令和元年度 管理業務主任者試験問題 問10
管理委託契約・管理実務滞納管理費の回収
マンションの管理費又はその滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 2. 区分所有者は、自己の所有する住戸を賃貸し、そこに賃借人が居住するときでも、管理費の支払債務を負う。
正解は 2 です。
マンションの管理費(共用部分の負担・利益)は、各区分所有者が規約に別段の定めがない限りその共有持分に応じて負担する義務を負います(区分所有法第19条)。専有部分を第三者に賃貸して賃借人が居住している場合であっても、管理組合に対する管理費の支払義務を負うのはあくまで区分所有者(賃貸人)であり、その支払債務を免れることはできません。
各選択肢の解説
- 1:誤り
共用部分等について生じた債権(滞納管理費など)は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができます(区分所有法第7条第1項、第8条)。競売による買受人もこの特定承継人に該当するため、通常の売買と同様に、前区分所有者の滞納管理費の支払債務を承継します。 - 2:正しい
管理費の支払債務は区分所有権に伴う義務であるため、専有部分を賃貸して賃借人が居住しているときでも、区分所有者自身が管理費の支払債務を負います。 - 3:誤り
管理者が病気で長期入院したことは、民法上の時効の停止事由(天災その他避けることのできない事変など)には該当しません。したがって、管理者の入院期間中であっても滞納管理費の消滅時効は進行し、期間満了により完成します(なお、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって新たな管理者を選任することもできます(区分所有法第25条第1項))。 - 4:誤り
滞納管理費の支払請求訴訟を提起するにあたり、あらかじめ書面による催告や簡易裁判所を通じた支払督促の手続を行っておかなければならないという規定は、民法、民事訴訟法及び区分所有法のいずれにも存在しません。管理者は、集会の決議等に基づき、直ちに支払請求訴訟を提起することができます。