令和元年度 管理業務主任者試験問題 問33

専有部分の修繕等に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。

解答・解説

正解: 4. 理事長の承認を受けた工事であれば、総会の決議を経なくても、当該工事に必要な外壁の穿孔、躯体の一部撤去を行うことができる。

正解は 4 です。

本問は、区分所有法および標準管理規約(単棟型)第17条(専有部分の修繕等)とそれに関するコメントの理解を問う問題です。

専有部分の修繕等に際して共用部分である外壁の穿孔(穴あけ)や躯体の一部撤去を行う場合、これらは共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)に該当する場合があり、その場合には理事長の承認だけでは足りず、区分所有法第17条第1項に基づく総会の特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数。ただし、区分所有者の定数は規約で過半数まで減ずることができる)が必要です。したがって、総会の決議を経なくても行うことができるとする選択肢 4 が最も不適切です。

各選択肢の解説

  • 1:適切
    標準管理規約第17条第1項および同条コメントによると、区分所有者が専有部分の修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(修繕等)であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ理事長に申請し、書面による承認を受けなければなりません。ただし、同条第7項により、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるもの(工事業者に依頼して行う畳の交換や壁紙の張替えは、工事業者の立入りを伴うため、これに当たります)については、理事長の承認は不要ですが、あらかじめ理事長に届け出る必要があります。

  • 2:適切
    標準管理規約第17条第6項は、第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならないと定めており、コメント第17条関係⑪は、同項が、第1項の承認が事後的な影響について当該工事を発注した区分所有者の責任や負担を免責するものではないことを確認的に定める趣旨であるとしています。したがって、承認を受けた工事であっても、工事の結果として共用部分や他の専有部分に生じた事後的な影響について、当該工事を発注した区分所有者が責任や負担を免れるわけではありません。

  • 3:適切
    標準管理規約第17条第5項及びコメント第17条関係⑬(第67条)によると、理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができ、理事長は、申請又は届出を受けたものとは異なる内容の工事が行われている等の違反が確認された場合には、工事の差し止めや原状回復のための必要な措置等をとることができます。

  • 4:不適切(正解)
    コメント第17条関係④は、専有部分の修繕等の実施は共用部分に関係してくる場合もあることから、区分所有法第18条第1項の共用部分の管理に関する事項として、同条第2項の規定により規約で別の方法を定めたものとしつつ、区分所有法第17条第1項の共用部分の変更に該当し、集会の決議を経ることが必要となる場合もあることに留意する必要があるとしています。共用部分(別表第2の内外壁・床スラブ・柱等)である外壁の穿孔や躯体の一部撤去が共用部分の変更に当たる場合には、理事長の承認のみで行うことはできず、総会の決議を経る必要があります。