IPA 労働関連法規(派遣・請負) — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

システム開発の現場では、派遣や請負で他社から来た人が自社の社員と同じ部屋で働くことがあり、その人を雇っている会社と、日々の作業を指示している会社が同じとは限りません。契約書の上では請負でも、注文した会社が相手の社員へ直接作業を指示していれば、その働かせ方は実態として派遣と変わらない偽装請負です。

2. 実際の出題のされ方

派遣や請負で働く人の雇用関係と指揮命令関係がどの会社にあるかは、契約の形を示した問いでも、作業の実態を示した問いでも尋ねられています。ITパスポートの問題は、派遣労働者の雇用関係の相手や、請負の作業形態のうち偽装請負とみなされるものを選ばせます。

図で示した企業と労働者の関係を読む問題と、発注者の事業所で作業する請負での指揮命令権と雇用契約の扱いを選ぶ問題は、応用情報技術者の午前で、契約の形と作業の実態を組み合わせて判断させます。同じ区分では、派遣元事業主が講ずべき措置、派遣先の行為の適否、36協定の特別条項を当てはめてよい事例、労働施策総合推進法の内容について、適切なものを選ばせています。

午前IIでは、管理者の実務に即した制度運用が問われます。プロジェクトマネージャやITサービスマネージャでは、36協定に関する制度の説明を選ぶ問題が出題されたほか、プロジェクトマネージャでは秘密情報を扱う担当従業員の扱いについて労働法に照らして適切な行為を選ぶ問題や、公益通報制度を運用する際に留意すべきこととして適切なものを選ぶ問題が出ています。

3. 学習のポイント

雇用関係は賃金を払い雇い主の責任を負う会社との結び付きで、指揮命令関係は日々の作業の進め方を指示する会社との結び付きです。労働者派遣ではこの二つが別々の会社に伸び、請負では仕事を引き受けた会社が両方を手元に残します。

労働者派遣法は、雇い主である派遣元と、現場で指示を出す派遣先に、それぞれの立場から別々の措置を求めています。

4. 間違えやすいところ

労働者派遣法に照らして適切な派遣先の行為を選ぶ問題では、派遣先が候補者の経歴書を取り寄せて、面接に呼ぶ人を絞るとする誤答肢がありました。紹介予定派遣を除き、派遣先は派遣される人を前もって特定する行為をしないよう努めることとされていて、書類で候補者を選ぶ手順は、自社で直接雇う人を採るときのものです。

派遣労働者の扱いを述べた記述から適切なものを全て選ぶ問題では、派遣先が給料を払うとする誤った記述がありました。派遣先が給料を払う形は、派遣先がその人を自社の社員として直接雇っている場合の関係です。

36協定の特別条項を、慢性的な人手不足を理由に1年間を期限として適用するとする誤答肢がありました。限度時間を超えて働かせる特別条項は、通常は予見できない業務量の大幅な増加に対応する臨時の措置で、慢性的な人手不足は、要員を補うか仕事の量を見直して解消する恒常的な事情です。

36協定に当たる制度を選ぶ問題では、一定期間の総労働時間を決めたうえで、毎日の始業と終業の時刻を働く人に任せる制度とする誤答肢がありました。働く時間帯を本人が選べるこの仕組みは、フレックスタイム制です。

情報セキュリティ管理の強化にあたり、事故を起こした際の懲戒処分を就業規則の規定より重くする個別合意を担当従業員と交わすとする誤答肢がありました。労働契約法により、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める合意は無効となるため、個別の合意で就業規則より重い処分を科すことはできません。

公益通報制度の運用について、受付窓口を社内に置くことが義務だとする誤答肢がありました。公益通報者保護法に基づく通報窓口は社内の部署に限られず、通報者の保護や独立性を確保するために外部の法律事務所などに設置することも認められています。

労働関連法規(派遣・請負)の理解度チェック

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