平成29年度 宅地建物取引士資格試験 問20
法令上の制限盛土規制法
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
解答・解説
正解: 4. 宅地造成工事規制区域内において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。
本問は宅地造成等規制法に関する記述から誤っている選択肢を見つける問題です。
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1: 正しい。
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で、宅地造成に伴う災害の防止のため必要な擁壁等が設置されていないために、これを放置するときは災害の発生のおそれが大きいと認められる場合、一定の限度のもとに、その所有者、管理者又は占有者に対して、擁壁の設置等の措置をとることを命ずることができます(宅地造成等規制法第17条)。選択肢2: 正しい。
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地において行われている工事の状況について、その工事が宅地造成に関する工事であるか否かにかかわらず、当該宅地の所有者、管理者又は占有者に対して報告を求めることができます(同法第19条)。選択肢3: 正しい。
都道府県等は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、政令で定める技術的基準のみでは宅地造成に伴う災害の防止の目的を達しがたいと認める場合においては、都道府県等の規則で技術的基準を強化し、又は付加することができます。選択肢4: 誤り。
宅地造成工事規制区域内の宅地において、高さが2mを超える擁壁又は地表水等を排除するための排水施設等の全部又は一部の除却の工事を行おうとする者は、原則として、その工事に着手する日の14日前までに知事に届け出なければなりません。この規定には「政令で定める技術的基準を満たす」排水施設に限定する条件はないため、技術的基準を満たす必要のない排水施設であっても、除却工事を行う場合には届出が必要となります(同法第15条第2項)。したがって、「都道府県知事に届け出る必要はない」とする本肢は誤りです。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2023年5月26日施行の宅地造成等規制法の一部を改正する法律(通称「盛土規制法」)により、規則で技術的基準を強化できる主体が変更されました。出題当時は経過措置により施行時特例市もその主体に含まれていました。しかし、現行法では都道府県、指定都市または中核市のみとなります。このため、現在では選択肢 3 も誤りとなり、正解が複数になります。