平成26年度 問8

権利関係不法行為

この問題は2014年度(H26)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢1

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効(民法第724条)に関する問題です。不法行為の消滅時効の起算点や期間、関連する判例の正確な知識が問われています。

正解の根拠

選択肢1が正しい記述です。
民法第724条では、不法行為による損害賠償請求権は「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間(※人の生命又は身体を害する不法行為による場合は5年間)行使しないときは、時効によって消滅する」と規定されています。
この「被害者が損害を知った時」の解釈について、判例(最判平14.1.29)は、被害者が損害の発生を現実的に認識した時をいうと判示しています。したがって、選択肢1の記述は正しい内容となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:正しい
    上記の通り、「被害者が損害を知った時」とは、被害者が損害の発生を現実的に認識した時を指します。

  • 選択肢2:誤り
    不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権の消滅時効期間について、判例(最判平10.9.3)は、元本たる損害賠償債権の消滅時効期間と同一に解すべきとしています。したがって、遅延損害金債権も原則として、被害者が損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害による場合は5年)、または不法行為の時から20年で時効消滅します。「発生した時から10年間行使しないことにより」消滅するとする本肢は誤りです。

  • 選択肢3:誤り
    不法占拠等によって日々継続して発生する損害に関する消滅時効の起算点について、判例(最判平13.3.13)は、加害行為が終わった時から一括して進行するのではなく、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行するとしています。「別個に消滅時効が進行することはない」とする本肢は誤りです。

  • 選択肢4:誤り
    民法第724条後段における「不法行為の時から20年」という期間について、加害者が海外に在住していることは、時効の完成猶予や更新の事由(法定の停止事由)として規定されていません。したがって、加害者が海外に在住していても20年の時効期間は進行します。