平成28年度 宅地建物取引士資格試験 問31

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 4. 150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。

正解は 選択肢4 です。

宅地建物取引業保証協会(以下、保証協会)の社員に関する、宅地建物取引業法の規定を問う問題です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意ですが、一の保証協会の社員となった者は、重ねて他の保証協会の社員となることはできません(二重加入の禁止)。

  • 選択肢2:誤り
    保証協会に加入している宅建業者が新たに事務所(支店など)を設置した場合、その日から 2週間以内 に追加の弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません。「1月以内」とする本肢は誤りです。なお、期間内に納付しない場合、当該業者は社員の地位を失います。

  • 選択肢3:誤り
    保証協会から還付充当金の納付通知を受けた社員は、通知を受けた日から2週間以内に、その額を 保証協会 に納付しなければなりません。「最寄りの供託所」に直接供託するわけではありません。供託所に供託するのは保証協会が行います。

  • 選択肢4:正しい
    弁済業務保証金分担金が150万円である場合、その内訳は「主たる事務所:60万円」と「従たる事務所(3か所):30万円×3=90万円」と計算できます(計4事務所)。
    保証協会の社員と宅建業に関し取引をした者が弁済を受けられる限度額は、その社員が社員でないとしたならば供託すべき 営業保証金に相当する額 となります。
    本肢の場合、営業保証金制度の基準で計算すると「主たる事務所:1,000万円」+「従たる事務所:500万円×3=1,500万円」となり、合計 2,500万円 が限度額となります。したがって、本肢の記述は正しいです。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2017年4月1日施行の宅地建物取引業法の一部を改正する法律により、弁済を受ける権利を有する者から宅地建物取引業者が除かれました。出題当時は取引をした者が業者でも権利を有したため、選択肢4は正しい記述でした。現行法では取引をした者が業者か否かで権利の有無が変わるため、問題文だけでは正誤が定まりません。そのため、問題全体としても正解が一つに定まらなくなっています。

Spineチーム