平成11年度 宅地建物取引主任者資格試験 問 7

権利関係代理

この問題は1999年度(H11)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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Aが, A所有の1棟の賃貸マンションについてBに賃料の徴収と小修繕の契約の代理をさせていたところ, Bが, そのマンションの1戸をAに無断で, Aの代理人として賃借人Cに売却した。この場合, 民法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢2

正解の根拠

本問は、代理権の範囲を超えて無権代理行為を行った場合の効果(無権代理・表見代理)に関する問題です。
誤っている記述は 選択肢2 です。
無権代理行為の相手方(C)は、本人(A)に対し、相当の期間を定めて追認するかどうかを確答すべき旨の 催告 をすることができます(民法114条)。この催告権を行使するにあたり、相手方が代金を用意・提供しておく必要は民法上規定されていません。したがって、「代金を用意しておく必要がある」とする点は誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:正しい
    無権代理行為に対する 追認 は、相手方(C)または無権代理人(B)のいずれに対しても行うことができます。ただし、無権代理人に対して追認をした場合、相手方がその事実を知るまでは、相手方に対抗することはできません(民法113条)。本肢のように、直接相手方Cに対して追認することは可能です。

  • 選択肢2:誤り(正解)
    上記の通り、催告権(民法114条)の行使において、相手方による代金の準備は要件とされていません。

  • 選択肢3:正しい
    Bには賃料徴収等の契約の代理権(基本代理権)が存在します。その権限を越えて売買契約を行った場合、相手方CがBに売却の代理権があると信じ、かつそう信じることについて 正当な理由(善意無過失) があるときは、権限外の行為の表見代理(民法110条)が成立します。この場合、Cは本人Aに対して契約の履行(所有権移転登記)を請求できます。

  • 選択肢4:正しい
    判例によれば、表見代理の要件を満たす場合であっても、相手方は表見代理の成立を主張して本人(A)に責任を追及する代わりに、無権代理人の責任(民法117条)を追及し、無権代理人(B)に対して履行または損害賠償を請求することが認められています(最判昭62.7.7)。