平成19年度宅地建物取引主任者資格試験 問1

A所有の甲土地についてのAB間の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 3. Aが第三者Cの強迫によりBとの間で売買契約を締結した場合、Bがその強迫の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる。

正解の根拠

選択肢3が正解です。
第三者の強迫によってなされた意思表示は、表意者を保護する必要性が高いため、相手方が強迫の事実を知っていたか(悪意)知らなかったか(善意)にかかわらず、常に取り消すことができます(民法96条1項)。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    表意者が真意でないことを知ってした意思表示(心裡留保)は原則として有効ですが、相手方がその真意を知っていた(悪意)または知ることができた(有過失)場合は無効となります(民法93条1項ただし書)。本肢では相手方Bが悪意であるため、契約は無効となります。
  • 選択肢2:誤り
    相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は初めから無効となります(民法94条1項)。動機が差押え逃れであることやBがそれを知っていたとしても、両者で意を通じた仮装の売買契約である以上、有効には成立しません。
  • 選択肢3:正しい
    本肢の通りです。第三者による強迫による意思表示は、相手方(B)の善意・悪意を問わず取り消すことができます。なお、第三者による「詐欺」の場合は、相手方が悪意または有過失の場合にのみ取り消すことができます(民法96条2項)ので、対比して覚えておくことが重要です。
  • 選択肢4:誤り
    泥酔等により意思能力を有しない状態(意思無能力)でなされた法律行為は、後から取り消しうる行為になるわけではなく、法律上当然に初めから無効となります(民法3条の2)。したがって、「追認を拒絶すれば、その時点から無効となる」という記述は誤りです。

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