平成29年度 宅地建物取引士資格試験 問6

権利関係相続

この問題は2017年度(H29)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢3

正解の根拠

遺産分割協議成立前に生じた賃料債権の帰属に関する知識を問う問題です。正解は 選択肢3 です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    ①BがAの配偶者でCがAの子である場合、民法900条1号によりBの法定相続分は 2分の1 です。
    ②BとCがいずれもAの子である場合、民法900条4号本文により各自の法定相続分は等しくなるため、Bの法定相続分は同じく 2分の1 です。
    したがって、①と②でBの法定相続分は同一であり、①の方が大きいとする本肢は誤りです。

  • 選択肢2:誤り
    相続開始に相続人が死亡した場合は、代襲相続ではなく 数次相続 となります(代襲相続は相続開始以前に死亡していた場合等に生じます)。Bの死亡により、Bが有していた「Aの遺産分割協議に参加する地位」は、Bの相続人である配偶者Dと子Eが共同して承継します。したがって、E単独ではなく、DとEの双方が協議に参加する必要があるため、誤りです。

  • 選択肢3:正しい
    判例(最判平17.9.8)によれば、遺産分割協議成立前に遺産である不動産から生じた 賃料債権 は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその法定相続分に応じて 分割単独債権として確定的に取得 します。その後に遺産分割によって当該不動産を特定の相続人(B)が取得することになっても、すでに確定的に取得した賃料債権の帰属に影響を及ぼさないため、清算する必要はありません。

  • 選択肢4:誤り
    相続人が数人あるときは、限定承認 は、共同相続人の 全員が共同して のみ行うことができます(民法923条)。一人が単独で限定承認を申述すれば他の相続人も限定承認をしたとみなされるわけではないため、誤りです。