令和2年度 管理業務主任者試験 問16
管理組合の会計・税務仕訳
管理組合における以下の①〜③の活動に関し、令和2年3月分の仕訳として最も適切なものは、次の1〜4のうちどれか。ただし、会計処理は、毎月次において発生主義の原則によるものとする。
《管理組合の会計年度:毎年4月1日から翌年3月31日まで》
活動
① 令和2年2月3日に発注し、令和2年2月15日に工事が実施され、令和2年2月20日に工事が完了した排水管更新工事の代金85万円を、令和2年3月20日に普通預金から支払った。
② 令和2年2月25日に150万円で発注した什器備品としての監視用カメラの取付工事が、令和2年3月2日に完了したという報告があり、代金は令和2年3月末に普通預金から支払った。
③ 外階段の塗装剥がれに伴う修理として、令和2年3月12日に塗装業を営むA社に300万円にて発注し、工事は令和2年4月1日から5日間にわたって実施され、その支払は工事完了から1週間以内に、普通預金から振込む予定である。
解答・解説
正解: 3. (単位;円)
| (借方) | 金額 | (貸方) | 金額 |
| --- | ---: | --- | ---: |
| 未払金 | 850,000 | 普通預金 | 2,350,000 |
| 什器備品 | 1,500,000 | | |
管理組合の会計処理は発生主義の原則(毎月次)で行われるため、金銭の授受の時点ではなく、取引の事実(工事の完了や役務の提供など)が発生した時点で費用・収益や資産・負債を計上します。これに基づき、令和2年3月分の仕訳を活動ごとに検討します。
各活動の会計処理(令和2年3月分)
活動①について
- 排水管更新工事(代金85万円)は令和2年2月20日に完了しているため、発生主義に基づき、2月分の仕訳において借方に資産(または費用)、貸方に「未払金 850,000円」がすでに計上されています。
- 令和2年3月20日に普通預金から85万円を支払った際は、2月に計上した未払金を消滅させる処理を行います。
- 3月の仕訳:(借方)未払金 850,000 /(貸方)普通預金 850,000
活動②について
- 什器備品としての監視用カメラの取付工事(代金150万円)は令和2年3月2日に完了し、代金は令和2年3月末に普通預金から支払っています。工事の完了と代金の支払がともに3月中に発生しています。
- 3月の仕訳:(借方)什器備品 1,500,000 /(貸方)普通預金 1,500,000
活動③について
- 外階段の修理(代金300万円)は、令和2年3月12日に発注したものの、工事の実施は令和2年4月1日からであり、支払も工事完了後です。
- 3月時点では発注したのみで、工事完了(役務の提供)も代金の授受も行われていないため、3月分の仕訳は発生しません(翌期である4月分の仕訳となります)。
3月分の仕訳の合算
活動①〜③の3月分の仕訳を合算すると、以下のようになります。
- (借方)
- 未払金: 円
- 什器備品: 円
- (貸方)
- 普通預金: 円
したがって、正解は 3 です。
各選択肢の解説
- 1:3月に発生していない活動③の修繕費(3,000,000円)や、2月に完了している活動①の建物付属設備(850,000円)が借方に計上されており、貸方の前払金や未払金の処理も誤っています。
- 2:活動③の修繕費(3,000,000円)や活動①の建物付属設備(850,000円)が計上されている点、また活動②を前払金(1,500,000円)とし、貸方の普通預金を全活動の合計額(5,350,000円)としている点が誤りです。
- 3:正しい仕訳です。
- 4:活動③の修繕費(3,000,000円)と未払金(3,000,000円)、活動①の建物付属設備(850,000円)、活動②の前払金(1,500,000円)が計上されており、誤りです。