平成19年度宅地建物取引主任者資格試験 問7
権利関係抵当権・担保物権
担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 4. 借地人が所有するガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した場合、当該建物の従物である地下のタンクや洗車機が抵当権設定当時に存在していれば、抵当権の効力はこれらの従物に及ぶ。
正解の根拠
選択肢4が正解です。
抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体となっている物(付加一体物)に及びます(民法370条本文)。判例によれば、建物の従物(地下のタンクや洗車機など)は、特段の事情がない限り付加一体物に含まれ、抵当権設定当時に存在していたものには抵当権の効力が及ぶと解されています。
各選択肢の解説
- 選択肢1(誤り)
不動産工事の先取特権は、法律の要件を満たすことで当然に発生する法定担保物権であるため、あらかじめ債務者(建築主)と先取特権の行使について合意(契約)しておく必要はありません。なお、効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記する必要があります(民法338条1項)。 - 選択肢2(誤り)
留置権を主張するためには、その債権が「その物に関して生じた債権(牽連性)」であることが必要です(民法295条1項)。しかし判例により、造作買取代金債権は「造作」に関して生じた債権であって、「建物」に関して生じた債権ではないとされているため、建物を留置することはできません。 - 選択肢3(誤り)
質権は動産だけでなく、不動産や債権などの財産権を目的として設定することも可能です(民法342条、356条)。したがって、不動産を目的として質権を設定できないとする本肢は誤りです。なお、不動産質権の対抗要件は引き渡しではなく登記となります。 - 選択肢4(正しい)
上記の【正解の根拠】で述べたとおり、抵当権設定当時に存在していた建物の従物には、特段の事情がない限り抵当権の効力が及びます。