令和2年度 管理業務主任者試験 問2

マンションの区分所有者Aは、リフォーム会社Bとの間で、住戸内の浴室をリフォームする内容の請負契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結したが、この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 3. Bが本件契約内容に適合した工事を完成させた場合であっても、Aは、Bに生じる損害を賠償すれば、本件契約の解除をすることができる。

正解は 3 です。

民法の請負契約に関する規定では、注文者(A)による任意解除(注文者からの一方的な契約解除)は「請負人が仕事を完成しない間」に限って認められています(民法641条)。したがって、請負人(B)が工事を完成させた後は、たとえ損害を賠償したとしても注文者から一方的に契約を解除することはできないため、選択肢3が誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 1. 正しい
    仕事の目的物が契約の内容に適合しない場合(契約不適合)、注文者が代金減額請求をするためには、原則として相当の期間を定めて履行の追完(修補など)の催告をし、その期間内に履行の追完がないことが必要です(民法559条、563条1項)。修補が不能である場合などを除き、修補が可能な場合には直ちに代金減額請求をすることはできません。

  • 2. 正しい
    注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人または破産管財人は、契約の解除をすることができます(民法642条1項)。ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後はすることができません(同項ただし書)。本肢は工事完成前であるため、Bまたは破産管財人は契約を解除することができます。

  • 3. 誤り
    請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができます(民法641条)。しかし、Bがすでに契約内容に適合した工事を完成させた後は、この規定に基づく解除をすることはできません。

  • 4. 正しい
    請負人が種類または品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡した場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができません(民法637条1項)。