令和元年度 管理業務主任者試験問題 問11
マンションの管理費の支払債務の時効の中断に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- ア 管理費の滞納者が死亡した場合においては、時効は中断する。
- イ 管理費の滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合においては、その破産手続開始決定の時に時効が中断する。
- ウ 管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続をとらないと、時効の中断の効力は失われる。
- エ 管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合においては、その承認書が公正証書によるものでなくても、時効が中断する。
解答・解説
正解: 2. 二つ
正解は 2(二つ)です。
民法における時効の中断(請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認など)に関する規定に照らすと、正しい記述は ウ と エ の2つとなります。
各記述の解説
ア:誤り
債務者(管理費の滞納者)が死亡した場合、その支払債務は相続人に承継されますが、死亡という事実自体は民法上の時効の中断事由にはあたりません。したがって、滞納者が死亡しても時効は中断せず、そのまま進行します。イ:誤り
破産手続における時効の中断は、債務者が破産手続開始の決定を受けた時ではなく、債権者(管理組合など)が破産手続参加(破産債権の届出)をした時に生じます。単なる破産手続開始決定の時点では時効は中断しません。ウ:正しい
催告(内容証明郵便による請求など)には暫定的な効力しかなく、催告があった時から6箇月以内に裁判上の請求、支払督促の申立て、和解・調停の申立て、破産手続参加、差押え、仮差押えまたは仮処分などの一定の手続をしなければ、時効の中断の効力を生じません。エ:正しい
債務者が債権者に対して債務の存在を認める承認は、時効の中断事由となります。承認の方法には特別な方式(書面の有無や公正証書によることなど)は求められていないため、公正証書によらない単なる承認書(私署証書)の提出であっても、有効に時効が中断します。
各選択肢の解説
- 1(一つ):正しいものはウとエの2つであるため、誤りです。
- 2(二つ):ウとエの2つが正しいため、正解です。
- 3(三つ):正しいものは2つであるため、誤りです。
- 4(四つ):正しいものは2つであるため、誤りです。