平成21年度 宅地建物取引主任者資格試験 問12
この問題は2009年度(H21)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢2
正解の根拠
本問の正解は 2 です。
賃借人Bと使用借人Cにおける契約解除や終了に関する規定の違いを問う問題です。
選択肢2について:
賃貸人Aと賃借人Bの賃貸借契約で期間の定めがない場合、Aからの解約申入れには 正当な事由 が必要です(借地借家法第28条)。この点は正しいです。
一方、使用借人Cとの使用貸借契約において「適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的」としている場合、これは 目的に従った返還時期の定め があると解されます。したがって、Cが適当な家屋に移るか、またはその目的に従って使用・収益をするのに足りる期間を経過するまでは、Aはいつでも返還請求できるわけではありません(民法第597条第2項、第598条第1項・第2項)。
よって、「AはCに対していつでも返還を請求できる」とする後半の記述が誤っています。
各選択肢の解説
- 選択肢1: 正しい。賃借人Bの無断転貸は原則として解除事由になりますが、判例により 背信的行為と認めるに足りない特段の事情 があれば解除できません。一方、使用借人Cの無断貸与については、貸主Aは直ちに契約を解除することができます(民法第594条第2項・第3項)。
- 選択肢2: 誤り。上記の通り、使用貸借において目的に従って使用・収益をするのに足りる期間を経過する前は、いつでも返還請求できるわけではありません。
- 選択肢3: 正しい。建物の賃貸借は、建物の引渡しを受けることで新所有者Dに対して 対抗力 を持ちます(借地借家法第31条第1項)。しかし、使用貸借には対抗要件の制度がなく、使用借権は新所有者Dに対して主張できません。
- 選択肢4: 正しい。賃貸借契約は賃借人Bの死亡によって終了せず、相続人に相続されます。しかし、使用貸借契約は借主Cの 死亡によって終了 し、相続されません(民法第597条第3項)。