賃料不払いなど)を理由として、賃貸人(B)が賃貸借契約を適法に解除した場合、転借人(C)は自身の転借権を賃貸人(B)に対抗することができないとされています。賃借権が適法に消滅すれば、それを基礎とする転借権も消滅するためです。

各選択肢の解説

  • 1. 誤り
    賃貸人(B)と賃借人(A)が賃貸借契約を合意解除した場合、原則として、賃貸人はその解除をもって転借人(C)に対抗することはできません(民法第613条第3項)。したがって、特段の事情のない限り転貸借契約が当然に終了するわけではありません。
  • 2. 誤り
    適法な転貸借において、転借人(C)は賃貸人(B)に対して直接義務を負いますが、その限度は賃借人(A)が賃貸人(B)に負担する債務の額(賃料額)の範囲内です(民法第613条第1項)。本問では「Aの賃料額 < Cの転借料額」であるため、Cは「Aの支払うべき賃料の額」を限度として直接支払う義務を負うにとどまり、転借料全額を支払う義務はありません。
  • 3. 誤り
    賃借人(A)の債務不履行により賃貸借契約を解除する場合、賃貸人(B)は賃借人(A)に対して催告を行えば足り、転借人(C)に対して事前の通知や代払いの機会を与える義務はないとするのが判例の立場です。
  • 4. 正しい
    上述の通り、賃借人の債務不履行による解除の場合、転借人は賃貸人に転借権を対抗することができません。