平成18年度 宅地建物取引主任者資格試験 問6

AがBに対して建物の建築工事を代金3,000万円で注文し、Bがこれを完成させた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 2. 請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、Aは当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。

正解は 2 です。

正解の根拠

請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があり、建て替えざるを得ない場合についての判例(最判平14.9.24)が問われています。判例によれば、建物の瑕疵が重大で補修が不可能または不合理であり、建て替えざるを得ない場合には、注文者は建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができます。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    注文者は、瑕疵の修補請求と損害賠償請求のどちらかを選択して、または両方を併せて行使することができます。損害賠償請求を行う前に、瑕疵の修補を請求しなければならないという制限はありません。
  • 選択肢2:正しい
    上記の正解の根拠の通り、目的物たる建物に重大な瑕疵があり建て替えざるを得ない場合には、注文者Aは請負人Bに対して、建替えに要する費用相当額を損害賠償として請求することができます。
  • 選択肢3:誤り
    原則として請負契約における目的物が建物その他の土地の工作物である場合、重大な瑕疵があったとしても契約を解除することはできないとされていました(旧民法の規定に基づく過去問の論点です)。
  • 選択肢4:誤り
    担保責任を負わない旨の特約は原則として有効ですが、請負人が知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることはできません。したがって、一切の責任を追及することができなくなるという記述は誤りです。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時は、建物の請負では瑕疵を理由に解除できず、注文者は直ちに損害賠償を請求できるとされていました。2020年4月1日施行の民法改正により、建物の請負でも解除が可能となり、選択肢 3は正しい記述に変わりました。一方、修補に代わる損害賠償の請求に事前の催告が必要かについては解釈が分かれ、選択肢 1は問題文だけでは正誤が決まりません。そのため、現行法では正解が複数になります。

Spineチーム