平成16年度 宅地建物取引主任者資格試験 問7
権利関係相隣関係・地役権
次の記述のうち, 民法の規定によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 3. 土地の所有者は, 隣地から木の枝が境界線を越えて伸びてきたときは, 自らこれを切断できる。
本問は民法における 相隣関係 (隣接する土地の所有者間の利用調整)に関する問題です。
誤っている記述は 選択肢3 です。
正解の根拠
隣地の竹木の 枝 が境界線を越えて伸びてきた場合、原則として、その竹木の所有者にその枝を 切除させる 必要があります(民法233条1項)。出題当時は、自ら切断することはできなかったため、記述は誤りでした。
一方、竹木の 根 が境界線を越えてきた場合は、自ら切り取る ことができます(民法233条4項)。「枝」と「根」で扱いが異なる点に注意しましょう。
各選択肢の解説
- 選択肢1:正しい
土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはなりません(民法214条)。したがって、雨水が自然に流れてくることを阻止するような工作物を設置することはできません。 - 選択肢2:正しい
土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標(境界を表示すべき物)を設けることができます(民法222条)。 - 選択肢3:誤り
上述の通り、隣地の竹木の 枝 が境界線を越えてきた場合、原則として自ら切断することはできず、竹木の所有者に切除させる必要があります。 - 選択肢4:正しい
隣地の竹木の 根 が境界線を越えてきた場合、自らその根を切り取ることができます(民法233条4項)。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
出題当時は、隣地から木の枝が境界線を越えて伸びてきても土地の所有者が自ら切断することはできず、選択肢 3は誤りでした。しかし、2023年4月施行の民法改正により、催告等の要件を満たせば自ら切り取ることができるようになりました。現在の規定では問題文に書かれていない事実によって正誤が変わるため、正解が一つに定まりません。