令和元年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問20

ホストコンピュータとそれを使用するための2台の端末を接続したシステムがある。ホストコンピュータの故障率を aa,端末の故障率を bb とするとき,このシステムが故障によって使えなくなる確率はどれか。ここで,端末は1台以上が稼働していればよく,通信回線など他の部分の故障は発生しないものとする。

解答・解説

正解: ア. 1−(1−a)(1−b2)1 - (1 - a)(1 - b^2)

正解は ア です。

解説

このシステムは、ホストコンピュータと、2台の端末による並列システム(1台以上が稼働していればよい)が直列に接続された構成と見なすことができます。
システムが故障によって使えなくなる確率(故障率)を求めるには、まず「システム全体が正常に稼働する確率(稼働率)」を求め、それを 11 から引く(余事象を利用する)のが一般的です。

  1. ホストコンピュータの稼働率
    ホストコンピュータの故障率が aa であるため、正常に稼働する確率は 1−a1 - a です。

  2. 端末部分の稼働率
    端末は2台あり、1台以上が稼働していればよいため、端末部分が全く使えなくなるのは「2台とも同時に故障したとき」です。

    • 1台の端末の故障率が bb なので、2台とも故障する確率は b×b=b2b \times b = b^2 です。
    • したがって、端末が1台以上稼働する確率(端末部分の稼働率)は 1−b21 - b^2 となります。
  3. システム全体の稼働率
    システム全体が稼働するためには、「ホストコンピュータが稼働」し、かつ「端末が1台以上稼働」している必要があります。よって、システム全体の稼働率はそれぞれの稼働率の積となります。
    システムの稼働率=(1−a)(1−b2)\text{システムの稼働率} = (1 - a)(1 - b^2)

  4. システムが使えなくなる確率(故障率)
    全体(11)からシステムの稼働率を引くことで、システムが故障によって使えなくなる確率が求まります。
    システムの故障率=1−(1−a)(1−b2)\text{システムの故障率} = 1 - (1 - a)(1 - b^2)

したがって、ア が正解となります。

各選択肢の解説

  • ア:正解です。全体から「ホストが稼働し、かつ端末が少なくとも1台稼働する確率」を正しく引いています。
  • イ:(1−b)2(1 - b)^2 は「2台の端末が両方とも稼働する確率」です。この式は、端末が2台とも稼働していないとシステムが使えない(直列接続)場合の故障率を表しているため誤りです。
  • ウ:この式はシステムが正常に使える確率(稼働率)そのものを表しています。設問で問われているのは「使えなくなる確率(故障率)」であるため誤りです。
  • エ:ホストコンピュータと2台の端末のすべてが故障せずに稼働する確率を表しており、故障率ではないうえに端末の稼働条件も異なるため誤りです。

Spineチーム