平成30年度 管理業務主任者試験問題 問14

管理組合の活動における以下の取引に関して、平成30年3月分の仕訳として最も適切なものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引においても、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

(取引)
図の説明テキスト

(取引)
平成30年4月20日に、マンション管理業者を通じて、以下の内訳の請求書が管理組合宛に届いたので、同年4月30日に普通預金から振込により支払った。

(請求書の内訳)

項目 内容 金額
① 5月分委託業務費 1,200,000円
② 3月分電話料 15,000円
③ 3月分電気料 175,000円
④ 5月分管理事務室用コピー機リース料 20,000円
合計 1,410,000円
仕訳の選択肢(単位:円)
図の説明テキスト

仕訳の選択肢(単位:円)

1

(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
通信費 15,000 普通預金 190,000
水道光熱費 175,000

2

(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
通信費 15,000 未払金 190,000
水道光熱費 175,000

3

(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
通信費 15,000 未払金 190,000
水道光熱費 175,000 委託業務費 1,200,000
前払金 1,220,000 リース料 20,000

4

(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
委託業務費 1,200,000 普通預金 1,410,000
通信費 15,000
水道光熱費 175,000
リース料 20,000
解答・解説

正解: 2. | (借方)勘定科目 | 金額 | (貸方)勘定科目 | 金額 |
| --- | --- | --- | --- |
| 通信費 | 15,000 | 未払金 | 190,000 |
| 水道光熱費 | 175,000 | | |

正解の根拠

管理組合の会計は発生主義(原因となる事実が発生した時点の属する年度・月次に収支を計上する考え方)によって処理します。本問では「平成30年3月分の仕訳」が問われているため、請求書の内訳のうち平成30年3月に発生した取引のみを抽出し、3月末時点の状況に基づいて仕訳を行います。

  1. 対象となる取引の抽出

    • ① 5月分委託業務費(1,200,000円):平成30年5月分の費用であり、支払も4月30日のため、3月分の仕訳には関係しません。
    • ② 3月分電話料(15,000円):3月に発生した費用であるため、3月分の通信費として借方に計上します。
    • ③ 3月分電気料(175,000円):3月に発生した費用であるため、3月分の水道光熱費として借方に計上します。
    • ④ 5月分管理事務室用コピー機リース料(20,000円):平成30年5月分の費用であり、支払も4月30日のため、3月分の仕訳には関係しません。
  2. 貸方(相手勘定科目)の決定
    3月分の電話料(15,000円)と電気料(175,000円)は、4月20日に請求書が届き、4月30日に支払われています。したがって、3月末時点ではまだ支払われていないため、合計額である 15,000+175,000=190,00015,000 + 175,000 = 190,000 円を負債である未払金として貸方に計上します。

以上より、正しい仕訳は選択肢2となります。

各選択肢の解説

  • 1:3月末時点ではまだ普通預金からの支払(4月30日)が行われていないため、貸方を「普通預金」とするのは誤りです。
  • 2:正しい。3月に発生した通信費15,000円と水道光熱費175,000円を借方に計上し、3月末時点で未払いである合計額190,000円を貸方に「未払金」として計上しています。
  • 3:5月分の委託業務費とリース料は、3月の時点では発生も支払もしていないため、3月分の仕訳に「前払金」「委託業務費」「リース料」を計上するのは誤りです(また、費用が貸方に計上されている点も不適切です)。
  • 4:これは4月30日の支払時の金額に基づいた現金主義的な仕訳であり、発生主義に基づく3月分の仕訳としては誤りです。