平成28年度 管理業務主任者試験 問34

マンションの専有部分及び専用使用権に関する次の記述のうち、区分所有法、標準管理規約及び判例によれば、最も不適切なものはどれか。

解答・解説

正解: 4. 敷地に、特定の区分所有者に対して無償の駐車場専用使用権が規約に基づいて設けられていた場合、後に、当該駐車場部分の使用を有償化する決議をするには、必ず当該専用使用権者の承諾を得なければならない。

正解は 4 です。

本問は、マンションの専有部分および専用使用権に関する区分所有法、標準管理規約、判例の知識を問う問題です。最も不適切な記述は選択肢4となります。

無償または低額の駐車場専用使用権が設定されている場合において、総会(集会)の決議によってその使用料を有償化または増額する規約変更や決議を行う際、それが区分所有法第31条第1項後段の「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」に該当するかどうかが問題となります。

判例(最判平成10年10月30日など)によれば、有償化や増額の必要性・合理性と、それによって専用使用権者が受ける不利益の程度を比較衡量し、社会通念上相当な範囲内にとどまるものであれば、「特別の影響」を及ぼすものとはいえず、当該専用使用権者の承諾を得る必要はないとされています。したがって、「必ず当該専用使用権者の承諾を得なければならない」とする選択肢4は不適切です。

各選択肢の解説

  • 1:適切
    区分所有法第1条および第2条第3項の規定のとおりです。一棟の建物に構造上の独立性(壁や天井などで遮断されていること)と、利用上の独立性(独立して住居や店舗などの用途に供することができること)を備え、区分所有権の目的となっている建物の部分を専有部分といいます。
  • 2:適切
    判例(最判昭和56年6月18日)の趣旨のとおりです。建物の地下に設けられた駐車場部分について、シャッター等がなく周囲すべてが完全に遮蔽されていなくても、他の部分と明確に区分されており、構造上・利用上の独立性を備えていると認められる場合には、専有部分として登記し、分譲することができます。
  • 3:適切
    標準管理規約第2条第八号(専用使用権)および第九号(専用使用部分)の定義のとおりです。専用使用権とは、敷地及び共用部分等の一部について、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利をいい、その対象となっている敷地及び共用部分等の部分を専用使用部分といいます。
  • 4:不適切
    上記のとおり、無償の駐車場専用使用権を有償化する決議を行う場合であっても、その変更に必要性および合理性があり、使用料の額が社会通念上相当なものであれば、「特別の影響」には当たらず、専用使用権者の承諾は不要です。