令和5年度 管理業務主任者試験 問13
管理組合の会計・税務仕訳
甲管理組合における以下の活動に関し、令和5年3月分の仕訳として、最も適切なものはどれか。ただし、会計処理は毎月次において発生主義の原則によって処理されているものとする。
(甲管理組合の会計年度:毎年4月1日から翌年3月31日まで)
活動
令和5年4月1日以降、駐車場1区画につき月額使用料20,000円、敷金として当該使用料の2箇月分にて新規利用者5人に1区画ずつ貸し出すこととし、令和5年3月中に、甲管理組合の普通預金口座に合計300,000円の入金があった。その内訳は以下のとおりである。
令和5年3月中の入金の内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 敷金 | 200,000円 |
| 令和5年4月分使用料 | 100,000円 |
| 合計 | 300,000円 |
(単位:円)
解答・解説
正解: 3. | (借方) | 金額 | (貸方) | 金額 |
| --- | --- | --- | --- |
| 普通預金 | 300,000 | 前受金 | 100,000 |
| | | 預り金 | 200,000 |
管理組合の会計処理は発生主義の原則によって行われます。発生主義の原則では、金銭の授受があった時点ではなく、収入や費用の原因となる経済的事実が発生した時点で計上します。
令和5年3月中の入金(合計300,000円)について、借方と貸方に分けて仕訳を考えます。
借方の処理
- 普通預金口座に合計300,000円の入金があったため、資産の増加として借方に普通預金 300,000円を計上します。
貸方の処理
- 令和5年4月分使用料(100,000円):駐車場の貸出しは令和5年4月1日以降であり、令和5年3月時点ではまだ役務の提供(貸出し)が行われていません。発生主義の原則に基づき、翌月(翌期)分の使用料を前もって受け取ったものとして、負債である前受金 100,000円を貸方に計上します。
- 敷金(200,000円):敷金は将来契約が終了し駐車場が返還された際に利用者へ返還すべき性質の金銭(一時的に預かっているお金)であるため、収入にはならず、負債である預り金(または預り敷金)200,000円を貸方に計上します。
したがって、令和5年3月分の仕訳として最も適切なものは 3 です。
各選択肢の解説
- 1:敷金200,000円も含めて全額を「前受金 300,000円」として処理しているため誤りです。敷金は将来の収益となるものではなく返還義務のある金銭であるため、「預り金」として処理します。
- 2:令和5年4月分使用料100,000円を3月分の「駐車場使用料収入」として計上しているため誤りです。発生主義の原則により、3月時点では「前受金」として処理し、4月になった時点で「駐車場使用料収入」に振り替えます。
- 3:入金された300,000円を借方の「普通預金」とし、貸方に4月分使用料として「前受金 100,000円」、敷金として「預り金 200,000円」を計上しており、正しい仕訳です。
- 4:入金された300,000円全額を当月の「駐車場使用料収入」として計上しているため誤りです。