平成29年度 宅地建物取引士資格試験 問7

権利関係請負・委任等

この問題は2017年度(H29)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢3

正解の根拠

本問は請負契約に関する民法の規定および判例の知識を問う問題です。誤っている選択肢は 3 です。

請負契約の目的物に瑕疵(契約不適合)がある場合、注文者の請負人に対する損害賠償債権と、請負人の注文者に対する報酬請求権は 同時履行の関係 に立ちます。したがって、注文者は請負人から損害の賠償を受けるまでは、特別の事情がない限り、報酬全額の支払いを拒むことができます(最判平9.2.14等)。よって、「報酬全額を支払わなければならない」とする記述は誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正しい)
    請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で解除され、請負人が施工済みの部分について報酬を請求できる場合、注文者が請負人に請求できる損害賠償額は、残工事の完成に要する費用のうち、未施工部分に相当する請負代金額を超える部分に限られます(最判平9.2.14)。

  • 選択肢2(正しい)
    注文者の責めに帰すべき事由により仕事の完成が不能となった場合、危険負担の債権者主義(民法536条2項)により、請負人は残債務を免れるとともに、請負代金全額を請求することができます。ただし、自己の債務を免れたことによって得た利益(支出を免れた材料費や労務費など)があれば、それを注文者に償還しなければなりません。

  • 選択肢3(誤り・正解)
    前述の通り、注文者の有する修補に代わる損害賠償債権と、請負人の有する報酬請求権は 同時履行の関係 にあります。したがって、注文者は損害賠償を受けるまで 同時履行の抗弁権 を行使して報酬全額の支払いを拒否することができます。

  • 選択肢4(正しい)
    担保責任(契約不適合責任)を負わない旨の特約(免責特約)を結んだ場合であっても、請負人が 知りながら告げなかった事実 については、信義則上その責任を免れることはできません(民法572条、559条)。