平成19年度宅地建物取引主任者資格試験 問5
権利関係不法行為
不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 4. 不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。
本問の正解は 選択肢4 です。
正解の根拠
不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効は、以下のいずれかの期間が経過したときに完成します(民法第724条)。
選択肢4にある「権利を行使することができることとなった時から10年」というのは、一般的な債権の消滅時効の原則(客観的起算点)であり、不法行為には特則が適用されるため誤りとなります。
各選択肢の解説
選択肢1:正しい
不法行為による損害賠償債務は、催告を待たず、 損害発生と同時に履行遅滞 に陥ります(判例)。したがって、損害発生の時以降、完済に至るまでの遅延損害金を支払う必要があります。
選択肢2:正しい
不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合であっても、 当然に相続の対象 となります(判例)。
選択肢3:正しい
共同不法行為による損害賠償債務は、加害者間で各自連帯して責任を負う「 不真正連帯債務 」と解されています。不真正連帯債務においては、連帯債務者の1人に対して生じた事由のうち、弁済などを除き、他の債務者には効力が及ばない( 相対的効力 )とされています。したがって、1人に対する履行の請求は、他の加害者に対しては効力を有しません。