令和元年度 管理業務主任者試験問題 問5

Aが、Bに対するCの債務を保証するためBとの間で保証契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 4. AがCの委託を受けずに保証人となった場合において、Aは、Cに対し、事前の求償権を行使することはできない。

正解は 4 です。

保証人が主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使すること(事前の求償権)が認められるのは、主たる債務者の委託を受けて保証人となった場合に限られます(民法460条)。主たる債務者の委託を受けずに保証人となった場合には、事前の求償権は認められないため、選択肢4が正しい記述です。

各選択肢の解説

  • 1. 誤り
    保証人Aが保証債務を弁済したことにより主たる債務者Cに対して求償権を取得した場合、Aは求償権の範囲内で債権者Bに当然に代位し(弁済による代位)、Bが有していた債権の効力及び担保として有していた一切の権利を行使することができます(民法500条、501条)。したがって、AはBの同意を得ることなく、Bに代位して抵当権を実行することができます。

  • 2. 誤り
    主たる債務者Cの委託を受けず、かつCの意思に反して保証人となったAが弁済をした場合、AはCが現に利益を受けている限度(求償権を行使する時点で残存している利益の限度)においてのみ求償することができます(民法462条2項)。「弁済の当時にCが利益を受けた限度」で求償できるのは、委託を受けない保証が主たる債務者の意思に反しない場合です(民法462条1項)。

  • 3. 誤り
    特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務(代金返還債務)についても保証の責任を負うというのが判例です(最大判昭和40年6月30日)。

  • 4. 正しい
    事前の求償権が認められるのは、主たる債務者の委託を受けて保証人となった場合に限られます(民法460条)。委託を受けない保証人Aは、主たる債務者Cに対して事前の求償権を行使することはできません。