平成30年度 管理業務主任者試験問題 問11
マンションの管理費の滞納に対する対策及び法的手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説
正解: 3. 管理費を滞納している区分所有者が、自己破産の申立てを行い、破産手続開始の決定を受けた場合、管理組合は、先取特権の実行を除き、破産手続に参加しなければ、滞納管理費の回収をすることができない。
正解は 3 です。
マンションの管理費の滞納に対して法的手続をとる場合、区分所有者の破産や行方不明といった状況に応じた適切な手続を選択する必要があります。破産手続開始決定がなされた場合、破産債権である滞納管理費(破産手続開始前の原因に基づいて生じたもの)は、原則として破産手続によらなければ行使できませんが、区分所有法第7条に基づく先取特権は別除権として扱われるため、破産手続によらずに行使することができます。これを除けば、破産手続に参加(債権届出)しなければ回収することはできません。
各選択肢の解説
1:不適切
民法上の催告には方式の定めがなく、書面だけでなく口頭でも行うことができます。したがって、普通郵便による督促であっても「催告」に該当し、6箇月以内に裁判上の請求等を行えば時効の中断の効力を生じます。実務上、配達証明付内容証明郵便が用いられるのは、催告を行った事実や到達した日時を証拠として残すためであり、法律上の有効要件ではありません。2:不適切
金銭の給付を目的とする債務の不履行については、約定利率(管理規約等による定め)がない場合であっても、債権者は民法所定の法定利率(年5分)による遅延損害金を請求することができます。3:適切
破産手続開始決定前に生じた滞納管理費は破産債権となり、破産手続によらなければ行使することができません。ただし、管理組合が有する区分所有法第7条の先取特権は破産法上の別除権として認められるため、破産手続外で実行することができます。したがって、先取特権の実行を除き、破産手続に参加しなければ回収することはできません。4:不適切
滞納している区分所有者が行方不明で訴状の送達場所がわからない場合であっても、民事訴訟法に基づく公示送達の申立てを行うことで、訴状を送達したものとみなして訴訟手続を進めることができます。したがって、訴えを提起することは可能です。