令和2年度 管理業務主任者試験 問18
建物・設備の維持保全建築基準法
都市計画区域における建築物の工事のうち、建築基準法によれば、建築物の建築等に関する申請及び確認が不要なものは、次のうちどれか。
解答・解説
正解: 1. 既存建築物の全部又は一部を除却し、それらの建築物又は建築物の部分を、従前と同様の用途・構造・規模のものに建て替える改築をする建築工事 / 2. 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕工事 / 3. 増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替えを行わずに、ホテルを、用途を変更して共同住宅とする工事(複数正解と扱われた問題です)
正解は 1、2、3 です(複数正解)。
建築確認(建築物の建築等に関する申請及び確認)が必要となるのは、建築基準法第6条第1項および第87条第1項に定められた一定の規模・構造の建築物における新築、増築、改築、移転、大規模の修繕・模様替え、および一定規模を超える特殊建築物への用途変更です。
設問では対象となる建築物の構造・規模や用途変更部分の床面積が限定されていないため、以下の理由から選択肢 1、2、3 のいずれも建築確認が不要となるケースに該当し、正解となります。
各選択肢の解説
1:正しい(確認が不要となる場合がある)
- 改築とは、建築物の全部もしくは一部を除却し、またはこれらの部分が災害等によって滅失した後、引き続きこれと用途・規模・構造の著しく異ならないものを造ることをいいます。
- 都市計画区域内であっても、防火地域および準防火地域外において建築物を改築する場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が 以内であるとき(建築基準法第6条第2項)などは、建築確認が不要となります。
2:正しい(確認が不要となる場合がある)
- 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕は大規模の修繕に該当します(建築基準法第2条第14号)。
- 大規模の修繕において建築確認が必要となるのは、法6条1項1号〜3号の建築物(特殊建築物で床面積が を超えるもの、木造で3階以上・延べ面積 超・高さ 超・軒高 超のもの、木造以外で2階以上・延べ面積 超のもの)に限られます。4号建築物(都市計画区域内の一般的な小規模木造住宅など、1号〜3号以外の建築物)の大規模の修繕については、建築確認は不要です。
3:正しい(確認が不要となる場合がある)
- 建築物の用途を変更して法6条1項1号の特殊建築物(共同住宅など)とする場合、その用途変更部分の床面積の合計が を超えるものについては建築確認が必要です(建築基準法第87条第1項)。
- しかし、ホテルから共同住宅への用途変更であっても、用途変更に係る部分の床面積の合計が 以内である場合は、建築確認は不要となります。
4:誤り(確認が必要)
- 防火地域および準防火地域内においては、床面積の合計が 以内の増築・改築・移転であっても建築確認の免除規定は適用されません(建築基準法第6条第2項)。
- したがって、準防火地域内で床面積の合計が の物置を増築する工事は、必ず建築確認が必要となります。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2025年4月1日施行の建築基準法改正により第6条第1項の区分が見直され、いわゆる4号建築物はなくなりました。現行法では、2以上の階数を有し、又は延べ面積が を超える建築物(同項第2号)も、大規模の修繕・大規模の模様替に建築確認が必要です。確認が不要となるのは、都市計画区域等内の平屋かつ延べ面積 以下の建築物(同項第3号)の大規模の修繕などに限られます。選択肢1〜3がいずれも「確認が不要となる場合がある」ことは変わらないため、正解(1・2・3)は変わりません。