IPA 生産方式・サプライチェーン — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

ものづくりでは、作り始める前の設計の段階、工場の中で作る段階、取引先との間で部品や製品を受け渡す段階のそれぞれで、時間と費用と在庫の無駄が生まれます。それを減らすための生産方式や情報システムには、狙う無駄の種類と管理する範囲を表す名前が付いています。

2. 実際の出題のされ方

開発・生産の手法や生産を管理するシステムについては、採り入れる目的を選ばせる問いと、中身の定義を選ばせる問いがあります。バリューエンジニアリングにおける価値・機能・コストの関係式、コンカレントエンジニアリングを採用する目的、リーン生産方式のムダに当たる作業、FMSに関する記述、工程間の在庫を極力もたない生産方式の名称を選ぶ問題では、ITパスポートの水準で方式の名前と狙いの対応が試されました。応用情報技術者の午前には、かんばん方式の説明を選ぶ問題があります。

管理対象の範囲や工場の中のシステムの階層を問う出題もあります。応用情報技術者の午前では、SCMとPLMの目的を選ぶ問題と、工場のシステムを3つの層に分けたときにMESが動く層を選ぶ問題が出ています。エンベデッドシステムスペシャリストの午前IIでは、PLMの説明と、部品の調達から販売までのモノの流れを最適化する考え方の名前を選ばせています。

ITストラテジストの午前IIでは、生産管理の理論やサプライチェーンの参照モデル、工場のエネルギー管理まで問われます。S&OPとティアダウンの説明、JITとTOCの特徴を選ぶ問題があります。SCORで定義された実行プロセスのうち自社にとってのSourceに当たる作業と、生産工場のエネルギーレビューで「著しいエネルギーの使用の特定と特性の把握」に該当する活動を選ぶ問題も出ています。

3. 学習のポイント

バリューエンジニアリング(VE)は、製品やサービスの価値を、果たすべき機能とそこにかかるコストの比で表します。
価値=機能コスト \text{価値} = \frac{\text{機能}}{\text{コスト}}
機能を上げるかコストを下げることで価値を高めます。コンカレントエンジニアリングは、設計・試作・生産準備のような工程を、前の工程が終わるのを待たずに重ねて進める方法です。

生産にかかわる情報システムの名前は、束ねる情報の範囲が広いか狭いかで付け分けられています。

4. 間違えやすいところ

PLMの目的を問う問題では、生産の予定から資材の必要量と手配の時期を割り出す仕組みとする誤答肢がありました。これは資材所要量計画(MRP)の考え方です。

SCMシステムを構築する目的を問う問題では、顧客への価値が企業活動のどの段階で生まれているかをはっきりさせることとする誤答肢がありました。価値がどの活動で生まれるかを確かめる道具は、バリューチェーン分析です。

注文のたびに仕様の変わる受注生産の工場に向く方式を、JITの特徴とした誤答肢がありました。JITは同じ部品を一定の流れで使い続ける量産の現場を前提にしており、仕様が注文ごとに変わる個別受注生産には向きません。

TOCの特徴として、工程を一つずつ最も効率よくすれば全体も最適になるとする誤答肢がありました。ボトルネックでない工程だけを速くしても、その前後に仕掛品がたまるだけで、全体の出来高は増えません。

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